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プリモボランは怖い薬?
公開. 更新. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約2分32秒で読めます.
4,779 ビュー. カテゴリ:プリモボランはステロイド?
あまり見かけることが無いのですが、プリモボランという蛋白同化ステロイド剤。
うちで処方されている患者さんが1名いらっしゃいますが、なかなかインタビューしづらい側面もあり、病名などは不明。
プリモボランの効能効果は、
骨粗鬆症
下記疾患による著しい消耗状態
慢性腎疾患,悪性腫瘍,外傷,熱傷
下記疾患による骨髄の消耗状態
再生不良性貧血
普通の骨粗鬆症で処方されることは無いだろう。
再生不良性貧血か、何かしらの疾患による消耗状態と推測される。
蛋白同化ステロイド剤と聞くと、ドーピングに使われるステロイドという怖いイメージがあります。
用法用量を守って使用する限りにおいては心配いらないのだろうけど、この「なんとなく怖い」というイメージは払しょくする必要がある。
そもそもスポーツ選手の使用する蛋白同化ステロイドは、競争という意識の中で使われるので、過量投与になりやすく、そのために副作用に蝕まれる危険性が高い。
それに、薬を使って記録を伸ばすというやり方は、不公平、ずるいという共通認識があり、組織や協会からしてみれば「ステロイドは怖い」というイメージを刷り込む必要があるのだろう。
しかし、医療的にはあまり副作用が怖いというイメージを持たれると、コンプライアンス的に問題が生じる可能性が出てくるわけで。
「ステロイドが怖い」というイメージは障壁となる。
蛋白同化ステロイドを使って亡くなるスポーツ選手の死因は、心疾患であることが多い。
高血圧、血中LDLコレステロールの増加、血中HDLコレステロールの低下により、心血管系の病気を誘発する原因ともなる。特に「心臓の運動」となる有酸素運動と組み合わせると、顕著な心肥大を起こさせるので絶対に組み合わせてはいけない。有名ランナーや自転車競技の選手が数多く心疾患で死亡している。アナボリックステロイド – Wikipedia
プリモボランの副作用としては、肝機能障害があるので、血液検査でチェックする必要がある。
肝機能障害をもつ薬は数多くあるので、プリモボランが特段怖いというわけではない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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