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モーラステープをお風呂ではがす?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分27秒で読めます.
7,380 ビュー. カテゴリ:テープ剤と皮膚剥離
モーラステープみたいな粘着力の強いテープ剤を、皮膚の弱い高齢者が使うと、はがす時に皮膚まではがれてしまうことがある。
そのため、皮膚の弱い患者には、テープ剤ではなくパップ剤が処方されることもよくある。
粘着力は強いほうが良いというわけではない。
剥がれやすいほうが皮膚には優しい。
先日モーラステープを使っている患者さんが、「お風呂ではがしている」というのを聞いた。
なるほどね。
テープをふやかしてお風呂ではがしたほうが痛く無さそうだ。
子供のころ、絆創膏をお風呂ではがしたりしていたことを思い出しました。
そのほか、モーラステープと皮膚の間にガーゼをはさむという対策をとるおじいちゃんもいました。
これはむしろかぶれ対策か。
みなさん色々工夫しているようです。
モーラステープは半日ではがす?
モーラステープの効果がどのくらいで発現して、どのくらいの間持続するのか、というデータは無い。
用法は、1日1回、となっているが、24時間貼り続けないといけないというわけではない。
逆に1日中貼り続けているとかぶれるので、半日貼ってそのあとはがす、という使い方を推奨する医師もいる。
Tmaxは12.67時間なので、半日もすれば、薬の成分はほとんど皮膚に吸収されているという理屈。
よく動かす部位だと、半日も経つとクシャクシャになってきますが。
モーラステープを貼ったままコタツに入っちゃダメ?
モーラステープによる光接触皮膚炎は投与部位の皮膚に紫外線を照射することで発症すると考えられています。
赤外線は原因として考えられていません。
蛍光灯やコタツからの光には紫外線も含まれていますが、ごくわずかですので、光接触皮膚炎を発症する心配はありません。
なお、モーラステープを貼ったままコタツに入ると、暖まることで成分の吸収が高まったり、汗がでたりすることなどによりカブレが誘発されるおそれがありますので、ご注意下さい。
モーラステープのかぶれが全身に広がる?
モーラステープを使って接触性皮膚炎(かぶれ)を起こした患者さんで、そのかぶれが全身に広がっていく患者さんがいた。
医師からは「自家感作性皮膚炎」という診断。
接触性皮膚炎では本来、接触した部位にしか症状は出ないはずですが、自家感作性皮膚炎になると局所の湿疹が拡大し全身に広がっていきます。
痒くて掻いていると広がるようです。
原発巣で産生されたサイトカイン(細胞が産生する微量生理活性タンパク質)を介して原発巣以外の皮膚に刺激性の湿疹が生じると言われています。
薬を譲っちゃダメ?
飲み薬はいけないけど、痛み止めの湿布くらいだったら家族に使わせてもいいでしょう、と思う人は多いと思います。
モーラステープの注意書きには、「この薬を他の人に譲ってはいけません」と書いてあります。
しかし、こういう注意書きは、「この薬を食べてはいけません」くらいのとりあえず書いてある注意、程度にしか見ない人もいます。
しかし、モーラスは違います。
ロキソニンテープやボルタレンテープとは違うのです。
モーラステープには光線過敏症という副作用があるからです。
モーラステープを子供に使わせてかぶれたという話をよく聞きます。
子供は特に外でよく遊ぶので、高齢者よりリスクが高いです。
貼り薬だからといって安易に人に譲る行為は止めましょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
貼り薬はだいたい4時間はればほとんど薬の成分が吸収されるのではがしてかまわないと薬剤師さんにいわれましたが実際はどうなのでしょうか???
貼り薬は4時間はってはがせばいいのでは??