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大腸憩室炎にペンタサが効く?
公開. 更新. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約1分17秒で読めます.
2,433 ビュー. カテゴリ:大腸憩室炎とは?
山崎邦正が大腸憩室炎で入院してたことがあったな。
その大腸憩室炎にメサラジンが効くという話。
潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の活動期には、その大腸粘膜に好中球などの貪食細胞が集積し、多量の活性酸素・フリーラジカルを持続的に産生する。
大腸粘膜の炎症が慢性的に持続する場合、この活性酸素の組織傷害を惹起すると考えられている。
また、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の大腸粘膜では、白血球の走化作用および活性化作用を有する炎症性メディエーターであるロイコトリエン(LT)B4の産生が亢進していることから、LTB4は炎症性腸疾患における重要なメディエーターと考えられている。
そのため、大腸憩室炎でも同様に、活性酸素・フリーラジカル、LTB4が大腸粘膜の炎症の進展に寄与しているとされる。
メサラジンは、炎症性細胞から放出される活性酸素を消去し、炎症の進展と組織の傷害を抑制する。
また、好中球でのLTB4生合成を抑制し、炎症性細胞の組織への浸潤を抑制する。
この他に、血小板活性化因子の放出抑制、インターロイキン1βの産生抑制、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制などの寄与も考えられている。
これらの作用が総合的に働いて、大腸憩室炎の治療に効果を発揮しているものと考えられる。
ペンタサを適応外使用?
一見すると潰瘍性大腸炎に対する処方のようであるが、潰瘍性大腸炎で使用されるステロイドや免疫抑制剤がなく、抗菌薬のシプロフロキサシン(シプロキサン他)が処方されているのが、大腸憩室炎に対する処方と見抜くポイントである。
シプロフロキサシンの代わりに、メトロニダゾール(フラジール他)、あるいはこの両方が併用されることもある。
参考書籍:日経DI2012.10
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