2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

大腸憩室炎にペンタサが効く?

大腸憩室炎とは?

山崎邦正が大腸憩室炎で入院してたことがあったな。

その大腸憩室炎にメサラジンが効くという話。

潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の活動期には、その大腸粘膜に好中球などの貪食細胞が集積し、多量の活性酸素・フリーラジカルを持続的に産生する。

大腸粘膜の炎症が慢性的に持続する場合、この活性酸素の組織傷害を惹起すると考えられている。

また、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の大腸粘膜では、白血球の走化作用および活性化作用を有する炎症性メディエーターであるロイコトリエン(LT)B4の産生が亢進していることから、LTB4は炎症性腸疾患における重要なメディエーターと考えられている。

そのため、大腸憩室炎でも同様に、活性酸素・フリーラジカル、LTB4が大腸粘膜の炎症の進展に寄与しているとされる。

メサラジンは、炎症性細胞から放出される活性酸素を消去し、炎症の進展と組織の傷害を抑制する。

また、好中球でのLTB4生合成を抑制し、炎症性細胞の組織への浸潤を抑制する。

この他に、血小板活性化因子の放出抑制、インターロイキン1βの産生抑制、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制などの寄与も考えられている。

これらの作用が総合的に働いて、大腸憩室炎の治療に効果を発揮しているものと考えられる。

ペンタサを適応外使用?

一見すると潰瘍性大腸炎に対する処方のようであるが、潰瘍性大腸炎で使用されるステロイドや免疫抑制剤がなく、抗菌薬のシプロフロキサシン(シプロキサン他)が処方されているのが、大腸憩室炎に対する処方と見抜くポイントである。

シプロフロキサシンの代わりに、メトロニダゾール(フラジール他)、あるいはこの両方が併用されることもある。

参考書籍:日経DI2012.10

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

コメント


カテゴリ

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
著書: 薬局ですぐに役立つ薬剤一覧ポケットブック
ツイッター:
プライバシーポリシー

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

最新の記事


人気の記事

検索