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アビガンがマダニ感染症に効く?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分3秒で読めます.
1,264 ビュー. カテゴリ:マダニとSFTSウイルス
マダニに刺されたときの薬ってあるの?
新型インフルエンザ治療薬のアビガン(ファビピラビル)に新しい適応症が追加された。
「重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症」である。どんな病気だろうか。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されるウイルス(SFTSウイルス)によって引き起こされるダニ媒介性感染症である。
SFTSは主に、森林などに生息するマダニに咬まれて発症する。
感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気–嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)などの症状が出現する。
致死率は10%を超えるとされる。
確定診断にはウイルスの分離・同定などのウイルス学的検査が必要で、SFTSが疑われる場合は、保健所や地方衛生研究所を通じて、国立感染症研究所ウイルス第一部に検査を依頼する。
SFTSウイルスを媒介するマダニは、食品などに発生するコナダニや衣類や寝具などに発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なるが、日本でも全国的に屋外に広く分布しており、市街地周辺でも見られる。
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚に口器を突き刺して長時間(数日〜10日間)吸血する。
無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血しているマダニに気付いたときは病院で処置してもらうようにする。
今まで、ワクチンや抗ウイルス薬などの有効な治療法はなく、対症療法が中心であったが、この度アビガンが治療に使えるようになったというわけだ。
SFTSの治療薬は世界初とのこと。
新型インフルエンザで使われなくなったアビガンの使い道を無理やり探した感もある。
アビガンのSFTSに対する用法は、「通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与する。総投与期間は10日間とすること。」となっており、アビガン錠は200㎎の規格なので、計90錠飲むことになる。
1錠が3万9862.5円なので、1回3587625円…360万円くらいだ。90錠包装があってよかった。院外で処方されるか?
そもそも感染を防ぐにはマダニに咬まれないようにすることが重要だ。
マダニの活動が活発化するのは春から秋にかけて。草むらや藪などマダニが多く生息する場所に入るときは、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出をなるべく少なくする。
マダニによる感染症には日本猩紅熱やライム病などもある。
また、中国では患者血液との直接接触が原因とされる感染例も報告されており、患者の血液や体液に直接触れないようにする接触予防策の遵守も重要といわれる。
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