2024年4月29日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ビオフェルミン散とビオフェルミン配合散の違い

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ビオフェルミン製薬

知らなかったのだが2022年12月9日に「ビオフェルミン散剤」が発売されていた。
ビオフェルミン散って今まで無かったっけ?と思いつつ確認すると、今まで存在していたのは「ビオフェルミン配合散」と「ビオフェルミン錠」、シンプルな散剤は無かった。今さら感は拭えない。

ビオフェルミン散の成分は、ビフィズス菌。
ビオフェルミン錠の成分も、ビフィズス菌。
ビオフェルミン配合散の成分は、ラクトミンと糖化菌。
ちなみに、ビオフェルミンR錠とビオフェルミンR酸は耐性乳酸菌。

整腸剤に含まれる菌種には、ビフィズス菌、乳酸菌(ラクトミン)、酪酸菌、糖化菌があります。
ビフィズス菌は偏性嫌気性菌で、小腸下部から大腸にかけて増殖し、乳酸および酢酸を産生する。有害菌増殖抑制作用、腸管運動促進作用がある。
乳酸菌は通性嫌気性菌で、小腸から大腸にかけて増殖し、乳酸を産生する。増殖性ならびに乳酸生成能が高く、有害菌の発育を阻止することにより、腸の粘膜を保護する。
酪酸菌は偏性嫌気性菌で、芽胞を形成する。酪酸の産生能が高く、大腸で増殖する性質を有する。
糖化菌は偏性好気性菌で、芽胞を形成する。小腸上部より増殖を始め、乳酸菌の増殖促進作用がある。

ビフィズス菌も乳酸菌の仲間だと思っていたが、乳酸だけでなく酢酸も作る。
芽胞があるほうが抗生物質に耐性があるそうだ。

ビオフェルミン配合散になんでビフィズス菌入れてないんだと思ったら、ビオフェルミン製薬からはビフィズス菌・ラクトミン配合されているビオスミン配合散という商品が販売されていた。

ビフィズス菌単体の整腸剤としてはラックビーがすでに先発品として販売されており、ビオフェルミン錠も散もジェネリックになる。先発だろうがジェネリックだろうがこの辺の薬は全部安いので価格的に大差はないが、薬局としては後発医薬品体制加算のためにジェネリックを採用したいところ。1錠中の菌量が違うので変更調剤はできないが。

効果の面や特許やら、色んな思惑もあってちょっとわかりにくい状況を生み出しているが、薬局としてはビオフェルミン配合散とビオフェルミン散剤の取り違えに注意しなければならないというミッションが新たに追加されたという点については遺憾である。

ラクトミンの配合量

ビオフェルミン配合散は、「配合」と名に付く通り、複数の成分が入っています。
1g中ラクトミン6mgと糖化菌4mgの2種類。

ビオスリー配合散は、スリーなので3種類。
1g中ラクトミン10mg、酪酸菌50mg、糖化菌50mgの3種類。

なんとなく量だけでみると、ビオスリーのほうが効きそう。

で、ラクトミン単体の、ラクトミン散「イセイ」をみると、
当然成分はラクトミンのみ。
組成をみると、
「ラクトミン散「イセイ」は、1g中ラクトミン1g[1g中乳酸菌 (Streptococcus faecalis ) の生菌を1億~10億個を含む。]を含有する。」

???
確かにラクトミンの原末なので、1g中1g。
使用量も「1日3~9g」とビフェルミンの「1日3~9g」ビオスリーの「1日1.5~3g」と大差ない。

ラクトミン10mgよりも1000mgのほうが効くだろうと思う。
そもそもラクトミンとは何なのか?

ラクトミンは、「Streptococcus faecalis、Streptococcus faecium、Lactobacillus acidophilus、またはLactobacillus bulgaricusの生菌菌体を集め、乾燥した後、殿粉、乳糖、白糖など適当な賦形剤またはそれらの混合物と混合したもの」と定められている。ラクトミン – Wikipedia

・・・
ラクトミン自体に賦形剤が入っているということのようだ。

そのためラクトミン1g中に入っている菌の量が1gというわけではない。
ビオフェルミンやビオスリーに記載されているラクトミンの量は菌の量のようだ。
ラクトミン散イセイ1gに含まれている乳酸菌の菌数は1億~10億であり、乳酸菌1mgで約1億個ということなので、ラクトミン散1gに含まれる菌の量は1mg~10mgという計算になる。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
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