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オルメテックで下痢?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約1分26秒で読めます.
1,670 ビュー. カテゴリ:オルメサルタンとスプルー様腸疾患
オルメテックを飲んでいる患者さんで下痢をしている、という患者さんがいたので調べてみる。
まあ、下痢程度ならどんな薬でも起こり得るんじゃね?と軽く考えていました。
オルメテックの副作用に、
長期投与により、体重減少を伴う重度の下痢があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、生検により腸絨毛萎縮等が認められたとの報告がある。
軽い下痢なら問題ないのかもしれませんが、重度の下痢が起きた場合には中止したほうがいい。
オルメテック以外のARBにも「下痢」の副作用は書いてありますが、「重度の下痢」というのはオルメテックのみ。長期投与する薬はなるべく安全なほうが良い。
このオルメテックによる下痢は、スプルー様腸疾患というらしい。オルメサルタン関連腸炎、オルメサルタンによる吸収不良症候群ともよばれる。
スプルーみたいな下痢ということだ。
そもそもスプルーってなんだ?
スプルー
sprue熱帯性下痢。脂肪性で悪臭がある下痢,腹部膨満と不快,舌炎,体重減少,貧血などをおもな症状とする慢性無熱性の病気。熱帯地方の白人に多く,土着人には少い。小児の特発性脂肪症に似ており,一種の栄養失調症と考えられている。
スプルー とは – コトバンク
腸の免疫恒常性維持における重要なメディエーターであるTGF-βをARBが阻害することが、機序として考えられることが示唆されているが、この作用が他のARBでは観察されない理由は不明。
セリアック病(セリアックスプルー、原発性吸収不良症候群)に似ているといわれる。
セリアック病とは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金となり、腹痛、下痢、ガスなどの症状を呈する自己免疫疾患です。
しかし、オルメサルタンによる腸炎は、グルテンフリーの食事などの治療を行っても症状は改善しない。
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