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抗血栓薬で出血したら中止?
公開. 投稿者:脳梗塞/血栓.この記事は約2分42秒で読めます.
889 ビュー. カテゴリ:抗血栓薬による出血
バイアスピリンなどの抗血小板薬、ワーファリンなどの抗凝固薬が処方される患者には出血に関する注意指導を行っているだろう。
時には電話問い合わせで、「血が止まらないんだけど、どうしたらいい?」といった相談を受けることもある。
抗血栓薬を飲んでいれば、基本的には「なかなか血が止まらない」のは当然であるが、出血が起こったときに「どうしよう」という感覚に陥る。
私自身は、子供のころによく鼻血を出していたので、親が心配するほどゴミ箱に大量の赤く染まったティッシュがあふれかえっていた。
しかし、命に危険性があるかといえばそんなことはなく、脳出血や内臓出血のリスクが無ければ、鼻出血であれば経過観察でよいだろう。
しかし、薬剤師も「なかなか血が止まらない」と聞いてもどの程度か判断できないので「薬を中止して医師に相談してください」と即答しがちである。
そのような対応をすれば、患者の中には「抗血栓薬=怖い薬」という認識が確定され、再度抗血栓薬を飲むことに躊躇し、ノンコンプライアンスに陥ることも考えられる。
薬剤師の指導としては、「なるべく出血しないように心がける」「出血しても薬を止めない」という点が必要になる。
「なるべく出血しないように心がける」
・鼻を強くかまないようにする
・歯ブラシをやわらかいものに替えて、やさしく磨く
・鼻をほじらない
・目を強くこすらない
・髭はカミソリではなく、電気シェーバーで剃る
といった対応が考えられる。床屋に行くときも理容師に、血液サラサラにする薬を飲んでいることを伝えてもらった方が良いかも知れない。
「出血しても薬を止めない」
最近は、抜歯や検査時などの出血リスクの高い処置時にも、抗血栓薬は中止しないことが多い。
休薬によって生じるイベントリスクのほうが、服用持続によって生じる出血のリスクを上回ると判断されているからである。
皮下出血や鼻出血、ある程度日常で起こり得る出血であれば、救急で受診する必要もなく、薬を止める必要もないとされる。
脳出血や消化管出血などの大出血の兆候が見られた際には、医師に相談するよう指導する。
トイレを流す前に確認して、血便や血尿が出ていないかチェックすることで内臓出血の有無を確認できる。
また、「鼻血が出た」とだけ聞いて、「大丈夫です」と言うのも尚早で、どこかにぶつけてないか、脳出血の疑いは無いかといった点をチェックすることも必要。
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