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ビオチン1日4.5gは多い?
公開. 更新. 投稿者:アトピー性皮膚炎/ステロイド外用薬.この記事は約2分27秒で読めます.
5,172 ビュー. カテゴリ:ビオチン大量療法
ビオチン1日4.5gって間違ってない?
ビオチン散の添付文書上の用量は、
ビオチンとして通常成人1日0.5〜2mg(本剤0.25〜1g)を1〜3回に分割経口投与する。
となっており、適応症については、
急・慢性湿疹,小児湿疹,接触皮膚炎,脂漏性湿疹,尋常性ざ瘡
と、皮膚疾患に対するものだけであるが、ビオチンは体内で様々な働きをするため、ビオチンの大量摂取が様々な疾患に用いられます。
ビオチンはビタミンB群に属する必須の水溶性ビタミンで、別名ビタミンB7、ビタミンHともよばれます。食品から摂取するほか、腸内細菌によっても合成されます。ヒオチンは生体内の4種類のカルボキシラーゼ(アセチルCoAカルボキシラーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ)の補酵素として働きます。この酵素反応は炭酸の固定、転移、脱炭酸の反応に関与し、糖代謝、分岐鎖アミノ酸の代謝、脂肪酸やコレステロールおよびステロイドホルモンの合成、蛋白質を尿酸に分解する働き、葉酸利用の活性化、核酸成分のピリミジンの合成に必須の役割を果たします。
ビオチンが不足するとこれらの働きが損なわれ、総合的に体の代謝機能が低下し、間接的にさまざまな疾患の原因となりえます。
一般的には、皮膚や爪、髪の毛の規則的な細胞分裂を促す栄養素としての作用、また糖新生を促すので筋肉痛や疲労回復に役立つ作用があり、さらにヒスチジンを体外に排出させる働きによりアトピー性皮膚炎や花粉症にも効果があると考えられています。
ビオチン散0.2%の添付文書上は1日1g(2㎎)となっているが、1日4.5~6g(9mg~12mg)で処方されることが多いという。ビオチンは水溶性ビタミンであり尿から排泄され、大量投与による副作用報告もないので安心して使用できる。
しかし、私の勤務先では1日6gの量でレセプト査定され、1日4.5gが上限と指摘があったので、4.5gを超えた場合は疑義照会を行っている。
皮膚病とビオチン
ビオチンは蛋白質の生成に関係し、皮膚を作る細胞を活性化して老廃物の排泄を促し皮膚の機能を正常に保つ働き、コラーゲンやセラミドなどの生合成を高める働きがあるとされています。また、ヒスチジン(アミノ酸、ヒスタミンの前物質)の排泄を促しアレルギー症状を緩和するといわれ、アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症にビオチン療法が用いられる場合があります。
糖尿病とビオチン
ビオチンが不足すると、タンパク質の代謝が低下して、インスリンの生産が減少し1型および2型の糖尿病のリスクが高まることが知られています。
ただし、ビオチン療法の治療効果がどれほどかは不明です。
自己免疫疾患とビオチン
ビオチンが欠乏すると、α-リノレン酸から生成されるエイコサペンタエン酸やプロスタグランジンE₃が減少し、免疫グロブリンが過剰になるとされています。
また、自己免疫疾患などの膠原病患者に統計的にビオチン欠乏が多いという説もありますが、すべての自己免疫疾患患者にいえることではなく、評価は賛否両論あります。
整腸剤とビオチン
ビオチンと酪酸菌(宮入菌)製剤(ミヤBM)を併用するとビオチンの吸収が促進します。
腸内の細菌バランスが悪玉菌有意になっているとビオチンが消費されるため、善玉菌を増やす目的で併用します。
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