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プロペトと白色ワセリンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:皮膚外用薬/皮膚病.この記事は約3分46秒で読めます.
7,135 ビュー. カテゴリ:白色ワセリン中には不純物が多い?
ワセリンは元々原油から分離して作られるので、微量ですがベンゼン等の不純物がまだ少量残っているようです。
ワセリンに含まれる不純物は自然光の下、紫外線により容易に光酸化の影響を受け過酸化物を生成し、皮膚刺激の要因となるケトン化合物を合成します。
過酸化物は皮膚組織にダメージを与えると同時に薬剤に作用し薬効の低下を引き起こすことが示唆されています。
プロペトは眼科用?
プロペトも白色ワセリンですが、白色ワセリンをさらに精製したものがプロペト。
プロペトは、通常の白色ワセリンに比べてのびがよく、ベトベトしないためアトピー性皮膚炎のスキンケアに使用されています。
発汗によりベトつきやすい夏季でも使うことができるため季節を選ばず使用できます。
眼科用ワセリンともいわれて、眼球に塗っても刺激がほとんど無いようです。
その特徴として以下があげられます。
・稠度・粘度ともに眼科用基剤として適切な物性を持つ
・夾雑有機酸類(ナフテン酸、高級固形脂肪酸、フェノール類など)が少なく、その他の刺激性要素をほとんど含有しない
・加熱滅菌に耐え、ほとんど変色しない
従来プロペトは軟膏基剤であり、単独で処方することは保険上できませんでしたが、平成14年2月より皮膚保護剤の保険適応が追加され、単独でも処方可能となりました。
現在では、小児、過敏性の患者および顔など広く処方されています。
例えば、処方せんに「プロペト」と記載があれば、その処方意図も考え、プロペトで調剤して然るべきかと思いますが、処方せんに「白色ワセリン」と書かれていた場合、プロペトで調剤しても良いのではないかと思ったり。
サンホワイトとは?
そのプロペトをさらに精製したサンホワイトというものも市販で売られています。
ワセリンの中には微量の芳香核含有化合物、硫黄化合物、有色樹脂状物質など不純物が混入しています。
このような不純物としてとくに過酸化物が問題となることがあります。
「サンホワイト」は高圧反応技術を生かして、資生堂との共同研究により開発された高精製ワセリンで、過酸化物をほとんど除去してあり経日による酸敗を起こさず、経時安定性に優れ、紫外線により着色しないなどの特徴を持っています。
ただし、価格は普通の白色ワセリンの数倍で、保険適用されておらず薬価収載されていません。
ボンアルファの基剤はサンホワイト?
過酸化物は皮膚への刺激性ばかりでなく、活性型ビタミンD3製剤ではこの過酸化物により含量が低下するため、ボンアルファ軟膏では基剤のワセリンに過酸化物を大部分除去した「サンホワイト」という特別なワセリンを使用しています。
ボンアルファ軟膏以外においてもキンダベート軟膏や鳥居薬品の軟膏では刺激性が少ないことから「サンホワイト」を使用しています。
そのため、普通のワセリンで希釈すると刺激性が増すことも考えられ、希釈には「サンホワイト」か、少なくとも「プロペト」を使用すると低刺激性などの基剤の性質が保たれます。
ふつうの人なら白色ワセリンでいいんでしょうけど、アトピー性皮膚炎の患者さんなどで少しでも不純物を取り除きたい場合には、プロペトのほうがいいのでしょう。
サンホワイトはパッチテスト用?
パッチテストでは、使用する白色ワセリンによってはそれだけで陽性反応がでることがあるため、日本接触皮膚炎学会では、アレルギー・パッチテストのコントロール基剤(パッチテスト用白色ワセリン)として「サンホワイト P-1(日興リカ)」を採用しています。
また、アトピー性皮膚炎のスキンケアに使用されることもあります。
サンホワイトは、過酸化物をほとんど除去しているため経時安定性に優れ、紫外線により着色しないなどの特徴をもっています。
ただし、化粧品に分類されているため、保険診療はできません。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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3 件のコメント
プロペトの語源について押し終えてください。
わかりません。
でも、ラテン語から来てるのかな。
pro(前、防御) peto(求める)
「ペト」はワセリンの一般名称であるペトロリュームジェリー(石油系軟膏)でしょう。
プロはプロフェッショナルの頭ではないでしょうか?