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高齢者にペリアクチンは危険?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約3分45秒で読めます.
5,106 ビュー. カテゴリ:高齢者に禁忌の薬
「高齢者」に禁忌となっている薬に、ジベトスがあるが、意外なところでペリアクチンの禁忌に、「老齢の衰弱した患者」という記載がある。
「一般に高齢者では生理機能が低下しているので,減量するなど慎重に投与すること。なお,安全性が確立されていないので老齢の衰弱した患者には投与しないこと。」とのこと。
国立保健医療科学院が公表している、「高齢者が避けた方がよい医薬品のリスト」というのがあります。
抗コリン作用の強い抗ヒスタミン薬
dl-マレイン酸クロルフェニラミン[アレルギン]、塩酸ジフェンヒドラミン[ベナ、レスタミン]、ヒドロキシジン[アタラックス]、シプロヘプタジン[ペリアクチン]、プロメタジン[ヒベルナ、ピレチア]、d-マレイン酸クロルフェニラミン[ポララミン]高齢者においてアレルギー反応の治療を行う場合には、抗コリン作用の弱い抗ヒスタミン薬が望ましい。
しかし、ペリアクチン以外の抗ヒスタミン薬については、同じような禁忌の記載はない。
なんでペリアクチンだけ「老齢の衰弱した患者」に禁忌なのか。その理由についてはわからない。
しかし、「衰弱した」という記載があるので、ただの高齢者に処方するのは問題ない。保険請求上で問題になることはほとんどないだろう。
ペリアクチンには食欲増進作用があるので、食欲がないという高齢者に処方する可能性もなくはない。
ペリアクチンで食欲が出る?
ペリアクチンというアレルギーの薬があります。
過去には食欲増進作用を期待して処方されることもあったらしい。
現在、食欲増進を主目的として処方されることは無いが、小児科領域で処方されていると、そのような意図もあるのかなあ、と感じることはある。
ドグマチールなどの精神系の薬で、食欲増進作用が出てしまうことがある。
精神疾患患者はあまり運動しないので、食欲が出ると肥満気味になるのであまり好ましくは無い。
精神疾患から回復すれば、意欲が出てくるため、それが食欲につながっているという理由も考えられる。
六君子湯とか、人参系の漢方薬も食欲増進作用が期待される。
抗ヒスタミン薬で食欲増進?
ペリアクチンで食欲が出るのは抗ヒスタミン作用と抗セロトニン作用によるものです。ヒスタミンには食欲を抑える働きがあります。
よく噛むと脳内のヒスタミンが増え、食欲が減るらしい。
ペリアクチンは、十数年前には「食欲増進、体重増加」の効能を有していたという背景もあり、現在では副作用として「食欲亢進」が5%以上または頻度不明で報告されています。
食欲亢進の作用機序としては、セロトニン2C(5HT2C)受容体遮断作用とヒスタミンH1受容体遮断作用により、摂食を中止する信号が遮断されたりグレリン(視床下部の摂食中枢を刺激する成長ホルモン分泌促進ホルモン)の分泌が促進することが考えられます。
ペリアクチンは獣医領域でも食欲刺激剤として使われている。
セロクエルなどの抗精神病薬も抗ヒスタミン作用によって太ります。
アレグラなどの第二世代以降の抗ヒスタミン薬だと、中枢に移行しないので食欲増進作用は期待できない。
ドグマチールで食欲増進
スルピリド(ドグマチール)は、ベンズアミド系の精神情動安定剤であり、ドパミンD2受容体を遮断することで、抗うつ作用、抗不安作用、中枢性制吐作用を発揮する。
また、視床下部交感神経中枢を抑制して、胃粘膜の血流量を増加させたり、胃および小腸の内容物の排出・通過を促進することで、食欲増進効果をもたらす。
風邪で食欲不振
風邪による発熱によって食欲がなくなったり、癌の進行に伴って食欲がなくなるのは、感染症や癌などによる炎症によって産生されたサイトカインが、レプチンの産生を促進したり、レプチン様の作用を示し、摂食が抑制されるためと考えられている。
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