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ツムラよく苡仁湯はイボに効く?
公開. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分59秒で読めます.
4,893 ビュー. カテゴリ:ヨクイニンとイボ
ヨクイニンはイボの治療によく使われます。
ヨクイニンエキス錠「コタロー」がよく処方される。
適応症は「青年性扁平疣贅、尋常性疣贅。 」
青年性扁平疣贅はよくわからないけど、イボだろう。
でもなあ、コタローってマイナーだから、ツムラとかクラシエのヨクイニン使いたいなあ…って思ったら、あった「ツムラよく苡仁湯エキス顆粒」!
と、ツムラよく苡仁湯エキス顆粒をイボに処方する医師がいます。
しかし、ちょっと待て! ツムラよく苡仁湯エキス顆粒にはヨクイニン以外も入ってるよ。成分は、 薏苡仁(ヨクイニン) 、麻黄(マオウ)、当帰(トウキ)、 蒼朮(ソウジュツ)、 桂皮(ケイヒ)、 芍薬(シャクヤク)、 甘草(カンゾウ)の7種類。
そして適応症も違う。 ツムラよく苡仁湯エキス顆粒の適応症は「関節痛、筋肉痛 」。クラシエよく苡仁湯エキス細粒も同様。
正直、漢方薬の効能効果はよくわからんので、よく苡仁湯でもヨクイニン入ってるからイボにきくのかも知れないけど、恐らく処方意図的にはヨクイニン単味のほうが良いだろう。
「適応症が違うので保険請求上どうかと思い問い合わせてみました」的なニュアンスで疑義照会かけてみたほうがよさげ。
「じゃあヨクイニン単味がいいから、ツムラの生薬ヨクイニンで」って言われても、こっちは調剤用なので単味では出せない。
やっぱり ヨクイニンエキス錠「コタロー」がよく処方されているのには理由がある。
妊娠中にヨクイニンを飲んじゃダメ?
科学的根拠は全く無いのですが、妊娠初期にハトムギを多量に飲むと流産しやすくなるという俗説があります。
じゃあ、「はとむぎ、玄米、月見草~♪」の爽健美茶は飲んじゃダメなのか?
おそらく、ハトムギの利尿効果や老廃物を排出させる効果から想像されたのではないかと考えられます。
医薬品にもハトムギ(ヨクイニン)がありますが、妊婦に禁忌とはなっていません。
ヨクイニンエキス錠「コタロー」の添付文書には、
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
というよくある注意書きのみです。
ヨクイニンによって流産、早産といった報告はなく、妊娠中は医師に相談するほうが望ましいが、あえて飲む必要のある妊婦はいないので、気にしながら服用する必要はない。
ヨクイニンはよくイボの治療に使われます。
イボを消してしまうというイメージから、胎児にも悪影響を及ぼしそうなイメージはあります。
ちなみに同じ「麦」でも、麦茶は妊婦が飲んでも大丈夫です。
小麦も大麦も大丈夫。
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