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日本人の名前の付いた病気
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約3分48秒で読めます.
6,070 ビュー. カテゴリ:日本人の名前の病名
例えば、体操競技などで、日本人の白井健三の技で「シライ」などと付けられると誇らしく感じる。
しかし、病名に日本人の名前が付けられていても、微妙な感じはするが、その病気を発見した功績は誇らしく思っていいんだよね。
橋本病
まず思い浮かぶのが、橋本病。慢性甲状腺炎です。
橋本病は、九州大学の外科医だった橋本策(はかる)博士が世界で初めてこの病気に関する論文を1912年(大正元年)にドイツの医学雑誌に発表した病気です。
橋本病=甲状腺機能低下症というイメージですが、橋本病の患者全てが甲状腺機能低下症になるわけではありません。甲状腺に慢性の炎症が起こるのが橋本病ですが、炎症の程度が軽度であれば甲状腺機能は正常であり、炎症が進行すると甲状腺の働きが悪くなり、甲状腺機能低下症となります。
甲状腺機能低下症の明らかな症状のある患者は橋本病の約10%で、約20%は症状のない軽度の低下症で、残りの約70%は甲状腺機能が正常だという。
橋本病の患者にチラーヂンを投薬した薬剤師の方は多いのではないでしょうか。
川崎病
次に川崎病。
川崎病は1967年に小児科の川崎富作先生が最初に報告した病気です。
4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症がおきていろいろな症状が出ます。
①高熱
②両側の眼球結膜の充血
③真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌
④体の発赤疹
⑤手足の腫れ
⑥首のリンパ節の腫れ
これら6つの症状のうち5つ以上の症状があれば川崎病と診断します。
川崎病でアスピリンを飲んでいる患者に投薬した薬剤師も多いかと思います。
アスピリン(バファリン、バイアスピリン)、プレドニゾロン、ネオーラル、レミケードなどが川崎病に適応があります。
高安病
次に高安病。
高安という苗字自体珍しいですが、この病気自体も珍しい難病です。
高安動脈炎ともいいます。日本に6000人くらいしか患者はいないので、遭遇した薬剤師は少ないでしょう。
胸部・腹部大動脈を始めとした、比較的太い動脈の慢性炎症を主体とする病態で、炎症の継続により血管の狭窄や閉塞を起こす疾患です。
ステロイドや免疫抑制剤が処方されます。
アザニン/イムラン、アクテムラなどの免疫抑制剤、コートリル、プレドニゾロン、デカドロンなどのステロイドが高安病に適応があります。
原田病
原田病、というか原田氏病。原田病でいいようだが、なんとなく原田氏病で覚えている。橋本氏病とか、川崎氏病とは言わないが、なぜか原田氏病。
初めて聞いたときには、「ハラダシ?腹出し?」と、腹踊りをイメージしてしまいました。
20世紀初頭にアルフレッド・フォークト、1914年に小柳吉蔵、1926年に原田栄之助が発表した。そのため、フォークト・小柳・原田病とも呼ばれる。
ぶどう膜炎の一種です。ステロイドが使われます。
その他
他にも、垂井病、里吉病、平山病、瀬川病とあるようですが、聞いたことも無いので、これ以上は興味のある人は調べてみてください。
本人の功績が認められ、病名に名前が付けられているのですが、やっぱり、もし自分の苗字に「〇〇病」と付けられていたら、気持ちのいい物ではないような気はする。小学生なら確実にいじめの道具にされそうな予感。
さらに、日本人が発見した病原菌に自分の苗字と同じ「〇〇菌」とかつけられた日には最悪だろう。
ちなみに、赤痢菌の属名は「Shigella=シゲラ」となっているが、発見した日本人の志賀潔からつけられたものです。ちょっともじっているので、わかりにくいから良いだろう。
O157が産生する毒素のことを「シガ毒素」というが、これも志賀さんから来ています。こちらは直球です。
まあ、名前からくるイメージというのは、芸能人と同じ苗字でからかわれたりもするし、宿命として諦めるしかないだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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