2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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クロミッドを飲む前にデュファストンを飲む理由は?

クロミッドの服用開始日は?

産婦人科領域の薬にめっぽう疎い男性薬剤師の私ですが、クロミッドの勉強します。

クロミッドの用法は、
「通常,第1クール1日クロミフェンクエン酸塩として50mg 5日間で開始し,第1クールで無効の場合は1日100mg 5日間に増量する。 用量・期間は1日100mg 5日間を限度とする。 」
となっている。

基本的注意に、
「(2) 無月経患者においては投与前にGestagen testを行い,消退性出血開始日を第1日として5日目に,また投与前に自然出血(無排卵周期症)があった場合はその5日目に投与を開始すること。」
生理開始後5日目に飲み始めるのがふつう。

しかし、早めに3日目とか4日目とか指示される場合もある。
排卵は大部分の例で投与開始後9 ~ 16日の間に生じる、らしい。
個々の患者さんに合わせて飲んでもらってるのだろう。

処方日数も5日間じゃなくて、3日間とか10日間とか処方されるケースもあるらしい。
5日間を限度とする、となっているので、10日分処方したら査定されるかも知れません。

クロミッド服用前のデュファストン

クロミッドの用法に書かれている「無排卵症の患者に対して本剤により排卵誘発を試みる場合には、まずGestagen、Estrogen testを必ず行って、消退性出血の出現を確認し、子宮性無月経を除外した後、経口投与を開始する。」という条件。

ホルモン剤を使っても生理出血が来ないということは子宮に問題がある子宮性無月経の可能性があるという。
流産や中絶などで子宮内が傷付くと癒着を起こし、子宮内膜が正常に成長できない状態になることもあるという。

まず、エストロゲンのプレマリンと、プロゲステロンのデュファストンを使って子宮性無月経を除外する。

で、次に、「重要な基本的注意」に書かれている条件
「無月経患者においては投与前にGestagen testを行い、消退性出血開始日を第1日として5日目に、また投与前に自然出血(無排卵周期症)があった場合はその5日目に投与を開始すること。」

デュファストンを使って消退性出血が起こってから5日目にクロミッドを服用する。

無月経には、第1度無月経と第2度無月経があります。
月経が来るためには、エストロゲンとプロゲステロンが必要なのですが、エストロゲンの分泌は比較的保たれているがプロゲステロンの分泌に異常があり無月経となっていることを第1度無月経といいます。
一方エストロゲンとプロゲステロンの両者の分泌に異常があると第2度無月経となります。
前者が無月経の程度としては軽症といえます。

Gestagen testを行っても出血が来なければ、エストロゲンの分泌にも問題がある第2度無月経である可能性があります。
第2度無月経にクロミッドを使っても排卵することは難しい。

んー、不妊治療は奥が深い。

処方例

クロミッド錠50mg 1錠  
 1日1回朝食後 5日分

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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