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SJSとTENの違いは?
公開. 更新. 投稿者:副作用/薬害.この記事は約3分35秒で読めます.
4,465 ビュー. カテゴリ:重症薬疹
SJSはStevens-Johnson syndrome、スティーブンス・ジョンソン症候群。
TENははToxic epidermal necrolysis、中毒性表皮壊死症。以前はライエル氏が報告したのでライエル症候群(Lyell症候群)とも呼ばれていました。
この二つは一連の病態なので、副作用の項目には、
「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群) 」などと並んで書かれている、はず。
この2つの違いは、皮膚の剥離面積によるようだ。
スチーブンス・ジョンソン症候群(SJS)との違いが、以前は明確でありませんでしたが、最近診断基準が世界的に統一されました。水疱やびらんなど皮膚が剥がれた面積が10%以下のものをSJS、30%以上をTENとし、その中間の10~30%の場合をSJS/TENのオーバーラップとする診断基準です。しかし、日本では10%以下をSJS、それ以上をTENとしています。皮膚だけでなく眼、口唇、陰部などの粘膜がやられるのが特徴で、初期からのこの粘膜症状が強い場合には、本症の可能性があります。はじめから急激な経過でTENになる場合と、他のタイプの薬疹から比較的ゆっくりした経過でTENに進行していく場合とがあります。
薬疹(重症) Q1 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
皮膚の剥離面積が10%以下がSJS、それ以上がTEN。テン=10と覚えよう。
スティーブンス・ジョンソン症候群とライエル症候群は同じ?
薬の添付文書で、重大な副作用の項目によく出てくるSJS(スティーブンス・ジョンソン症候群)とTEN(ライエル症候群)は一連の病態と言われています。
両方とも重症の薬疹で、二度目以降の摂取時に発症します。
SJSは皮膚粘膜眼症候群と言われ、高熱が出て、倦怠感、咽頭痛や口内・目・陰部にも発疹が出来ます。
SJSが更に重症型に移行したものがTENです。
SJSは1922年にStevensとJohnsonが報告したことからこの名がつきました。
TEN(中毒性表皮壊死症:toxic epidermal necrolysis)は1956年にLyellが初めて報告したことからライエル症候群とも呼ばれます。
稀な副作用は説明しなくてもいい?
薬の添付文書を見ると、副作用の欄にかなりの数の副作用が載っているものがあります。
その副作用全てについて説明するのは不可能です。
テグレトールの副作用でハイパーセンシティビティシンドローム(過敏性症候群)を発症した事例の裁判があります。
テグレトールの副作用等について説明を十分に行わなかった注意義務違反で医師に損害賠償を請求しました。
その結果は「医師は、投薬に際し、その副作用の重篤性、発生頻度に照らして、重要と考えられるものを説明すれば足りるものであって、当該投薬により発生することが極めて稀な副作用について
まで、全て説明しなければならない注意義務が発生するとまではいえない。」とのこと。
どこまでが稀な副作用なのかというのは、線引きが難しそう。
この判例は医師に対するもので、薬剤師はもっと薬のプロとしての説明責任が求められるかも知れません。
1996年2月27日高松高等裁判所
また、1996年2月27日高松高等裁判所でのフェニトインによる中毒性表皮壊死症の判例も、薬剤師として覚えておかなければならない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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