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蛋白質は腎臓に悪い?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約2分58秒で読めます.
2,844 ビュー. カテゴリ:尿毒症とタンパク質
腎不全が進行し腎クリアランスが低下すると、本来、尿から排泄される物質や異常代謝物が血中に蓄積され、それが原因となって、食欲不振、口臭、吐き気、掻痒感、頭痛、不眠などの様々な症状が出現する。
これを尿毒症という。
尿毒症の原因となる物質は、尿素、クレアチニン、インドキシル硫酸、グアニジン化合物など様々であり、これらは「尿毒症毒素」と総称される。
尿毒症毒素の多くは、蛋白質の分解産物であるため、腎不全患者には、蛋白制限食療法を行うのがー般的である。
糸球体過剰濾過
「糸球体過剰濾過」という説がある。
腎臓には「糸球体」と呼ばれるろ過器と「尿細管」と呼ばれる必要なものと不必要なものをふるい分ける細長い管があり、それらを一組にして「ネフロン」と呼んでいます。
ネフロンは片方の腎臓に100万個、もう片方に100万個あり、約200万個存在します。
腎臓の働きが低下するということはこのネフロンが減少していることを意味しています。
ネフロンが減少すると残されたネフロンは過重労働を強いられます。
これが「糸球体過剰ろ過」と呼ばれる状態です。
糸球体過剰ろ過により残されたネフロンが少なくなれば少なくなるほどその速度をあげて痛んでいきます。
例えば、ある薬局に薬剤師がいます。
一人辞めます。また一人辞めます。
そうすると、残された薬剤師は過重労働を強いられます。
最終的には、倒産に追い込まれるというわけです。
潰れないためにはどうするべきか?
労働を減らすことです。
タンパク質の摂取制限が必要です。
たんぱく質の制限方法
たんぱく質を制限するには、肉や魚を減らせばよい、という単純な話ではありません。
たんぱく質は肉や魚、卵、乳製品に含まれているだけではなく、大豆製品はもちろん、ごはんやパン、野菜、果物にも含まれています。たんぱく質をまったく含まない食品は砂糖と油脂のみです。
普通の食生活をしていると、主食となる米を中心とした穀物のたんぱく質の量が4分の1から5分の1と、かなりの割合を占めています。
しかしたんぱく質の量が1日40gなどと低く制限された場合、穀物を同じだけ取っていると、肉、魚、卵などの良質のたんぱく質に回す分が減ってしまいます。
しかし、穀物の量を制限すると、エネルギーが不足してしまいます。
たんぱく質を抑えて、なおかつ必要なエネルギーを取る方法として、たんぱく質の含有量を低くした特殊な治療用食品がつくられています。エネルギー量はほぼ同じで、たんぱく質の量が低く抑えられています。
食事療法ではたんぱく質の制限が厳しい場合、主食の全部または一部をこうした食品にかえることが基本となっています。それによって、たんぱく質のやりくりが楽になり、多様な食品をとることができます。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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