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危険な高血圧とは?
公開. 更新. 投稿者: 70 ビュー. カテゴリ:高血圧.この記事は約4分58秒で読めます.
目次
危険な高血圧とは?―「数値」だけでは決まらない注意すべき高血圧

「血圧が高いと危険」とよく言われますが、
では実際に、
・どれくらいの血圧から危険なのか?
・今すぐ命に関わるのか?
・放置すると何が起こるのか?
を正確に説明できる人は、意外と多くありません。
高血圧は、
多くの場合は“静かに進行する病気”=サイレントキラーであり、
一方で条件がそろうと、一気に命に関わる病態へ変化する
という二面性を持っています。
・危険な高血圧とは何を指すのか
・「将来的に危険」な高血圧と「今すぐ危険」な高血圧の違い
・血圧の数値とリスクの考え方
・医療現場で本当に重視されているポイント
を勉強していきます。
高血圧の診断基準と「危険」の意味は違う
まず押さえておきたいのは、
高血圧の診断基準=危険ラインではない
という点です。
日本では、日本高血圧学会のガイドラインにより、
140/90 mmHg以上
が「高血圧」と診断されます。
しかしこれは、
「病名をつけるための基準」
であって、
「この血圧で命が危ない」という線引きではありません。
高血圧の本質的な危険性とは?
高血圧の本当の怖さは、
血圧の高さそのものではなく、血管へのダメージが蓄積することです。
血圧が高い状態が続くと、
・血管の内側(血管内皮)が傷つく
・動脈硬化が進行する
・血管が詰まりやすく、破れやすくなる
その結果、
・心筋梗塞
・脳梗塞
・脳出血
・心不全
・慢性腎臓病
といった致死的・重篤な病気のリスクが大きく上昇します。
つまり高血圧は、
「今すぐ倒れる病気」ではなく
「将来、致命的な病気を起こしやすくする病気」
という性格を持っています。
危険性は「段階的」に高まる
重要なのは、
血圧とリスクの関係は連続的であるという点です。
・120/80 mmHg未満:最もリスクが低い
・130/80 mmHg台:リスクが少しずつ上昇
・140/90 mmHg以上:明確にリスク上昇
・160/100 mmHg以上:はっきり危険
・180/110~120 mmHg以上:緊急性が出てくる
「ここから急に危険」という一本線はなく、
血圧が高いほど、リスクが確実に増える
と理解するのが正確です。
「将来的に危険」な高血圧
多くの高血圧患者が該当するのは、
この「将来的に危険」なタイプです。
特徴
・自覚症状がほとんどない
・健康診断や家庭血圧で見つかる
・日常生活は普通に送れる
しかし、放置すると、
・動脈硬化が年単位で進行
・ある日突然、心筋梗塞や脳卒中を発症
という経過をたどることがあります。
このタイプの高血圧では、
「症状がない=安全」ではない
という点が最大の落とし穴です。
「今すぐ危険」な高血圧とは?
一方で、
血圧そのものが“現在進行形で危険”になる状態
も存在します。
それが、
高血圧緊急症(かつての「悪性高血圧」を含む概念)
です。
高血圧緊急症とは何か
高血圧緊急症とは、
高度な血圧上昇に、急性の臓器障害を伴う状態
を指します。
ここで重要なのは、
血圧の数値だけで決まるわけではない
という点です。
血圧の目安
多くの場合、
・収縮期血圧:180 mmHg以上
・拡張期血圧:120 mmHg前後以上
が背景にありますが、
同じ180/120でも、臓器障害がなければ緊急症とは診断されません。
問題になる臓器障害
・脳:意識障害、けいれん、脳出血
・心臓:急性心不全、心筋虚血
・腎臓:急性腎障害
・大血管:大動脈解離
・眼:乳頭浮腫を伴う重症高血圧性網膜症
→血管が一気に破綻し始めている状態です。
なぜ高血圧緊急症は危険なのか
通常の高血圧は、
・年単位で血管を傷つける慢性疾患
一方、高血圧緊急症は、
・血管内皮が急激に障害され
・全身の細動脈が一斉にダメージを受け
・臓器が短期間で機能不全に陥る
放置すれば短時間で致死的
という点が決定的に異なります。
「危険な高血圧」を見分ける視点
血圧の数値以上に重要なのが、次の視点です。
① 症状の有無
・激しい頭痛
・胸痛
・息切れ
・視力障害
・意識の変化
これらがあれば、血圧値に関わらず要注意です。
② 急激な変化
普段120台 → 突然180台
など、急上昇は危険度が高い。
③ 背景疾患
・腎疾患
・心血管病の既往
・妊娠
がある場合、同じ血圧でもリスクは高まります。
なぜ「下げすぎ」も注意が必要なのか
高血圧は下げればよい、という単純な話でもありません。
・高齢者
・脳血管障害既往
では、急激な降圧により、
・脳虚血
・めまい・転倒
を起こすこともあります。
「危険な高血圧」=「すぐに下げるべき高血圧」ではない
という点も重要です。
まとめ:危険な高血圧とは何か
高血圧の危険性は数値だけでは決まらない
多くの高血圧は
→将来の心筋梗塞・脳卒中リスクを高める病気
一方で
→高血圧緊急症は、今この瞬間に命を脅かす病態
目安として
・160/100以上:明確に危険
・180/120前後+臓器障害:緊急対応が必要
大切なのは
血圧の数字 × 症状 × 経過をセットで考えること
高血圧は、
「静かに進む病気」と「急変する病気」の両面を持ちます。
だからこそ、
・何も起きていない今こそ、きちんと管理する
・いつもと違う兆候があれば、ためらわず受診する
この2点が、
本当の意味で「危険な高血圧」を避ける方法です。




