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ダニに刺されて死亡する?
公開. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約2分18秒で読めます.
784 ビュー. カテゴリ:マダニは危険?
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス(SFTSウイルス)によって引き起こされるダニ媒介性感染症である。
SFTSは主に、森林などに生息するマダニに咬まれて発症する。感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気–嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)などの症状が出現する。
致死率は10%を超えるとされる。
確定診断にはウイルスの分離・同定などのウイルス学的検査が必要で、SFTSが疑われる場合は、保健所や地方衛生研究所を通じて、国立感染症研究所ウイルス第一部に検査を依頼する。
SFTSウイルスを媒介するマダニは、食品などに発生するコナダニや衣類や寝具などに発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なるが、日本でも全国的に屋外に広く分布しており、市街地周辺でも見られる。
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚に口器を突き刺して長時間(数日〜10日間)吸血する。
無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血しているマダニに気付いたときは病院で処置してもらうようにする。
現在のところ、ワクチンや抗ウイルス薬などの有効な治療法はなく、対症療法が中心となる。
したがって、感染を防ぐにはマダニに咬まれないようにすることが重要だ。
マダニの活動が活発化するのは春から秋にかけて。草むらや藪などマダニが多く生息する場所に入るときは、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出をなるべく少なくする。
マダニによる感染症には日本猩紅熱やライム病などもある。
また、中国では患者血液との直接接触が原因とされる感染例も報告されており、患者の血液や体液に直接触れないようにする接触予防策の遵守も重要といわれる。
ツツガムシ病
ツツガムシはダニの一種で、幼虫に刺されることで感染する。
ツツガムシ病の死亡率は、治療を受けなければ30%程度という高い死亡率です。
治療が遅れると重症化しやすく、早期治療が肝要である。
βラクタム系など感染症によく使用される抗菌薬は無効であり、疑診例は確定診断がつくのを待たず、感受性のあるテトラサイクリン系抗菌薬を積極的に投与する。
効果は劇的であるが、解熱後も通常約1週間は投与を継続する。
ミノマイシンが使われる。
ビブラマイシンでもよいが、本症は適応症の記載外である。
リケッチア
ウイルス、細菌、クラミジア、マイコプラズマ、リケッチア。
病原微生物にもいろいろあります。
リケッチア、聞いたことはありますが、実際の患者さんは見た事ありません。
ダニというと、布団の中に潜むイエダニを想像しますが、イエダニは通常リケッチアを保菌していません。
イエダニの大きさは約0.2~0.4mmくらいなので、肉眼では見えにくいですが、マダニは未吸血時でも約2~3.2mm程あるので、肉眼で確認できます。
吸血時にはさらに大きくなります。
山へ行く時には注意しましょう。
分類 | 大きさ | 形状 | 自己増殖 | 細胞壁 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
一般細菌 | およそ1.0μm | 単細胞 | 〇 | 〇 | ・DNAとRNA両方をあわせもち自己増殖可能な生物 ・細胞壁をもつ |
リケッチア | およそ0.3~1.0μm | 単細胞 | × | 〇 | ・宿主細胞内でのみ増殖可能 ・節足動物がベクター(媒介動物)となって感染する |
クラミジア | およそ0.3μm(基本小体) | 単細胞 | × | 〇 | ・宿主細胞内でのみ増殖可能 ・増殖過程において宿主細胞内に封入体を形成する |
マイコプラズマ | 0.1μm~数μm | 単細胞 | 〇 | × | ・細胞壁をもたないため、大きさも形も様々 ・人工培地で自己増殖可能な最小の微生物である |
ウイルス | およそ100nm | 粒子 | × | × | ・DNAまたはRNAのどちらか一方のみをもつ無生物(ウイルス粒子) ・宿主細胞内でのみ増殖可能 ・カプシドとよばれるタンパク質の殻をもつ |
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