記事
向精神薬と抗精神病薬の違いは?
公開. 更新. 投稿者:統合失調症.この記事は約3分16秒で読めます.
15,765 ビュー. カテゴリ:向精神薬
向精神薬と抗精神病薬、似たような名前で、混乱している人も多いです。
向精神薬とは、中枢神経系に作用する薬物の総称です。
「薬剤」ではなく、「薬物」ですから、違法なものも含みます。
抗精神病薬はそのなかの1つのカテゴリーということになります。
抗精神病薬とは、読んで字のごとく「精神病に対する薬」という意味です(英語ではantipsychotic。anti=対する、psychosis=精神病、になります)、
また、抗精神病薬をメジャートランキライザーと呼ぶこともあります。
抗精神病薬の主たる適応症は統合失調症ですが、なかには双極性気分障害の躁状態、躁病、老年期精神障害などに適応をもっている抗精神病薬もあります。
非定型精神病は、精神病理学的には統合失調症と全く違う精神疾患ですが、急性期の病状は非常に似ていることから抗精神病薬を用います。
抗精神病薬
現在の抗精神病薬は、大きく分けて、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬とに分類されます(従来薬と新規薬、あるいは第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬と表記されることもあります)。
最近の考え方では、「ドーパミン受容体遮断作用がメイン」のものを定型抗精神病薬、「いくつかの神経伝達物質に対して、より選択的なはたらきをする機能をもつ」ものを非定型抗精神病薬と分類するようになっています。
抗精神病薬は、広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている精神科の薬である。
過去には、神経遮断薬、あるいはメジャートランキライザーとも呼ばれ、1950年代には単にトランキライザーと呼ばれた。薬事法における劇薬に指定されるものが多い。抗精神病薬は、それ以外にも幅広い精神障害に使用される。
現在使用されている抗精神病薬は、ドパミン仮説に基づいて開発されたものであり、ドパミンD2受容体を遮断することで統合失調症の症状改善が期待されます。
抗精神病薬は、受容体親和性や副作用の特徴から第一世代抗精神病薬(FGAs:first generation antipsychotics)と第二世代抗精神病薬(SGAs:second generation antipsychotics)に大別されます。
抗精神病薬はさまざまな受容体に対して親和性を示し、効果や副作用の発現に関与していると考えられています。なお、親和性の特徴は薬剤ごとに異なります。
抗精神病薬は大きく2分類することができ、古い定型抗精神病薬と、新世代型の非定型抗精神病薬がある。非定型抗精神病薬は、双極性障害のうつ状態やうつ病にも適応がある薬がある。
非定型抗精神病薬は、従来の定型抗精神病薬と比較してドーパミンD2受容体拮抗作用に加えてセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有したり、「緩い」ドーパミンD2受容体拮抗作用を有するなどの特徴をもった薬剤である。非定型抗精神病薬は、錐体外路症状、口が渇く、便秘といった副作用が少なく、統合失調症の陰性症状にも効果が認められる場合があるとされる。
しかし定型対非定型節に見られるように、大規模な試験による分析によれば、非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬よりも優れているという根拠は乏しい。
副作用として、口渇、便秘、無意識的に身体が動く錐体外路症状や、肥満といった代謝の異常、母乳が出るといった高プロラクチン血症などがある。
代謝の異常は、特に非定型抗精神病薬に特徴的である。抗精神病薬を服用している患者の代謝のチェックが日常的に適切に行われていないことが多く、約90%の患者が1つ以上の代謝性の危険因子を持ち、約30%がメタボリックシンドロームである。
さらに抗精神病薬の使用は高い無職率の原因となっている。
また服薬を中断する場合#離脱症状が生じる可能性がある。#有効性節以下で示されるが、効果がなかったり副作用のため服薬の中止が多い薬剤である。
抗精神病薬の過剰処方が問題となっている。投与量の増大に伴う治療効果は頭打ちになるが、副作用発現率は上昇していくため、世界保健機関および英米の診療ガイドラインでは単剤療法を推奨している。日本でも2010年に、抗精神病薬の種類が2種類以下である場合に診療報酬が有利になる改定が行われた。厚生労働省自殺・うつ病等対策プロジェクトチームが「統合失調症に対する抗精神病薬多剤処方の是正に関するガイドライン」の策定を計画しており、2013年10月にSCAP法という減薬ガイドラインが公開された。抗精神病薬の大量処方からの減量は、過感受性精神病という離脱症状による精神症状の悪化を引き起こす可能性があり注意が必要である。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。