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ロトリガとエパデールの違いは?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約4分5秒で読めます.
9,122 ビュー. カテゴリ:ロトリガとエパデールの違いは?
ロトリガとエパデールの違いについて調べる。
エパデールはEPA(エイコサペンタエン酸)製剤で、ロトリガはEPA・DHA(ドコサヘキサエン酸)製剤。
しかし、ロトリガの有効成分は「オメガ‐3脂肪酸エチル」となっている。
ロトリガ1包2gの中にEPA・DHAはどのくらい含有されているのだろう?
武田のホームページで調べたところ、「ロトリガは1スティック(2g)中には、イコサペント酸エチル(EPA-E)約930mg、ドコサヘキサエン酸エチル(DHA-E)約750mgが含まれています」と書かれていた。
単にEPAだけで比較すれば、エパデールの1日最高用量2700mgに対して、ロトリガだと1860mgにしかならない。
臨床試験の成績をみると、ロトリガ1日1回とエパデール600mg1日3回が同じ程度に中性脂肪を下げている。
で、ロトリガ1日2回はエパデール600mg1日3回よりも有意に中性脂肪を下げている。
ここにエパデール900mg1日3回が入ってきたら、どうなんだろう?と思う。
薬価からいけば、エパデール900mg1日3回のほうがロトリガ1日2回つかうよりも安いわけだし。
でもEPA含有量が少ないのに、エパデールに匹敵する効果を上げられるのは、DHAの働きによるものと思われる。
1日1回という飲み方もできるという点ではロトリガはコンプライアンス的なメリットがあると言える。
けど、製剤的に持続性があるわけではなさそうなので、エパデールだって1日1回という飲み方でも同様な効果が得られるんじゃないかと思う。
高脂血症の適応にとどまるうちは、ロトリガの必要性はあまり感じないのが正直な感想。
オメガー3脂肪酸とは?
ロトリガは、イコサペント酸エチルとドコサヘキサエン酸エチル(DHAーE)など複数の成分から構成されたオメガー3脂肪酸エチルである。
魚肉を多く摂取するグリーンランド在住民族に動脈硬化性疾患が少ないという疫学調査から、オメガー3脂肪酸エチルの臨床効果が注目され、本薬が開発された。
具体的には、オメガー3脂肪酸エチルには、血清脂質改善作用や血小板凝集抑制作用などの薬理作用が確認されており、非臨床試験でEPAやDHAの反復投与によるTG低下作用が認められている。
日本での臨床試験では、スタチン系薬の併用の有無にかかわらず、EPAと同等かそれ以上のTG低下効果を示すことが確認されたほか、LDLの粒子サイズを変化させる(小型LDLを減らし大型LDLを増やす)など、脂質の質を改善する作用も認められている。
ロトリガ
ロトリガという薬が発売される模様。
ロトリガは、武田が2005年にノルウェーのPronova社と締結したライセンス契約により、国内での独占的開発・販売権を取得している。肝臓でのトリグリセライド(中性脂肪)の合成や分泌の抑制、血中のトリグリセライドの消失の促進により、脂質低下作用を示す。新規高脂血症薬、DPP-4阻害薬など承認 – 医療介護CBニュース – キャリアブレイン
新規高脂血症薬、DPP-4阻害薬など承認 – 医療介護CBニュース – キャリアブレイン
EPA(イコサペンタエン酸エチル)とDHA(ドコサヘキサエン酸エチル)の合剤らしい。
オメガ-3脂肪酸製剤。
EPAはエパデール。
DHAも混ぜて、よりサプリメントっぽくなったような。
脂質異常症の適応だけなのかな。
保険効かせる意味あるのか。
エパデールもスイッチされるみたいだし。
DHAとEPAの違いは?
エイコサペンタエン酸 – Wikipedia
DHAは脳内にもっとも豊富に存在する長鎖不飽和脂肪酸で、EPAは脳内にほとんど存在しない。なお、DHAは脳関門を通過できるが、EPAを含めた他のω-3脂肪酸は脳関門を通過することができない。
エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)は、食品から取らなければ人間の体内で作ることができないn-3系列の多価不飽和脂肪酸です。
DHAは、植物油などに含まれるα-リノレン酸を含む食品の摂取により、体内でEPAを経て合成されます。
EPAとDHAは体内でほぼ同様の働きをしますが、このうちEPAは、血液中の血小板の凝集を抑制し、血栓を溶解させ、血管を拡張する作用が強く、DHAは、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用がより強いと言われています。
これらはともに、脂肪酸合成に関与する酵素活性を低下させる作用があるため、血漿中の中性脂肪値を低下させ、脳卒中・虚血性心疾患・高血圧・動脈硬化・高脂血症などの多くの生活習慣病の予防・改善につながります。
多価不飽和脂肪酸
この薬は直接末梢の血管を拡げたり、血小板が固まるのを抑え血栓ができるのを予防したり、血管を柔らかく保つことで、末梢の血液の流れをよくする薬です。
肝でのVLDL合成を抑制し、TGを低下させる。
高純度の魚油からなるわが国独自の薬剤としてイコサペント酸エチル(エパデール)があるが、わが国で大規模臨床(予防)試験が行われ、CADに対する予防効果が証明された。
脂質異常症治療効果と抗血小板作用によるものと考えられる。
・EPAとDHAは、肝臓でのVLDL合成を抑制し、TGを低下させる
・主にTGが上昇する脂質異常症に用いられる
・抗血小板作用や抗炎症作用による動脈硬化予防も期待されている
【ロトリガ】
魚油由来のEPAとDHAの複合製剤(ロトリガ)がわが国でも2011年より発売されている。
海外の大規模臨床試験では、CAD予防効果が示されている。
多価不飽和脂肪酸の副作用
・下痢などの消化器症状のほか、出血傾向に注意が必要である
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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4 件のコメント
脂質異常症でエパデール服用しています2年以上になりますが全く改善しません。
魚はほとんど青魚ですし食事療法も運動もしています。
今度ロトリガに変更してみてどうなるか見てみたいと思います。
EPA、脳関門(BBB)通過しますよ。
BBBでβ酸化を受けてDHAに変換されます。
EPAとDHAは体内において相互変換可能で、不足分は適宜補われます。
2012年12月の血液検査の時中性脂肪319有り
その時に処方されたのがロトリガでした。
次回2013年3月の検査では中性脂肪が87でした。
ロトリガとエパデールを併用していますが、問題ありませんか?
その場合、双方どれくらいの量の摂取が許容範囲ですか?