2026年2月9日更新.2,745記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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CK(クレアチンキナーゼ)値がどのくらいになったら危険?―数値の見方と注意すべきポイント

CK(クレアチンキナーゼ)値がどのくらいになったら危険?

健康診断や病院の血液検査で、

「CKが高いですね」
「クレアチンキナーゼが上がっています」

と言われ、不安になった経験はありませんか?

検査結果を見ると、
・正常値:50~200
・自分の値:350、420、600…

このように書かれていると、

「基準値の2倍もある…」
「重い病気なのでは?」
「横紋筋融解症?難病?」

と心配になる方は少なくありません。

しかし結論から言えば、

→CKは“上がりやすい検査値”であり、少し高いだけで重大な病気を意味することはほとんどありません。

・CKとは何か
・なぜ上がるのか
・危険な数値はいくつなのか
・放置してよい場合と危険な場合の違い
・医療者がどう判断しているのか

を、勉強していきます。

そもそもCK(クレアチンキナーゼ)とは?

CK(Creatine Kinase:クレアチンキナーゼ)とは、主に次の場所に存在する酵素です。

・骨格筋(全身の筋肉)
・心筋(心臓の筋肉)
・脳

この酵素は、筋肉がエネルギーを作るために必要な働きをしています。

なぜ血液検査でわかるの?
通常、CKは細胞の中にあります。

しかし、

→筋肉や心筋が傷つくと、CKが血液中に漏れ出します。

そのため、血液検査で測定できるのです。

つまり、

CKが高い=どこかの筋肉がダメージを受けているサイン

と考えられます。

CKの基準値はなぜ低いの?

多くの医療機関では、CKの基準値はおおよそ:
・男性:50~200
・女性:40~150
程度に設定されています。

しかしこれは、

「理想的な安静状態の平均値」

です。

日常生活を送っている人が、常にこの範囲に収まるとは限りません。

実際には、健康な人でも300~400になることは珍しくありません。

CKが上がる主な原因

まず、「なぜ上がるのか」を知ることが重要です。

① 運動・肉体労働(最も多い原因)
もっとも多い原因は、筋肉の使用です。

例:
・筋トレ
・マラソン
・登山
・引っ越し作業
・重い荷物運び
・久しぶりの運動

これだけで、CKは300~600程度まで簡単に上がります。

場合によっては1000を超えることもあります。

→病気ではありません。

② ケガ・打撲・手術
・転倒
・打撲
・圧迫
・手術後
・長時間の同一姿勢

でも筋肉は損傷し、CKが上昇します。

③ 薬の副作用
意外に多い原因です。

特に有名なのが:
・コレステロール治療薬(スタチン系)

その他:
・抗精神病薬
・抗がん剤
・一部抗菌薬

なども影響します。

④ 発熱・感染症
インフルエンザなどでも、一時的にCKは上がります。

⑤ 脱水・熱中症
水分不足により、筋肉が傷つきやすくなります。

⑥ 筋肉や神経の病気(まれ)
・多発性筋炎
・筋ジストロフィー

などですが、頻度は低く、必ず症状を伴います。

CKはいくつから「危険」なのか?

ここが最も重要なポイントです。

実務的な目安を示します。

CK値(IU/L)評価危険度
~200正常問題なし
200~400軽度上昇ほぼ安全
400~600境界域多くは無害
600~1000要注意原因確認
1000~5000高値精査必要
5000以上危険緊急対応

→「本当に危険」なのは1000以上、特に5000以上です。

CK=400は危険なのか?

多くの人が一番不安になるラインです。

結論:
→CK400だけでは、ほぼ問題ありません。

理由:
・軽い運動で到達する
・風邪でも上がる
・体質でも出る

医師は400程度では、ほとんど心配しません。

横紋筋融解症との関係

CK高値でよく聞く怖い病気が「横紋筋融解症」です。

横紋筋融解症とは?
筋肉が大量に壊れ、成分が血液中に流れ出る重篤な状態です。

腎不全の原因になります。

CKとの関係

状態CK
疑い1000以上
強く疑う5000以上
重症10000以上

→CK400ではまず起こりません。

CKだけでは病気は判断できない

重要なのは、

→「数値+症状」

です。

危険な組み合わせ
・強い筋肉痛
・脱力感
・褐色尿
・尿量減少
・強い倦怠感
+CK高値

→ 要受診

安心できる組み合わせ
・無症状
・元気
・CK400前後で安定

→ 問題なし

慢性的にCKが高い人もいる

「ずっと300~400」という人は珍しくありません。

これは、

→体質性高CK血症

と呼ばれ、病気ではありません。

特徴:
・無症状
・若い頃から高い
・変動が少ない

医師が「様子見」と言う理由

患者さんは、

「何もしてくれない」

と感じがちですが、違います。

医師は経験的に:
・危険ラインでない
・症状がない
・一過性の可能性高い
と判断しているのです。

→正しい医学的判断です。

薬剤師・医療者の視点

医療現場では、
・1000未満 → ほぼ経過観察
・1000以上 → 精査
・5000以上 → 入院
が基本です。

生活で気をつけるポイント

CKが高めと言われた人は、次を意識しましょう。

① 過度な運動を控える
検査前2~3日は激しい運動を避ける。

② 水分補給
脱水予防は最重要。

③ 薬の確認
筋肉痛+薬服用中なら相談。

④ 無理をしない
体調不良時の無理はNG。

受診すべきタイミング

次の場合は早めに相談してください。

・CK1000以上
・上昇が続く
・症状あり
・褐色尿
・腎機能異常

患者さん向け・安心の一言

不安な方へ、最も大切なメッセージです。

→CK400前後で、症状がなければ、ほぼ心配いりません。

→危険なのは「何千」という数字です。

まとめ

CK値の評価は、次の3つだけ覚えれば十分です。

・~400:ほぼ安全
・600~1000:注意
・1000以上:要精査

+「症状があれば重視」

です。

CKは「上がりやすい検査値」です。

必要以上に怖がる必要はありません。

正しい知識を持ち、冷静に対応しましょう。

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