2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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抗血栓薬以外の術前休止薬

抗血栓薬以外の術前休止薬

手術中のリスクから、術前に抗凝固薬や抗血小板薬を中止することはよく知られているが、ほかにも、手術前に短期的に中止すべき薬剤があるので把握しておきたい。

例えば、周術期はインスリン注射による血糖管理が望ましいとされ、経口糖尿病治療薬の「手術前後」の投与は禁忌となっている。

また、術中術後の低血圧や脱水、腎機能低下などのリスクから、利尿薬やアンジオテンシン変換酵素(ACE)ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)などの降圧薬を術前中止する場合もある。

術後の不動状態や凝固系因子の亢進などによる血栓症リスクを助長する薬剤も、周術期に休薬する必要がある。
ルナベルや低用量経口避妊薬(OC)などのホルモン剤も、血栓症のリスクを高めることが知られている。

これら薬剤の服薬を中止すると、凝固系検査値は約4週間で正常閾値内に戻るとされる。
また、術後の凝固系亢進状態は約2週間で正常に戻ると考えられている。
そのためこれらの薬剤は、術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内、長期間安静状態の患者は投与禁忌となっている。

商品名一般名休薬期間の目安
プレマリン結合型エストロゲン4週間(手術前4週間以内の患者への投与は慎重投与)
マーベロン、ファボワールデソゲストレル・エチニルエストラジオール4週間(手術前4週間以内の患者への投与は禁忌)
ヤーズドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス4週間(手術前4週間以内の患者への投与は禁忌)
ルナベル、シンフェーズノルエチステロン・エチニルエストラジオール4週間(手術前4週間以内の患者への投与は禁忌)
アンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユレボノルゲストレル・エチニルエストラジオール4週間(手術前4週間以内の患者への投与は禁忌)
エビスタラロキシフェン塩酸塩3日間(長期不動状態の患者への投与は禁忌)
ビビアントバゼドキシフェン酢酸塩3日間(長期不動状態の患者への投与は禁忌)
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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