記事
エストリールで尿漏れ改善?
公開. 更新. 投稿者:前立腺肥大症/過活動膀胱.この記事は約5分1秒で読めます.
4,589 ビュー. カテゴリ:ホルモン剤で尿漏れが改善?
ホルモン剤のエストリールが尿失禁=尿漏れに使われることがあります。
ちなみに、エストリールの効能効果は、「更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎並びに子宮腟部びらん、老人性骨粗鬆症」と尿漏れに対する適応はありません。
閉経後エストロゲンの欠乏で尿道が萎縮し、尿路感染がなくても頻尿、尿道灼熱感、尿意切迫等の症状が現われるらしい。
尿道と腟は発生学的には起源が同じであり、閉経後の女性ではエストロゲンの補充により、尿道粘膜のトーヌス、弾性、血管増生を回復させる。
尿路とエストロゲン受容体
女性の下部尿路は、発生学的に生殖器の一部と同じ尿生殖洞から分化しており、尿道粘膜、尿道平滑筋、骨盤底筋群、膀胱三角部などには、膣と同様、高濃度のエストロゲン受容体が存在する。
これらの組織は、閉経後などにエストロゲンが低下すると萎縮・硬化し、その結果、排尿障害が起こると考えられている。
このため、エストロゲンを補充することで、萎縮していた下部尿路組織が回復し、尿道粘膜の密着度が高まって、最大尿道閉鎖圧が上昇することが期待できる。
また、エストロゲン療法により膀胱などのβ2受容体が増加するため、β2刺激剤との併用効果は高いとする意見もある。
ただし、エストロゲン療法に速効性はなく、通常、効果判定は投与開始2~3ヶ月後に行われる。
エストロゲン製剤としては、エストリオール(エストリール)以外に、エストラジオール貼付剤が使用される場合もある。
投与を継続する場合には、子宮内膜癌の発生を抑制するために、プロゲストーゲン製剤を併用する。
高齢者にはエストリールがいい?
エストリール(エストリオール)は生物活性が低いため、プロゲステロンの併用なしの単剤で使用することができます。
高齢者の尿道膣粘膜萎縮症状に使用されることが多いです。
トイレが近いのは過活動膀胱?
大人になっておもらしをしたら、病気と見られます。
でも、トイレが近いのを病気と考える人はあまりいないのでは。
しかし、それも立派な病気で、過活動膀胱といいます。
尿漏れがある場合をウェット、無い場合をドライと表現します。
過活動膀胱(OAB)は、尿意切迫感を特徴とする症候群である。
尿意切迫感とは、急に起こる、抑えられないような強い尿意を指す。
過活動膀胱は尿意切迫感を必須の症状とし、通常は頻尿を伴うが、尿意切迫感から不随意に尿が漏れる「切迫性尿失禁」の有無は問わない。
過活動膀胱は直接生命に関わる疾患ではないが、外出が困難になるなど日常生活に大きな支障を来すことがあり、精神面への影響も大きい。
このため適切な治療が必要とされる。
過活動膀胱における尿意切迫感は、激しい尿意が急に生じることが特徴である。
健常者が長く排尿を我慢した後に生じる強い尿意とは異なる。
トイレが近い人ほど死亡率が高い?
夜、おしっこに起きる回数が多い高齢者ほど死亡率が高いという調査結果がある。2回以上の人の死亡率は1回以下の人の約2倍で、回数が増えると死亡率も高くなる。持病が悪化したケースのほか、トイレに起きて転んで骨折し、寝たきりになって死につながった場合が含まれているとみられている。
頻尿が原因というよりも、寝ぼけてふらついた状態で、暗闇の中を歩いて転倒→骨折して寝たきり→死亡ということで、骨折が原因の死亡ともいえます。
若い人でもトイレに起きることはありますが、転倒して骨折まではしませんから。
しかし過活動膀胱の治療薬が、QOLのためだけでなく、死亡リスクの低下にもつながるという説明は、患者さんのコンプライアンス向上に役立ちそうです。
トイレが近いのは年のせい?
年を取ると一般的にトイレが近くなります。
特に女性に多いです。
女性の頻尿には閉経が関与しています。
閉経で女性ホルモンが減れば、骨盤内の血行が悪くなる。
その結果、膀胱は小さくなり、尿をためる量が減る。
尿道も狭くなり、排尿の勢いが衰えて残尿が増える。
膣も委縮し炎症を起こす。
さらに、骨盤内の臓器を支える筋肉の骨盤底筋がゆるみ、尿もれにつながる。
若い女性の頻尿であればまず膀胱炎が疑われます。
ストレスや緊張などによる神経性頻尿(心因性頻尿)も多いようです。
トイレが近くなるから水分を取らない?
トイレが近い人で、意識的に水分摂取量を減らしてトイレに行かないようにしている人がいます。
水分摂取量が減ると、尿が濃縮されて膀胱への刺激が高まり、膀胱炎による切迫性尿失禁を併発する可能性が指摘されています。
水分を摂らないとトイレが近くなる?
トイレが近くなるから、水分をあまり摂らない、という人がいる。
この水分の摂らなさすぎが、頻尿の原因となっている場合もあるという。
水分を摂らないとその分、膀胱の容量が小さくなり、100mL程度溜まったくらいでも尿意を催してしまうという。
そんなときは、膀胱訓練で膀胱の容量を大きくしましょう。
膀胱訓練|日常生活で出来るトレーニング |排尿トラブル改善.com
尿意を我慢する練習を、短い時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていきます。
トイレへ行くのを1回だけ我慢してみましょう。
最初は5分くらい我慢し、1週間ほど続けます。尿意を感じるたびにではなく、1日のうちの時間や回数を決めて、少しずつ始めてもいいのです。
10分、15分と、我慢する時間をだんだん延ばしていきます。
最終的に2~3時間我慢できるようになれば、目標達成です。
200~300ccは溜められるように。
体が冷えるとトイレに行きたくなるのはなぜ?
寒い夜は、トイレが近い。
体が冷えると、汗として水分が逃げなくなるので、体内の水分量が増えます。
体温低下で血管が収縮し血行が悪くなると、腎臓の働きが悪くなり尿を上手く濃縮できなくなってしまいます。
そのため尿量が増えます。
そして膀胱に多くの尿が溜まれば尿意を催すというメカニズムです。
尿漏れとナプキン
軽い尿漏れに生理用ナプキンを使っているという人がいる。
生理用ナプキンは、経血の吸収用につくられていますので、尿を吸収させるのには適していません。
経血の量は、一度の月経で50~250ml程度なのに対し、尿は一回の排泄で200~300mlもの液体を放出しています。
生理用ナプキンは数時間おきに交換するようになっていますので、実際の吸収量は経血の総量よりもかなり少なめです。
尿とりパッドは尿専用ですので、生理用ナプキンよりもたくさんの吸水ポリマーが入っており、排尿の液量に耐えうるつくりになっています。
よって生理用ナプキンを使用すると、尿もれや排尿による液量を吸収しきれず、もれが生じるおそれがある。
また、ナプキンと肌の間に吸収しきれない尿が長時間たまってしまうことを考えると、不衛生で膀胱炎などのリスクが高くなり、かぶれも生じかねません。
尿漏れに生理用ナプキンは止めたほうが良い。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。