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エピデュオゲルを第一選択で使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約3分42秒で読めます.
5,147 ビュー. カテゴリ:皮膚刺激感の副作用
ディフェリンゲル(アダパレン)は皮膚刺激感の副作用で有名です。
そのため、ディフェリンゲルを使用する前に、ヒルドイドソフトを使用するケースも多い。
同じくニキビの治療薬で、ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)も皮膚刺激感があります。
それぞれ承認時の副作用は、
ディフェリンゲル
「主な副作用は、皮膚乾燥(305例、56.1%)、皮膚不快感(259例、47.6%)、皮膚剥脱(182例、33.5%)、紅斑(119例、21.9%)、そう痒症(72例、13.2%)、湿疹(11例、2.0%)、ざ瘡(7例、1.3%)、接触性皮膚炎(7例、1.3%)、皮膚刺激(6例、1.1%)であった。」
ベピオゲル
「主な副作用は、皮膚剥脱(鱗屑)81例(18.6%)、適用部位刺激感61例(14.0%)、適用部位紅斑60例(13.8%)、適用部位乾燥32例(7.4%)であった。」
そして、この2種類の合剤があります。それがエピデュオゲル。
内服薬の配合剤では、「第一選択として用いないこと」といった記載が多くみられるが、ニキビ治療薬のエピデュオゲルやデュアック配合ゲルは、第一選択で用いることもできる。
しかし、エピデュオゲルの重要な基本的注意には、「本剤はアダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤であり、各単剤よりも皮膚刺激が発現するおそれがあるため、本剤よりも先に各単剤による治療を考慮すること。」と記載されており、各薬剤単剤で使用するよりも刺激感が出る可能性が高いので、まずは単剤での使用を考慮する。
ニキビに使用する配合剤としては、デュアック配合ゲルという薬もあるが、こちらには、ダラシン(クリンダマイシン)とベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の合剤で、単剤使用からの切り替えは特に求められていない。ダラシンは特に皮膚刺激感の副作用が多いわけではないので、第一選択として使えるということだろう。
エピデュオの刺激感
エピデュオはアダパレン(ディフェリン)と過酸化ベンゾイル(ベピオ)の配合剤です。
アダパレンは、角質剥離作用(ピーリング作用)を持ち、毛穴の詰まりを治療する。
過酸化ベンゾイルは、強力な酸化剤、抗菌作用とピーリング作用を有する。
アダパレンや過酸化ベンゾイルは使い始めに、皮膚の乾燥、不快感、剥脱、紅斑などが高頻度で表れる。
これらは、両薬剤のピーリング作用が皮膚刺激の一因となって生じるが、使い続けるうちに軽減することが多い。
皮膚が非常に赤くなり、腫れ上がったり、強い痒みや刺激感が出たりした場合は使用を中止するが、弱い刺激感や乾燥症状程度であれば治療継続となることが多い。
皮膚不快感や剥脱などは、ピーリング作用によって起こると考えられるため、こういった症状が出るのは必ずしも悪いことではないことを、使用前に患者に伝えておく。
エピデュオは配合薬であり、単剤よりも炎症性皮疹に高い効果が認められる半面、塗布部位の皮膚刺激症状も出やすい。
副作用を減らすためには、洗顔後、低刺激性で毛穴に詰まりにくい化粧水や乳液でしっかり保湿することが重要です。
エピデュオやディフェリン、ベピオの副作用予防に保湿剤が併用されることがある。
塗布順序については、医師からの説明があると思われるが、医師や患者の状態によっても異なることも考えられるので確認しておく。
プロペトが併用されることがある。
エピデュオをざ瘡とその周辺に塗布した後、プロペト(白色ワセリン)を重ねて塗る。
プロペトは純度の高いワセリンであり、エピデュオのピーリング作用などで刺激に対して過敏な状態になった皮膚を保護する。
これにより翌朝のヒリヒリ感が起こりにくくなります。
刺激感が強い場合は、プロペトを1日に複数回塗っても構いません。
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