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O-157に抗菌薬は効かない?
公開. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約2分43秒で読めます.
1,553 ビュー. カテゴリ:腸管出血性大腸菌O-157の治療
腸管出血性大腸菌O-157で下痢を引き起こすのは、細菌自体によるものというよりも、O-157が産生するベロ毒素によるもの。
菌をやっつけても、やっつけた菌からベロ毒素が放出され、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の合併症を増加させる危険性が考えられるという。
腸管出血性大腸菌(EHEC)O-157は毒力の強いベロ毒素を産生します。
感染すると全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるものもありますが、多くの場合は3~8日の潜伏期の後、頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便を生じ、小児や老人では溶血性尿毒症(HUS)や脳症(けいれんや意識障害など)の重症合併症を引き起こしやすく、死に至ることもあります。
EHECの抗菌療法は現在国内外で一致した見解は得られていませんが、国内では感染早期の抗菌薬の投与が重症化の予防に有効との見解が強く、原則として経口投与をできるだけ速やかに行います。
感染から長期間経過した場合やHUS発症後は抗菌療法の適応はない。
小児にはホスホマイシン、ニューキノロン系抗菌薬のノルフロキサシン(5才未満の幼児には錠剤が服用可能なことを確認して慎重に投与、乳児等には投与しない)、カナマイシン、成人にはニューキノロン系抗菌薬、ホスホマイシンを用いる。
大腸菌の多くは無害だが、下痢などの症状を引き起こす病原性のものもある。
このうち、牛の腸管にすみ、ベロ毒素で人間に食中毒症状を起こすのが腸管出血性大腸菌で、O-26やO-111、O-157などの大腸菌がこの毒素を出すことが多い。
3~5日の潜伏期を経て、腹痛や水のような下痢を繰り返し、真っ赤な血便が出る人もいる。
貧血や意識障害を起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症に至ることもある。
国立感染症研究所によると、腸管出血性大腸菌の昨年の感染は4110件、死者は5人で、菌の増えやすい初夏から初秋に集中した。感染源は、ユッケや牛レバー刺し、牛肉のたたきなどがこれまでに確認されている。
過去の感染例は、生か加熱不足のまま食べて発生した。抵抗力の弱い子どもや高齢者は重症化しやすく、加熱が不十分な肉は食べない方がよい。75度で1分間加熱すれば菌は死滅するため、十分に火を通せば予防できる。菌は室温なら20分程度で倍増するので、食品の冷温保存と台所用品のこまめな洗浄も大切だ。
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