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高齢者の医療費は1割?2割?3割?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約3分33秒で読めます.
7,839 ビュー. カテゴリ:2022年10月から3段階に
2022年10月から高齢者の負担割合がまた細分化されるようです。
今現在は、
70歳未満は3割負担、70~74歳が2割負担、75歳以上が1割負担というのが基本で、
70歳以上で現役並み(383万円以上)の収入がある高齢者は3割負担となっています。
これに75歳以上で一定の収入のある高齢者が2割負担することになり、後期高齢者の負担割合の区分が3段階に細分化されます。
後期高齢者は全体で約1815万人、現役並みの所得者は約130万人(約7%)とあまりいません。
新たな制度では、単身で年収200万円以上、夫婦で年収計320万円以上の世帯は2割負担となります。
対象者は約370万人で、全体の約20%になります。
70~74歳が1割→2割になったときよりは、対象者少ないですが、負担割合倍増はつらいですね。
レセプト特記事項
レセコンの入力で「30区オ」とか出てきてよくわからない私です。
収入の多い方から順に、保険証の適用区分が以下のようになる。
現役Ⅲ→3割→26区ア
現役Ⅱ→3割→27区ア
現役Ⅰ→3割→28区ア
一般Ⅱ→2割→41区ア
一般Ⅰ→1割→42区ア
区分Ⅱ→1割→30区オ
区分Ⅰ→1割→30区オ
高齢者とは何歳から?
高齢者とは、一般的に65歳以上の人のことを指し、老年学の学術用語では、65~74歳を前期高齢者(ヤング・オールド)、75歳以上を後期高齢者(オールド・オールド)と区分しています。
個人差はありますが、75歳になると複数の病気にかかる割合が高くなり、自立した生活が難しくなります。
研究対象とする際も、社会政策上も都合が良く、先進国ではこの二分法が定着しています。
医療制度の場合、現行では高齢者を70~74歳と、医療費の中で高い割合を示す75歳以上および65歳以上の一定以上の障害のある方にわけ、後者を後期高齢者(長寿)医療の被保険者としています。
高齢者の負担割合
その昔、高齢者(70歳以上)の医療費は無料でした。
それが、定額負担、定率1割負担、定率2割負担と徐々にその負担が増してきました。
現在の医療費負担割合は以下の通り。
薬剤師の保険制度に関する知識格差は大きく、私のように疎い人間も多くいる。
高齢患者から「私は来年何割負担になるのかしら?」と聞かれて、口ごもるようでは信頼を失うので、しっかり覚えておこう。
高齢受給者証
国民健康保険には割合負担が書かれているものが多いが、職域保険などは保険証本体とは別に割合負担の記載された「高齢受給者証」が発行されます。
負担区分の切り替えの時期
切り替えの時期は、前期高齢者の場合、誕生月の翌日からの適用となります。75歳以上の後期高齢者の切り替えの時期は誕生日の日からとなります。
高一と高7
処方箋の備考欄に「高一」やら「高7」やらと記載されていることがありますが、この高一というのに引っかかって「1割負担?」と勘違いすることがあります。
処方箋の記載上の注意事項に以下のように記載されている。
未就学者である患者の場合は「6歳」と、高齢受給者又は後期高齢者医療受給対象者であって一般・低所得者の患者の場合は「高一」と、高齢受給者又は後期高齢者医療受給対象者であって7割給付の患者の場合は「高7」と記載すること。なお、後期高齢者医療受給対象者であって一般・低所得者の患者については、令和4年10月1日以降、8割給付の患者の場合は「高8」、9割給付の患者の場合は「高9」と記載すること。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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