更新日:2016年4月12日.全記事数:3,191件.

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分割調剤で服薬情報提供料が算定できる?


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長期投薬の取扱の明確化

4月になって、医師の指示による分割調剤を見かけるようになりました。

今まで分割調剤を面倒と思って避けてきた薬局も、医師の指示により避けることができなくなった。

まず、2016年度診療報酬改定の処方せん料に関する部分をみてみる。

F400 処方せん料
(1) 医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに、病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。
なお、上記の要件を満たさない場合は、原則として次に掲げるいずれかの対応を行うこと。
ア 30日以内に再診を行う。
イ 200床以上の保険医療機関にあっては、患者に対して他の保険医療機関(200床未満の病院又は診療所に限る。)に文書による紹介を行う旨の申出を行う。
ウ 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合には、分割指示に係る処方せんを交付する。

わざわざ医師が分割調剤を指示する理由も無さそうですが、90日分処方が多いとなんらかの指導がされる恐れもあるのでしょうか。

で、医師以上にメリットが無いのが薬局なのですが。調剤報酬点数表をみてみる。

2 保険薬剤師は、医師の分割指示に係る処方せん又は投与日数が長期間にわたる処方せんによって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要がある場合には、分割調剤を行うこと。
また、分割調剤を行う場合(上記の場合のほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更が不可の場合の署名欄に処方医の署名又は記名・押印がない、又は署名欄に処方医の署名又は記名・押印があるものの「変更不可」欄に「✓」又は「×」が記載されていない先発医薬品がある処方せん(以下「後発医薬品への変更が可能な処方せん」という。)を提出した患者の同意に基づき、処方せんに記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により、分割調剤を行う場合を含む。)は、その総量は、当然処方せんに記載された用量を超えてはならず、また、第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方せん交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。例えば、4月3日交付、使用期間4日間、用量10日分の処方せんで4月4日に5日分の調剤を受け、次に10日に調剤を受けに来た場合は(10+4)-7=7であるから、残りの5日分を全部交付して差し支えないが、もし第2回の調剤を4月13日に受けに来た場合、(10+4)-10=4となるので4日分しか交付できない。

この日数計算が面倒なのと、これを説明すると患者から「じゃあ全部もらってく」とか言われそうなのでとっても嫌なのですが。
「第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方せん交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。」

医師の指示による分割調剤の場合、90日分を30日×3で処方されることが多いと予測されるので、処方せん発行日から30日・60日+処方せんの期限4日を超えないように来局しなかった場合、処方日数がそれだけ減らされていくことになる。

ただ単に処方日数が減るだけで、患者が損をするというわけではないが、余分な薬を持っておきたいという患者であれば、予定通りに来局できなかった場合の不安が出てくるだろう。
国としてはそんな患者の安心感を満たすために医療費使ってられねーんだよ、ということなので、期間内に来てもらうように説明するしかない。
医師としては、「患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合」に分割調剤を指示してきているハズなので、服薬管理に問題がないことを医師に伝えることで分割調剤ではなくなる可能性もあるが、患者から直接伝えてもらうしかない。

しかし、以下のように算定に際しては「患者の同意の下」とあるので、患者の同意が得られなかった場合、分割調剤ができないと判断することもあるだろう。
でもその時には疑義照会が必要になると解釈される。

「注8」については、医師の分割指示に係る処方せん(「注6」又は「注7」に該当する場合を除く。)に基づき、患者の同意の下、分割調剤を行った場合に算定する。

ちなみに、どのくらい早く薬を取りに来ていいのか、という点についてはよくわからない。
極端な話、90日分のうち30日分を持って行った翌日に30日分を渡していいのか、と聞かれたら常識的にはNGですが、30日ジャスト以降に来なければならないとしたら、かなり次回来局日が縛られてしまう。ご存知の方がいたらお教えください。

3 保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方せんに薬剤師法第26条に規定する事項及び分割理由等の必要な事項を記入し、調剤録を作成した後、処方せんを患者に返却すること。

処方せんは患者に返さなければならない。調剤済みのハンコは押してはならない。

第26条 薬剤師は、調剤したときは、その処方箋に、調剤済みの旨(その調剤によって、当該処方箋が調剤済みとならなかったときは、調剤量)、調剤年月日その他厚生労働省令で定める事項を記入し、かつ、記名押印し、又は署名しなければならない。

何日分調剤したのか、調剤年月日、薬剤師の記名押印又は署名、調剤した薬局の名称及び所在地、分割理由を記載して患者に返す。
「その他厚生労働省令で定める事項」というのは疑義照会内容等。
特別決まりでは無いが、処方せんのコピーを保管しておくのが無難。

つまり、調剤済み印以外の記載項目プラス、分割調剤した日数、分割理由を記載しなければならないので、もし患者が3回とも違う薬局で調剤してもらったら、書くスペースが無くなる。
なので、初回と2回目の上記記載項目は、処方せんの裏に書くのが妥当だろう。
分割理由って何と書けばよいのだろう?「医師の指示の為」「30日を超える為」「服薬管理が困難な為」

分割調剤と服薬情報提供料

分割調剤は以下の3種類になる。

6 長期投薬(14日分を超える投薬をいう。以下同じ。)に係る処方せん受付において、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方せんに基づく当該保険薬局における2回目以降の調剤については、1分割調剤につき5点を算定する。なお、当該調剤においては第2節薬学管理料は算定しない。

7 後発医薬品に係る処方せん受付において、当該処方せんの発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方せんに基づく当該保険薬局における2回目の調剤に限り、5点を算定する。なお、当該調剤においては、第2節薬学管理料(区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料を除く。)は算定しない。

8 医師の分割指示に係る処方せん受付(注6及び注7に該当する場合を除く。)において、1回目の調剤については、当該指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降の調剤については投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方せんを交付した保険医(以下この表において「処方医」という。)に対して情報提供を行った場合に算定する。この場合において、区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算、区分番号01に掲げる調剤料及びその加算並びに第2節に掲げる薬学管理料は、分割回数が2回の場合は、それぞれの所定点数の2分の1に相当する点数を、分割回数が3回以上の場合は、それぞれの所定点数の3分の1に相当する点数を1分割調剤につき算定する。

今までの分割調剤の場合、わずかではあるが、5点という点数が算定できたが、医師の指示による分割調剤の場合、分割回数に応じて、割られてしまう。
今までの分割調剤の場合、初回と違う薬局に処方せんを持って行った場合、通常の調剤基本料が算定できたと思うが、医師の指示による分割調剤の場合、安い調剤基本料その他の点数でしか算定できない。
どんなメリットがあるのだろう?

と、思ったら、2回目以降の調剤時に処方医に対して行う情報提供において「服薬情報提供料」が算定可能なようだ。

イ「区分番号00」の調剤基本料の「注8」に掲げる分割調剤において、2回目以降の調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して情報提供を行った場合

これは年間10回のかかりつけ薬局業務を達成できるチャンス到来です。
これを高いハードルとみるか低いハードルとみるか。

分割調剤に関する疑義解釈2016

(問14)同一医療機関で複数の診療科から発行された処方せんを同時に受け付けた際に、ある診療科からの処方せんは分割指示があり、他の診療科の処方せんでは分割指示がない場合、調剤報酬の算定はどのように取り扱うべきか。
(答)通常、同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合は受付回数を1回とするが、分割指示の処方せんが含まれる場合に限っては、同時に受け付けた場合であっても、分割指示の処方せんとして1回、分割指示のない処方せんとして1回のように、処方せんごとに別で取り扱い、それぞれの受付ごとに調剤報酬を算定して差し支えない。
なお、このような事例については、特定の診療科の処方せんのみ分割調剤することが妥当かどうか確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うこと。

(問15)上記の際に、分割指示の処方せんが複数あり、分割指示の方法(分割回数や期間)が異なる場合、どのように取り扱うべきか。
(答)分割指示が異なる場合は、分割調剤の方法が異なることにより、患者が適切に服薬できるか等の妥当性を確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うべきである。

(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。

(問17)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。
(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方せんについて分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。

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