更新日:2016年12月21日.全記事数:3,130件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ビスホスホネートで骨密度は上がるか?


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ビスホスホネートの働き

骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート製剤の作用機序は、破骨細胞内でファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し、破骨細胞の骨吸収機能を抑制することにより、骨代謝回転を低下させるという機序です。

骨では、骨をつくる骨芽細胞と、骨を壊す破骨細胞がはたらいています。
この2つの細胞が常に活動しながら、毎日少しずつ骨をつくり変えています。
これを骨のリモデリングと呼びます。
骨が作られる過程を骨形成と呼び、骨が壊される過程を骨吸収と呼びます。

正常な人では骨形成と骨吸収のバランスが取れており、骨の強度が保たれています。
しかし、骨粗鬆症患者では骨形成よりも骨吸収の方が上回っており、骨が破壊される過程の方が優位になっています。

そこで、骨が壊される骨吸収を抑えるビスホスホネート製剤を使用することで、骨が壊され骨が脆くなることを防ぎ、骨密度を上昇させ骨粗鬆症を予防することができます。

各種骨粗鬆症治療薬の働き

ビスホスホネート製剤は、骨密度を上げ、骨折を減らす効果が認められています。
ちなみに、リカルボン錠50mgの24週投与で骨密度4.731±3.9057%上昇。

エビスタなどの選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)製剤も、骨吸収を防ぎ、骨密度を上げ、骨折を減らす効果が認められています。
ちなみに、エビスタの52週投与で骨密度3.5%上昇。
副甲状腺ホルモン製剤フォルテオは、骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減らす薬です。骨密度が著しく減少している患者さんなど重症の患者さんに使われます。
ちなみに、フォルテオの52週投与で骨密度9.82%上昇。

活性型ビタミンD製剤は、骨密度を上げる力は強くありませんが、骨折を減らすという研究結果があります。
ビタミンK製剤も、骨密度を上げる力は強くありませんが、骨折を減らすという研究結果があります。

骨密度の正常値

骨密度の正常値は、成人(20~44歳)の平均値をもとにしています。
基準の80%以上 :正常
70~80% :骨量減少(要注意)
70%未満 :骨粗しょう症

YAM値

骨粗鬆症は、全身的に骨の強度が低下し骨折しやすくなった状態のことをいい、その結果として骨折などの症状が出る。折れやすい部位は、まず胸腰椎、そして大腿骨や腕である。
骨粗鬆症に自覚症状は無いため、骨密度という骨のカルシウム含有量によるモニタリングが必要。

骨密度を評価するときにYAM値というのが用いられる。
YAMは「Young Adult Mean」の略で若年成人平均値を意味します。YAMは20~44歳の健康な女性の骨密度を100%として、現在の自分の骨密度が何%であるかを比較した数値です。

80%~:正常値
70~79%:骨量減少
~69%:骨粗鬆症、くる病、骨軟化症、骨髄炎、腰背痛、圧迫骨折

70%を切ると骨粗鬆症と診断される。
ビスホスホネート飲むと5%くらいは改善される模様。

患者さんによっては、このYAM値(若年比)ではなく、同年代の骨密度との比較(同年比)を伝えてくる場合がある。
80%以上の数値でビスホスホネートを飲んでいるという患者さんがいたら同年比を言っているのかも。

背が縮んだのは骨粗鬆症のせい

身長は加齢により少しずつ減少していきますが、1年間に1cm以上縮むようだと骨粗鬆症の疑いがあります。

骨粗鬆症患者においては、身長低下と椎体骨折発生のリスクには相関が見られるという報告がある。
若い頃より身長が低くなっていませんか? RICHBONE(リッチボーン) RICHBONE(リッチボーン)

骨がもろくなると胸から腰へと重なりあっている背骨が上からの重さを支えきれなくなり圧迫骨折といって潰れてしまいます。その潰れ方、潰れる場所によって背中が丸くなったりします。若い頃と比べて背が低くなっているのであれば、レントゲン写真で背骨の骨折や変形の有無を調べる必要があります。1つの椎体で圧迫骨折がおこると、身長が0.5~1cm低くなります。それらが進行すると背中が丸くなってくることがあります。

健康診断で測ると1cm近く低くなっている年もあったような。

それは猫背になってただけか。

後頭部が壁につかなければ骨粗鬆症?

骨粗鬆症により、もろくなった背骨(椎体)が押しつぶされるように骨折を起こすことで、背中が曲がるようになります。

骨粗鬆症患者の中には、痛みを自覚しない人もいます。

後頭部が壁につかないとき、骨粗鬆症である可能性は、日本人データでは感度58%、特異度88%。

フォルテオで骨密度減少?

PTH製剤は、「PTHパラドックス」といわれる通り、その作用にはユニークな面がある。

PTH製剤を間欠的に投与すると骨形成が亢進し、骨吸収された分よりも多くの骨が形成されるため、骨形成終了時には骨量が増加する。

一方で、持続的に投与すると骨形成と骨吸収両方の亢進が見られ、骨吸収が形成を上回り骨量の減少が生じる。

ラットを用いた実験では、フォルテオを1日1回投与した場合密度が増加したが、同分量を6分割して1時間ごとに6回投与した場合は骨密度が減少した。

参考書籍:日経DI2013.3

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