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サイトテックは12週まで?
公開. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分45秒で読めます.
2,443 ビュー. カテゴリ:サイトテックの適応
サイトテックの適応症は、
「非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」
NSAIDsを使用していることが基本。
重要な基本的注意には、
「本剤は原則として非ステロイド性消炎鎮痛剤を3カ月以上長期投与する必要がある関節炎患者等の胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の治療にのみ用いること。」
「本剤は非ステロイド性消炎鎮痛剤と併用投与することが可能である。非ステロイド性消炎鎮痛剤においては、消化性潰瘍のある患者は投与禁忌となっているが、本剤が投与されている場合はこの限りでない。」
という記載がみられる。
治療のみに用いるということは、予防的には使えない。
胃カメラで胃潰瘍をみつけて、それでも痛み止めを止めるわけにはいかなくて、サイトテックを併用しながらNSAIDsを続けるという患者。
「本剤を12週間以上投与しても改善傾向が認められない場合には、他の療法を考慮すること。」
3か月使ってもまだ胃潰瘍が治らなければ、改善傾向がみられないということになるので、サイトテックは中止。
胃潰瘍が治ったとしても、サイトテックから他の治療法に切り替えなければならない。
つまり、サイトテックは12週間までの処方ということになる。
けれど、実際にはサイトテックが連用されている患者もみられる。
妊婦に禁忌ということもあって、あまり安易に処方されるのは好ましくない薬であり、ある程度規制は必要なのだろう。
でも、NSAIDs潰瘍ができたならサイトテックを併用しながらNSAIDsを服用し続けるよりも、原因薬剤であるNSAIDsを中止するほうがベターな選択。
サイトテックで下痢?
サイトテックの副作用として下痢が高率に起こります。
下痢が起こる機序は、プロスタグランディンにより腸管腔へ多量の腸液が貯留するという「エンテロプーリング」が引き起こされるためと言われています。
エンテロプーリングは、プロスタグランディンの血中濃度が上がると起きやすくなるため、下痢の予防としては、急激に血中濃度を上げないことが必要です。
食直後の服用や、減量して投与するなどが有効です。
また、下痢を起こしやすい薬剤との併用を避けることも大切です。
サイトテックの用法は通常1日4回となっている。しかし、サイトテックで1日4回という処方は見たことがない。
副作用の下痢を考慮して、ってわけでもなさそうですが。
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