更新日:2017年1月22日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ストラテラ内用液は瓶のまま調剤する?


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ストラテラ内用液の開封後の安定性

ストラテラ内用液というADHDの薬があります。
知らなかったのですが、「開封後の期限45日」という薬局殺しのアイテムらしい。

リリーのホームページに、

<開封後の使用期限>
瓶包装品のまま患者さんに交付する場合、開封後の使用期限は45日です。開封後45日を経過した製品を患者さんが服用しないよう指導してください。

ストラテラ内用液は、小分けせず、瓶包装品のまま交付していただくようお願いしております。しかし、やむを得ず小分けして交付する場合は、瓶包装品のまま交付する場合と患者さんに指導いただく使用期限(服用期限)が異なりますのでご注意ください。小分けして交付する場合は、小分け時の注意事項をまとめたリーフレット「ストラテラ内用液0.4%を小分けして交付される場合のお願い」を必ずご確認いただき、使用期限を患者さんにご指導いただいた上で交付いただきますようお願いいたします。

との記載が。
ストラテラ内用液の薬価は209.2円/mL。100mLだと20902円。泡を吹きそうです。

なので薬局を殺さないように、患者さんに100mLの瓶のまま渡してください、というメーカーの指導。
というわけではなく、小分け調剤してしまうとその時点でもう安定性が失われてしまうから、ということらしい。

ストラテラ内用液を薬局で分割(小分け)して交付してよいですか?

ストラテラ内用液は、以下の理由で特殊な容器仕様を採用しているため、小分けせず、瓶包装品のまま交付していただくようお願いします。
•大量誤飲防止 : お子様には開けにくい安全キャップ、および、ストラテラ内用液専用のアダプター
•服用量の正確な計量 : 専用ピペット
•製品の安定性の保持 : 褐色ガラス瓶、密閉性のあるキャップ (他の容器に小分けした場合、光への曝露や水分の損失により製品品質が変化する可能性がございます)

弊社といたしましては、上記の理由により、本剤を小分けして交付することは推奨しておりません。

45日ということは、もし小分けして調剤した場合、残薬はほぼ廃棄確実。
連日のようにADHD患者が来局するような、小児精神病専門医の門前薬局とかなら使えるのかも知れませんが。
しかしある程度の年齢になったらカプセル使うだろうし。

ストラテラ内用液の処方せん

添付文書の適用上の注意にも、

薬剤交付時 本剤を希釈しないこと。本剤は瓶包装品のまま交付すること。やむを得ず本剤を小分けする場合は、本剤の専用容器を使用すること。

との記載があります。

ストラテラ内用液の包装は「100mL×1瓶」のみ。
つまり1回100mL単位での処方が基本ということになる。

で、ストラテラの用法は、

通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kg(0.125mL/kg)より開始し、その後1日0.8mg/kg(0.2mL/kg)とし、さらに1日1.2mg/kg(0.3mL/kg)まで増量した後、1日1.2~1.8mg/kg(0.3~0.45mL/kg)で維持する。
ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg(0.45mL/kg)又は120mg(30mL)のいずれか少ない量を超えないこと。

という複雑怪奇なものであり、処方医の頭は爆発し結局「ストラテラ内用液0.4% 100mL 1日分 朝夕食後」と処方されることも。こんな処方のまま入力したら保険請求で切られるので、疑義照会せねばなりませんが。

例えば30kgの小児だとしたら、
ストラテラ内用液0.4% 3.75mL 
1日2回朝夕食後 7日分
ストラテラ内用液0.4% 6mL 
1日2回朝夕食後 7日分
ストラテラ内用液0.4% 9mL 
1日2回朝夕食後 ○日分
といった処方になる。
100mLを使い切るには最後の維持量の日数が、
100-(26.25+42)=31.75 31.75÷9=3.52
で、3日分という計算になる。
それでも4.75mLのロスになるわけだから、薬価209.2円/mL×4.75=993.7円と、1000円近いボランティア調剤になるわけだ。
調剤拒否したい。
最後の部分を4日分として請求すれば、収支プラスになりますが。大きな声では言えない。患者から「1日分足りなかった」とか言われそうなので事前の説明は必要。

とにかく、上記のような日数計算は面倒なので、薬局に任せる的な処方せんを書く医師もいる。総量が100mLになるように計算して疑義照会して瓶のまま投薬できるように図らねばならない。

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コメント

  1. ?ml/日と書けるよう
    教えないと医師が容量の間違いをします
    100mlになるよう書いたカルテを見て1回何mlだったっけと
    逆に問い合わせがくる

    結局専用容器をもらって、あとはいつものシロップの扱いと同じにせざるを得ないというか・・・

    あと異常なほど液だれしやすい瓶ですのでそれもイライラします

    q:2015/4/2

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