更新日:2017年4月3日.全記事数:3,191件.

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漢方薬には副作用がない?


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漢方薬に副作用は無い?

漢方薬には副作用がないと言われます。

一応それは本当。
漢方薬には副作用という概念がありません。漢方薬を飲んで副作用が出た場合、それは投薬ミスということになります。診断が間違っただけ、ということです。
なんだか屁理屈ですが、そういうことらしいです。

そんなひねくれた答えはいいとして、漢方薬にも副作用はあります。
小柴胡湯を飲んで間質性肺炎で死亡した例もあります。
それにどんな薬でもアレルギーというのはあります。

漢方薬も例外ではありません。
動植物の抽出物は多糖類やたんぱく質を含んでおり、食物アレルギーと同じようにアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
しかし、基本的には漢方薬は副作用の少ない薬であることは事実でしょう。

アリストロキア酸が危険?

4 アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬について

1.概要
 アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有される成分で,腎障害を引き起こすことが知られている。
 日本においては,現在,アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが,アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用によるものと疑われる腎障害が報告されている。生薬の呼称は国により異なる場合があり,生薬の取扱いについては注意を要する。

サイシン(細辛)
 日本薬局方サイシンはウスバサイシン Asiasarum sieboldii F. Maekawa又はケイリンサイシン Asiasarum heterotoropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawa (Aristolochiaceae)の根及び根茎と規定されている。根及び根茎にはアリストロキア酸は含まれていないが,地上部にはアリストロキア酸が含まれる。

モクツウ(木通)
 日本薬局方モクツウはアケビ Akebia quinata Decaisne又はミツバアケビ Akebia tr ifoliata Koidzumi(Lardizabalaceae)のつる性の茎とされている。中国等では,アリストロキア酸を含有する関木通(キダチウマノスズクサ Aristolochia manshuriensis Kom.)が「木通」として用いられることがある。

ボウイ(防已)
 日本薬局方ボウイはオオツヅラフジSinomenium acutum Rehder et Wilson(Menisper maceae)のつる性の茎及び根茎とされている。中国等ではアリストロキア酸を含有する 広防已(Aristolochia fangchi Wu(ウマノスズクサ科))が「防已」として用いられること がある。

モッコウ(木香)
 日本薬局方モッコウはSaussurea lappa Clarke(Compositae)の根であるが,中国等ではアリストロキア酸を含有する青木香(マルバウマノスズクサ Aristolochia contor ta Bge,ウマノスズクサ Aristolochia debilis Sieb. et Zucc)及び南木香(雲南馬兜 鈴 Aristolochia yunnanensis Franch)が「木香」として用いられることがある。

3.まとめ
 いずれも,日本薬局方に適合する生薬が使用されていれば問題はないが,生薬の呼称は国により異なる場合があり,諸外国においては日本薬局方に適合しないアリストロキア酸を含有する植物を含む製品が流通していることから,生薬・漢方薬の使用にあたっては,アリストロキア酸を含む植物の混入がないよう,原料植物の確認等に留意する必要がある。漢方スクエア 安全性情報

アリストロキサ酸で尿管がん

【4月12日 AFP】台湾で人気の植物薬に含まれている成分が、台湾の尿管がん症例の半数以上に関連しているとする研究結果が9日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。

 問題の成分はウマノスズクサ属の植物に含まれるヒト発がん性物質のアリストロキア酸。ウマノスズクサはアジアの植物薬に使われる一般的な原材料のひとつで、減量や関節痛、胃腸障害の緩和に効果があるとされる。

 今回の研究では、アリストロキア酸がヒトのDNAに作用して、暴露評価の指標となる特有のバイオマーカーを生じさせるとともに発がん物質が取り込まれたことを示す兆候ががん抑制遺伝子内に現れることが確認された。

 過去の研究によると、台湾ではここ数年以内にアリストロキア酸を摂取した人は全人口の約3分の1に上っている。また今回の論文によると、台湾の尿管がんや腎がんの発症率は、アリストロキア酸の摂取が台湾ほど一般的ではない欧米諸国の約4倍だった。

 論文の主著者、米ニューヨーク(New York)のストーニーブルック大学(Stony Brook University)薬学部のアーサー・グロルマン(Arthur Grollman)氏は「珍しいがんだが、台湾は世界中のどの国よりも発症率が高い。腎がんと腎疾患の両方の発症率が高いということは、台湾で何かが起こっていることを示しているとわれわれは考えた」と説明している。

■安全とは限らない天然成分
 
 研究対象となったのは台湾の尿管がん患者151人で、その60%にこの薬草の使用に関連する特有の変異がみられた。特にアリストロキア酸の摂取後に腎皮質には特有の病変が発生し、がん抑制遺伝子TP53には特有の変異の兆候が生じていた。

 グロルマン氏によると、ウマノスズクサ属の植物は歴史上、古くから世界各地で薬草として使用されてきた記録がある。しかし、ウマノスズクサ属の1種の種子をパンに混ぜ込む習慣があったバルカン半島諸国で、1956年にアリストロキア酸による腎障害の発生が指摘されて以降、その危険性に対する認識が高まった。また1990年代にはベルギーでアリストロキア酸を含む減量薬を使用した女性たちが突然、末期状態の腎不全になったと報告された例もある。

 グロルマン氏によれば、多くの国でアリストロキア酸の危険性を周知する措置が取られているが、アリストロキア酸含有製品がインターネットを通じて流入するのを規制するのは難しいという。また、現在台湾で使われているアリストロキア酸含有製品の大半が中国製だという。

 2001年には米国でアリストロキア酸を含む植物性製品を使用した2人が深刻な腎障害を発症し、米食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)が警告を発している。

 グロルマン氏は「自然のものであれば必ずしも安全だというわけではない。長期の使用となればなおさらだ」と注意を喚起している。台湾で人気の植物薬、高いがん発症率との関連 米研究 国際ニュース AFPBB News

漢方薬だから安全、天然由来成分だから安心、という盲目的な信仰は止めたほうがいいですね。

中国製だから危険、というのもまた然りか。

ツムラの漢方薬は安全だと信じていいのか。

中国からの輸入品が多いんだろうけど、日本薬局方に適合する生薬が必ず使用されているという保証はあるのかな。

本場の漢方薬?

日本での湯液療法に用いられる医薬品は漢方薬あるいは漢方エキス製剤と言われます。

また漢方処方と一般的に呼ばれることもあります。
よく海外に行ったお土産に、「本場の漢方薬を買ってきた」と言われる方がいますが、海外の製品は漢方薬とは言いません。

例えば中医学で処方される薬は「中薬・中成薬」と呼ばれています。
処方の名称が同じ場合もありますが、漢方薬と中薬では内容が異なっていることが多いです。

すなわち、配剤される生薬の種類が全く違っていたり、含量比が異なっていたりしますので、全くの別物であることも少なくありません。

一般に利用されている辞書や翻訳システムの中では、その区別が明確になっていないのが実情です。
性格には「中国伝統薬(中薬)」とすべきところ、「漢方薬」という誤った表記による報道が見受けられます。

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