更新日:2017年1月27日.全記事数:3,128件.

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活性型ビタミンD3外用剤の違い


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活性型ビタミンD3製剤の種類

現在、わが国で使用されている活性型ビタミンD3製剤には、オキサロールボンアルファおよびその高濃度型であるボンアルファハイと、ドボネックスの3剤(4種)があります。

20年以上前にビタミンD3内服による尋常性乾癬に対する治療効果が報告されたことを契機として、1991年にヨーロッパにおいて初のVD3外用製剤としてドボネックスが、93年にはわが国でボンアルファが上市され、オキサロールと併せ乾癬を含めた角化症の治療薬として使用されています。

VD3製剤は表皮角化細胞を直接のターゲットとし、免疫抑制作用を機序とするステロイド外用剤とはまったく異なる乾癬・角化症治療薬です。

尋常性乾癬は炎症性の強い皮膚疾患であり、その治療にはアトピー性皮膚炎などよりランクの強いステロイド剤を長期に連用することになります。

このステロイド剤の長期間外用により、中・高年期の乾癬患者では、軽い接触で簡単に皮膚が裂けてしまうステロイド性の皮膚萎縮や紫斑・毛細血管の拡張など、コントロールの難しい非可逆的な局所副作用をしばしば生じてきました。

その点、VD3製剤は、外用局所における副作用を生じない長期使用がしやすい薬剤です。

まれですが、腎機能の低下した高齢者や脱水時に広範囲に使用すると、その薬理効果による高カルシウム血症が、とくに使用開始2~4週で出現することがあります。

倦怠感や悪心、脱力感など、いわゆる二日酔いに似た症状であり、高齢者において見逃されがちです。

このVD3製剤の尋常性乾癬に対する効果は、ヨーロッパでの大規模臨床試験(メタアナリシス)において、少なくともベリーストロングクラスのステロイド剤(リンデロンDPやトプシム)に匹敵することが証明されました。

しかし即効性のステロイド外用剤とは異なり、表皮角化細胞の増殖を抑制し角化を正常化させるその作用機序より、VD3製剤の効果発現には、1~2週間の継続的な外用を必要とします。

そのため乾癬患者は数日での外用効果を期待し、ステロイド外用剤に頼りがちであり、効果が出るまでの治療意欲を維持させる助言など、薬剤の特徴を理解したうえで用いる必要があります。

また、この統計的解析により、より効果的な使用上でのコツなどが明らかになりました。

VD3製剤もステロイド外用剤と同様に、1日1回塗布よりは2回塗布するほうが有効であり、密封療法は単純塗布よりもはるかに有効です。

ステロイド剤との併用療法は明らかにVD3製剤単独よりも有効であり、午前にVD3製剤を、就眠前にステロイド剤を外用するプロトコールが推奨されています。

UVB照射を組み合わせることも、VD3製剤単独よりも有効です。
その際は紫外線によりビタミンDは破壊されるので、紫外線治療後にVD3製剤を外用します。

VD3製剤の問題点

VD3製剤に問題点、使用上の注意があるとすると、その値段がステロイド剤に比較して3~5倍(ジェネリックのステロイド剤とでは10倍以上の薬価)である経済的負担を考慮したうえでの処方が必要かと考えます。

現在市販されているステロイド外用剤は5段階(現実的にはストロンゲストからミディアムの4段階)のクラスに多数薬剤が用意されていますが、VD3製剤は低濃度型のボンアルファとそれ以外の高濃度型の3剤の2ランクと考えられます。

ドボネックス軟膏は欧米で最も早く市販され、多くの臨床試験の対象となり、その有用性が証明されています。
外用開始初期に多い局所刺激感が時に障害となり、顔面へ使用はできません。
欧米ではステロイド剤との合剤としても使用されています。

オキサロール軟膏はVD3内服薬よりわが国で外用化された独自の製剤です。
そのローション製剤はボンアルファハイのローションに比較して粘りがあり、頭部のみならず四肢・躯幹への使用にも便利です。
高カルシウム血症の発症数が最も多く報告されていますが、わが国における使用症例数が最も多いためと考えられます。

ボンアルファには、低濃度製剤と10倍濃度のボンアルファハイ製剤が準備されており、軟膏製剤のほかにVD3製剤で唯一であるクリーム剤やローションがあります。
ボンアルファハイは1日に1回の外用で、ほかの高濃度製剤と同等の効果があるとされ、乾癬患者の日常の外用回数の軽減が期待できます。
ローション製剤は浸透が良く、乾癬の好発部位である頭部での使用感に優れます。
しかし薬価は他剤と比較してほぼ2倍の値段です。
低濃度型のボンアルファは小児や腎機能の低下した高齢者、外用剤の吸収の良くなるチガソン使用中の高齢者においてはその安全性より初期治療の第一選択ともいえます。

ドボネックス軟膏が最も白く硬く粘りがあり、外用皮膚面への残りが強いように感じます。

ボンアルファハイ軟膏は透明度が高く柔らかく延びが良く、外用後のなじみや消失感が早いです。

オキサロール軟膏は、その中間の印象をもちます。

乾癬などの角化症においては、軟膏基剤に限らず使用感の良いクリーム基剤、ローション基剤の使用を避ける必要はありません。
季節や嗜好・治療すべき部位に合わせ、あるいは同じ患者さんでも時折外用剤を変化させることで、治療意欲と治療効果を持続させることにつながります。

活性型ビタミンD3外用剤

活性型ビタミンD3は乾癬をはじめとする角化異常症の治療に用いる。
長期使用で血中Caが上昇することがあるので、1日使用量を10g以内にする。
レチノイド投与例ではさらにCa上昇が生じやすくなるので注意する。

活性型ビタミンD3は表皮角化細胞の増殖抑制と分化誘導作用・免疫調節作用などを有し、軟膏あるいはローションとして用いられ、有効である。
ボンアルファ、ボンアルファハイ、ドボネックス軟膏、マキサカルシトール(オキサロール)は大量に(1週間に90g以上)用いると高Ca血症の危険性があり注意する。
重症例ではネオーラルあるいはチガソンの内服を考慮する。

また、インフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)などの生物製剤が承認され使用されている。

なぜ乾癬にビタミンD3が効くのか

乾癬は北欧に多く発生するので、日光が足りないことが原因の一つとして挙げられています。
それでビタミンDが外用薬として治療に使われています。

肝臓および腎臓で代謝され生成するビタミンD3活性体(カルシトリオール)が、カルシウム代謝調節ホルモンとして働くだけでなく、ビタミンD3受容体を介して細胞の増殖抑制および分化誘導作用を有することが明らかにされ、VD3外用療法が乾癬の中等度までの第一選択治療薬になり、VD3製剤が臨床に適用されています。

すなわち、正常な皮膚では、基底層の細胞が分裂して、有棘層、顆粒層、角質層に移動して、垢となるまで4週間かかりますが、乾癬になると4~5日しかかからず、角質層すなわち痂皮が異常に厚くなります。

これと同時に炎症が発生します。

VD3を外用すると、ビタミンD3受容体を刺激し、細胞の核にあるDNAに伝達し、皮膚細胞の増殖および分化を正常化すると考えられています。

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