更新日:2016年1月6日.全記事数:3,091件

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ペルサンチンで尿蛋白が減少する?


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抗血小板薬とたんぱく尿

ペルサンチンの適応症に「尿蛋白減少:ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群」とある。
コメリアンの適応症に「尿蛋白減少:腎機能障害軽度~中等度のIgA腎症」とある。
詳しいメカニズムはわからないが、抗血小板作用が影響しているらしい。

炎症や糸球体高血圧により糸球体内に血栓が生じやすくなり(凝固の亢進)、これにより血栓が形成されると糸球体硬化が進行します。
また腎不全をモデルにしたラットを用いた実験では、糸球体内に血栓が生じますが、これらに抗血小板剤を用いると、腎障害の進行を抑制できることが分かっています。

腎炎は、炎症によって糸球体細胞が障害を起こし、血小板が活性化されるために、悪化するといわれています。
抗血小板薬は血小板が集まって塊を作るのを抑え、腎炎の進行を止めます。
抗血小板薬としては、主にペルサンチン(ジピリダモール)が用いられます。
これは血管を拡張し、血流を促して腎機能を改善し、上記の抗血小板作用により、尿中の蛋白を減少させます。
ペルサンチンを慢性糸球体腎炎、IgA腎症、ネフローゼ症候群に対して使用すると、腎機能改善やクレアチニンクリアランス(糸球体の濾過機能を測る数値)の上昇、及び尿中蛋白減少効果が認められています。
すなわち、腎炎における尿蛋白の減少と腎障害の進行を抑える働きがあります。

ペルサンチンとネフローゼ症候群

腎障害時には腎糸球体内の血液の過凝固状態が発生し、腎の濾過機能が低下するが、ジピリタモール(ペルサンチン)は、活性化した血小板からのケミカルメディエーターの放出反応を抑え、糸球体内血液凝固および毛細血管の透過性亢進を抑制する伽きを持つ。

また同薬は、糸球体係蹄壁の陰荷電減少を抑制することにより、血管腔より尿腔へのアルブミン通過量を抑制する。

蛋白尿を減らす術

ネフローゼ症候群は、腎糸球体に障害が生じて腎臓の濾過機能が異常を来し、大量の尿蛋白と低アルブミン血症を生じる疾患である。

低アルブミン血症により、浮腫や高LDLコレステロール(LDL-C)血症、凝固系亢進など様々な症状を呈する。
成人のネフローゼ症候群の診断基準は、(1)蛋白尿 3.5g/日以上の持続、(2)低アルブミン血症:血清アルブミン値3.09/dL以下、 (3)浮腫、(4)高LDL-C血症、とされ、このうち(1)と(2)が診断の必須条件である。

ネフローゼ症候群は、一次性(原発性)と二次性(続発性)に大別される。
一次性は全体の約6割を占め、病態により微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)や膜性腎症(MN)などに分類される。
二次性は、自己免疫疾患や糖尿病腎症などの疾患、非ステロイド抗炎症薬や経口抗リウマチ薬などの薬剤に起因するものが知られている。

一次性ネフローゼ症候群の治療の根幹は、ステロイド(主にプレドニゾロン)による蛋白尿の改善である。
MCNSの場合は、プレドニゾロンを0.8~1mg/ kg/日(最大60mg/日)で開始し、ければ2~4週間程度で尿蛋白の減少が見られる。
寛解(尿蛋白<0.3g/日) 後も1~2週間は初期投与量を継続し、その後2~4週間ごとに1日量を5~10mgずつ減量する。 5~10mg/日まで 減量後は最小用量で1~2年間継続し、 再発がなければ漸減・中止する。 ステロイドが無効あるいは再発を繰り返す場合、免疫抑制剤のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラ ル)、やタクロリムス水和物(プログラフ)、抗体医薬のリツキシマブ(リツキサン)が追加されることもある。 このほか、抗血小板薬やスタチン、レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬などの薬剤も、支持療法として尿蛋 白の減少目的で使われる。 アスピリンやジピリダモール(ペルサンチン)などの抗血小板薬は、血小板の凝集を抑えることで尿蛋白の漏出を防ぐとされる。 凝集血小板から放出されるケミカルメデイエーターが、糸球体の蛋白透過性を亢進すると推測されるためである。 またスタチンは、糸球体の血管に対する抗酸化作用や抗炎症作用、あるいは酸化LDLによる尿細管組織傷害を防ぐことで、尿蛋白減少効果を示すと考えられている。 同時に、ネフローゼ症候群に伴う高LDL-C血症を改善する狙いもある。RA系抑制薬については、作用機序は不明だが、複数の臨床試験で尿蛋白減少効果が認められており、高血圧を合併した患者で投与が考慮される。 随伴症状の治療としては、浮腫の改善にフロセミド(ラシックス)などのループ利尿薬、凝固系充進に伴う血栓症の予防にワルファリンカリウム(ワーファリン)が用いられることもある。 さらに、ステロイド投与に伴う胃腸障害の予防にプロトンポンプ阻害薬、ニューモシスチス肺炎の予防にST合剤が投与されるケースも多く、本疾患に対しては多種の薬剤が併用される。 参考書籍:日経DI2015.7

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