2018年11月17日更新.3,351記事.5,760,133文字.

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オイラックスは疥癬の薬?

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オイラックスと疥癬

疥癬にはストロメクトールとオイラックスクリームの処方が出ます。
オイラックスHじゃなくてオイラックス。
かゆみ止めならオイラックスHのほうが良いんじゃないのかと思いますが、オイラックスHにはヒドロコルチゾンというステロイドが入っているので、感染症には禁忌です。

 オイラックス軟膏はクロタミトンという物質が10%含まれている。クロタミトンはもともと動物の疥癬の治療のために開発された「殺虫剤」である。つまり疥癬の根治療法の薬である。疥癬の患者にクロタミトンを塗布すると痒みの改善が見られることから、痒み止めとしての効果もあるとされている。クロタミトンは塗ると軽い灼熱感(皮膚が熱くなるような感じ)を起こすので、その刺激により痒みが打ち消されると考えられたせいもあるかもしれない。オイラックス軟膏は疥癬に対して根治療法と対症療法の、両方の効果を期待され、使われている。

 しかしオイラックスの痒み止め効果に関しては、疑問を呈する意見がある。1984年にSmithらが、二重盲検という医学的に厳密な研究*2によって「クロタミトンにはかゆみ止め効果がないか、あったとしても弱い」という結果が出ている。このような背景を持つオイラックス軟膏だが、日本での健康保険の適応病名は「皮膚掻痒症(ひふそうようしょう:皮膚がかゆい状態)」で、「疥癬」は適応外である。まあ、たいていの疥癬は痒いので、あまり困るわけではないが、不思議なことではある。第8回 疥癬治療薬その1 オイラックスと六一〇ハップ – カイセン問屋ヒゼン屋

痒み止めとしてなら、他にもあるんじゃないかな、とか思っていましたが、クロタミトンはヒゼンダニに対する毒性も持つので、抗疥癬薬として使われるのですね。

オイラックスクリームと間違えてオイラックスHクリームとか調剤したらやばいです。

疥癬にステロイドは禁忌?

ステロイドは疥癬虫に対する免疫反応を低下させ、かえって悪化させてしまうので、虫体が存在しないことを確かめるまでは絶対に使用しないこととされています。

しかし、疥癬のことをよく知らない皮膚科以外の医師であれば、痒みにはステロイドと安直に処方することは考えられる。

疥癬の場合は、一時的に痒みは治まるが、最終的にどんどん悪化して、家族にもうつってしまいます。

疥癬にγBHCが効く?

昔皮膚科の門前の薬局で、疥癬にγBHCという農薬を使っていたことがあった。

疥癬の治療薬として、皮膚の患部に塗布し、原因となるヒゼンダニを殺すのに用いられている。また、アタマジラミの駆除に用いる国もある。日本では規制のため、医薬品としては入手できず、試薬等として購入し、院内調剤して用いられていた。2010年4月より化審法改正のため、日本国内では医療用途には入手不能となった。ベンゼンヘキサクロリド – Wikipedia

今では薬局では入手不可能となり、使われることは無くなったようですが、覚書として残す。

以下調整法メモ。

γ-BHCを用いた軟膏剤は多くの施設で調整されています。
プロピレングリコールは主に研和補助剤として使用されています。
γ-BHCは均一になりにくいので、プロピレングリコールで十分に均一にすることが大切です。
また、γ-BHCは製造時にできる黒い異物が認められることがあるので取り除くことが望ましいです。
基剤としては親水軟膏の代わりに、オイラックス軟膏を用いている施設も多くあります。
使用方法としては副作用を防止する観点から塗布後1~数時間後に洗い流す。

最近ではスミスリンローションが販売されましたが、疥癬の治療薬はなかなか良いものが無い。
オイラックスとか内服のストロメクトールぐらい。

γBHC軟膏なんて、毒性を考えると承認されにくいんだろうな。

主な疥癬治療用の皮膚外用剤

〇硫黄剤
5~10%硫黄ワセリンや親水軟膏が毒性が低く、院内製剤などとして小児にも広く使用されている。
一般薬としてチアントールと硫黄を含むアスター軟膏も有効である。

〇クロタミントン
オイラックス軟膏がクロタミトンを10%含む軟膏として市販されている。
殺虫効果は弱く、これだけでは効果が不十分な場合が多い。

〇ピレスロイド系(フェノトリン、ペルメトリン)
フェノトリンを含む一般薬は剤形としてローション剤、散剤、エアゾール剤やシャンプーが市販されている。
スミスリンパウダーやシャンプータイプが代表である。
シャンプー以外は使用後1時間程度で洗い流す必要がある。
ペルメトリンはゴキブリなどの燻煙剤として広く一般に使用されている。
5%のローション剤が金鳥ULV乳剤Eとして市販されており、疥癬に対する殺虫効果はγーBHCと同等かそれ以上とされている。

〇安息香酸ベンジル
10~30%前後のローションや軟膏剤として院内製剤などとして調整されている。
効果はクロタミトンよりも強く、γーBHCよりも弱い。安息香酸ベンジルは粘膜刺激性があるので注意が必要である。

〇γーBHC(ガンマーベンゼンヘキサクロリド)
1%のローションあるいは軟膏剤が院内製剤などとして調整されている。
γーBHCは神経毒性が強いため、新生児や妊婦への使用は避けるべきである。
また、皮膚から吸収されるとα体となり肝臓に蓄積して肝癌を発生する可能性があるため、短時間(6時間以内)で洗い流す必要がある。

〇イベルメクチン(ストロメクトール)
イベルメクチンは1970年に日本で発見されたマクロライド系の薬です。
イベルメクチンの作用機序はほかのマクロライド系抗生物質のように抗菌作用はありませんが、神経伝達物質GABA(ガンマアミノ酪酸)の作用を活性化し、神経伝達を抑制することにより寄生虫を麻痺させて殺すと考えられています。

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