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バルトレックスは多めの水で飲む?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約2分22秒で読めます.
6,353 ビュー. カテゴリ:アシクロビルと脱水と腎障害
バルトレックスの添付文書の重要な基本的注意に、
腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、高齢者、水痘患者等の脱水症状をおこしやすいと考えられる患者では、本剤の投与中は適切な水分補給を行うこと
と記載されている。
ゾビラックスにも同様の文章が記載されている。
「多めの水で飲んでください」
と指導するような薬は、大抵胃腸障害を気にしてのものである。
あとは、下剤などで排便を促すときに、多めの水を推奨する。
腎機能障害回避のために「多めの水で飲んで」と言うことは想像しなかった。
バルトレックス錠500の添付文書には、コレとは別に、
「本剤を飲みにくい場合には多めの水で1錠ずつ、服用させること。」
とも記載されている。
こちらの記載は、腎障害ではなく、「粒が大きくて飲みにくいから、喉に引っかかると悪いし、多めの水で飲んだほうが良いよ」という助言のようだ。
グラクソのホームページには以下のようなQ&Aがある。
Q1.普段より多めの水で服用する理由を教えてください。
A1.脱水による尿量の減少がアシクロビルによる腎障害のリスクファクターとなるので、脱水症状を起こしやすいと考えられる患者(意識障害のある患者、高熱や下痢が発現している患者、高齢者、水痘患者など)では特に、本剤投与中には普段よりも多めの水で服用するようご指導をお願いしています。
バルトレックスによる腎障害については下記の報告があります。
バルトレックスの活性代謝物であるアシクロビルを急速に高用量で静脈内投与したところ、腎障害の発現が報告されています。アシクロビルによる腎障害は、腎尿細管におけるアシクロビルの濃度が溶解度を超えたとき、アシクロビルが結晶化することによって起こると考えられています。また、これは一過性であり、水分を十分に摂取することによって避けることができると報告されています
脱水を起こすと、尿細管でアシクロビルが結晶化して腎臓にダメージを負わすということらしい。
「薬を水で飲む」という当たり前のことすらしていない患者が、世の中にはいるので、バルトレックス以外でも食道潰瘍の防止目的も含め「多めの水で飲んでください」を口癖のように伝えていこうと思う。
抗ヘルペスウイルス薬と腎機能
腎機能低下のみられる患者で、アシクロビル、またはバラシクロビル塩酸塩を通常量投与すると血中濃度が高値になり、傾眠、意識障害、幻覚などアシクロビル脳症が出現する可能性があるため、このような患者では、血清クレアチニン値から予想クレアチニンクリアランスを計算したうえで治療を開始することは望ましい。
バルトレックス
バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)は、アシクロビル(ゾビラックス)にバリンをエステル結合させたプロドラッグである。
主に肝臓で代謝を受けて消化管から吸収される。
その作用機序は、体内にあるウイルスを不活化させるわけではなく、増殖を抑制する方向に働き、ウイルスの核酸合成、増殖、ウイルス粒子産生を阻害する。
皮疹発症後、72時間以内に服用を開始することが望ましい。
バラシクロビルの「用法および用量に関連する使用上の注意」には、腎機能に関する記載がある。
同薬は主に腎臓で排泄されるため、腎機能に応じて、投与間隔の調整、もしくは減量が必要となる。
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