2024年4月19日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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砂糖が褥瘡に効く?

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傷に砂糖を塗る?

イソジンシュガーパスタとか、ユーパスタ、ソアナース。

精製白糖が入ってます。

つまりは砂糖。

砂糖を褥瘡に塗ったら効くのか。

傷口に塩を塗るのは痛いけど、砂糖なら大丈夫なのか。

ポピドンヨードも入ってますが。

ポピドンヨードは細菌や真菌、ウイルスなどに幅広い殺菌作用を有しながら、うがい薬にも使用されるように粘膜の消毒にも使用できるのが特徴。

精製白糖は、吸水性に優れ、滲出液を吸収して局所の浮腫を軽減することにより肉芽形成を促進させ、傷の治りを早くする。

白糖・ポピドンヨード配合剤は、もともと院内製剤として病院薬剤部で調整されていたが、製薬会社が製品として開発し、販売されるようなった。

イソジンシュガー

イソジンシュガーは有効なのか?

褥瘡の時期によって使用される薬剤は変わる。

赤色期や白色期にかけては、白糖の吸水性やポピドンヨードの細胞毒性が、創傷治癒を妨げてしまう。

このため通常、白糖・ポピドンヨード配合剤は使われない。

肉芽形成や上皮化促進作用のあるアクトシン、オルセノン、フィブラストなどの薬剤が用いられる。

イソジンシュガーパスタ軟膏の塗り方

イソジンシュガーパスタ軟膏は、使用時に力を加えることにより軟らかくなる性質を持つ。

創面の滲出液が多いときは、あまり練らずに塗って滲出液を吸収させるとよい。

イソジンシュガーパスタ軟膏を広範囲に伸ばして使用したいときは、よく練っておくと塗りやすい。

これは、ガーゼに塗布して使用する際も同様である。

なお、患者が白糖・ポピドンヨード配合剤をガーゼに塗布することが困難な場合は、シート状の軟膏であるユーパスタコーワ軟膏分包もある。

参考書籍:日経DI2013.1

パスタ剤

塗り薬に「パスタ剤」なるものがある。

といっても、イソジンシュガーパスタくらいしか知らないけど。

もちろん、スパゲッティとは違います。

麺のような薬ではありません。

泥膏(パスタ)
軟膏類似の製剤であるが、軟膏より硬く、皮膚に直接塗布するのではなく、ガーゼなどに塗り広げて貼付して用いる。「イソジン・シュガー・パスタ」などがある。従来は滲出液の多い創傷・熱傷には、やむをえず含水量の少なく、吸水性のあるパスタ製剤を使うことも多かったが、近年では吸水性ポリマーを含む創傷被覆材の開発により、細胞傷害性のある薬剤は使われない傾向にある。軟膏剤 – Wikipedia

軟膏基剤に粉末剤が練り合わさり、軟膏よりも粘度の高い外用薬である。

pasteでパスタ。ドイツ語読みらしい。

英語ではペースト。

ペースト剤って言ったほうがわかりやすいような。

スパゲッティのほうはpasta。

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先生

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10 件のコメント

  • ハナ のコメント
         

    教えてください。砂糖が浸出液を吸収すると言うことは、当てたガーゼにたくさん液がたまるということですか?それとも、浸出液が減るのですか?
    吸収の作用がよくわからなくて教えてほしいです。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    浸透圧で浸出液を砂糖のほうに吸収させるということだと思います。

  • ハナ のコメント
         

    お返事ありがとうございます。ユーパスタをやめてからものすごくガーゼへの浸出液の量が増えたように思ったのですが、やめたからということではないのですね。むしろ使った方が吸収するからガーゼへの量が増えると考えるのが正しいのですね。 ちなみに、じょくそうではなく、ガンによる創からの浸出液なので、単に進行しているだけと考えたらいいとわかりました。

    もうひとつ、じょくそうへの使用と考えて、この糖分は何かしら創へ栄養を与える作用が働くのですか?浸出液吸収作用がメインでしょうか?
    たくさんすみません。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    砂糖が患部に栄養へ与えるという期待は無いと思います。浸出液の吸収がメインですね。
    また、砂糖の働きよりもイソジンの殺菌作用のほうがメインと考えられます。

  • ハナ のコメント
         

    ありがとうございます。とてもスッキリしました(^^)
    色々検索してここにたどり着きました。色々読ませていただきます。

  • 飯塚 史子 のコメント
         

    イソジンシュガーパスタですが、チューブの中で固まってしまい、すぐにだめになってしまいます。
    溶解する方法は、ありますか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    患者の方でしょうか?医療従事者の方でしょうか?
    いずれにせよ、砂糖が固まる理由は乾燥だと思いますが、蓋をきちんとしめていてもダメになるのであれば、塩野義製薬に問い合わせて頂くのがいいかと思います。

  • とよ子 のコメント
         

    当院の褥瘡患者で浸出液が多くイソジンシュガーパスタを使ってます。どれくらいの量を塗ったらいいのか教えてください。盛るくらい塗った方がいいですか?次処置する時に固まりがあるのは塗りすぎですか?それとも浸出液を吸収して固まったと考えていいですか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    正直言ってわかりません。役立たずですみません。
    殺菌・乾燥を目的としたイソジンシュガーは湿潤療法が主流の時代に逆行しているような気もするので、あまり使い過ぎないほうがいいのかな、というのは個人的な感想です。
    たくさん塗れば、大きな固まりができそうですね。

  • やまさん のコメント
         

    イソジンシュガー軟膏で治療して、白色期に入っています。使用をやめた方がよいでしょうか?

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yakuzaic/著
2023年09月14日発売

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職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
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