2017年8月12日土曜更新.3,289記事.5,377,448文字.

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ドグマチールで母乳の出がよくなる?

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ドグマチールとプロラクチン

ドグマチールは、胃・十二指腸潰瘍、統合失調症、うつ病・うつ状態などの治療に使われる薬ですが、乳汁分泌というスルピリドの副作用を逆手に取って、母乳の出を良くする薬として処方されることがあります。

スルピリドは、プロラクチンの分泌を抑制するドパミンの受容体阻害作用を通じ、プロラクチンを増加させます。

授乳婦が服用した場合、乳汁分泌量を20~25%増加させるとのデータがあります。

黄体刺激ホルモンであるプロラクチンには、乳汁の分泌促進作用があるため、プロラクチンは催乳ホルモンや泌乳刺激ホルモンとも呼ばれています。

用法は、スルピリドを1日当たり100mg、4~7日間(通常は5日間)服用するというものです。

初めは母乳の出が良かったのに途中から量が減ってしまったような場合には、2週間以上使用することもありますし、効果が現れない場合にはさらに服用期間を延長しますが、副作用の問題があるため、原則として投与は4週間以内にとどめます。

スルピリドのほか、経口薬ではメトクロプラミド(プリンペラン)もプロラクチンを増やし、乳汁分泌を60~100%増加させる効果があるといわれています。

投与量は常用量より少なく、乳汁分泌不全によく処方される薬であり、新生児への影響は極めて少ないと考えられます。

薬剤の服用のほかに、母乳の出を良くするには、乳房マッサージをはじめ、十分な栄養摂取と休養、精神的安定、早期の授乳開始、頻回授乳などが有効です。

男性でもプロラクチンは出てる?

プロラクチンと聞くと、「催乳ホルモン」という印象で男性には関係ないものと思いがちですが、男性でもプロラクチンは分泌しており、ドグマチールによる副作用で、乳汁分泌ということもありえます。

産後にドグマチール?

Q.産後にドグマチール。処方意図は?
A.乳汁分泌促進の為の処方が考えられます。ドグマチール(スルピリド)にはプロラクチン増加作用があり、乳汁分泌量を20~50%増加させる働きがあります。
乳房マッサージと併用して行いますが、薬物療法は副作用の問題もあるため、原則として4週間以内にとどめます。
ドグマチールの他、プリンペラン(メトクロプラミド)が使用されることもあります。
*ドグマチールの適応は胃・十二指腸潰瘍と統合失調症、うつ病、うつ状態です。

参考文献:日産婦誌 61: 635-636, 2009

乳汁分泌不全に使われる薬は?

プロラクチンの分泌は、視床下部から分泌されるドパミンにより抑制されることが分かっている。
そこで、ドパミンの作用を抑制し、プロラクチンの分泌を促す薬物療法として、ドパミン受容体阻害薬のスルピリド(ドグマチール)が用いられる。

産褥初期( 産後2 週間まで)の場合、スルピリド1日100mgを7日間、産褥2週間以降は1日当たり150mgを28日間投与することで、乳汁分泌量が20~50%増加する。
ただし、スルピリドは少量だが乳汁中にも移行することが判明しており、副作用の問題から使用は4週間以内にとどめるべきとの見方がある。
なお、海外の臨床試験では乳汁に移行するものの、授乳婦のスルピリド服用は「比較的安全」と位置付けられている。
もっとも、乳汁移行の観点から授乳中に薬を服用することに抵抗を示す母親も少なくないため、服薬指導ではスルピリドは乳汁分泌不全によく処方される薬であり、新生児や乳児への影響は極めて少ない点を丁寧に説明する。
ちなみに、スルピリドと同様にドパミン受容体阻害作用を持つメトクロプラミド(プリンペラン)やドンペリドン(ナウゼリン)も乳汁分泌不全の治療に用いられている。
メトクロプラミドの場合は1日当たり10~15mg 、ドンペリドンでは1日当たり30mg投与する。
ドンペリドンは乳汁分泌量を60~100%増加させる効果があると報告されている。

参考書籍:日経DI2014.7

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