2018年10月15日更新.3,348記事.5,690,241文字.

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ACE阻害薬で咳が出たら中止?

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ACE阻害薬で咳?

ACE阻害薬で咳の副作用の発症頻度は高いですが、投与1~2ヶ月の問題です。
2~3ヶ月継続投与すると80~90%は完全消失します。

朝よりも寝る前飲んだほうが発現率が低いです。
最初の1~2ヶ月を乗り切れば、ほとんどの場合、咳による問題はなくなり、継続投与が可能になります。

空咳は、服薬を開始して数週間後に発現し、乾性で持続性の咳が夜間に多くみられるのが特徴です。

これはACE阻害薬がブラジキニンの分解を抑えた結果、気道局所で増加したブラジキニンが気道のC繊維受容体を刺激し、その結果サブスタンスPなどのタキキニンが遊離し、これらの刺激により咳が起こると考えられていますが、詳しい発現機序は解明されていません。

空咳は副作用としては軽微なものが多く、服用を止めれば通常1週間以内に治まります。
また投与中止が不可能な場合、投与時間の変更や他のACE阻害薬への切り替えも有効です。

エナラプリルの場合、朝投与群と夜投与群では、夜投与したほうが空咳の強度および頻度が減少したという報告もあります。

ACE阻害薬は夕食後服用?

一般に血圧には日内変動があるが、早朝の急激な血圧上昇が心筋梗塞や脳梗塞の発症原因の一つであること、高血圧による臓器障害の原因が夜間の不十分な降圧にあることが知られている。

また逆に、降圧剤で夜間血圧を下げ過ぎると心血管疾患の発症頻度が増加する。

このことから降圧治療では、患者個々の血圧の日内変動パターンを考慮し、降圧剤の選択や投与時期の設定をすることで、24時間血圧を安定させることが重要だと考えられるようになっている。

副作用防止の観点からは、投与時期を朝から夜に変更することで、1日1回投与型のACE阻害剤の空咳の副作用を軽減できる可能性が示唆されている。

マレイン酸エナラプリル(レニベース)の服用中に空咳の副作用を訴えた24人の患者で、投与時期を朝食後から夕食後に変更した研究では、3人に空咳が完全に消失し、17人で症状が軽減したと報告されている。

投与時期の変更により空咳が軽減される機序の詳細は不明だが、ACE阻害剤を夜に投与すると、朝に投与した場合よりも、空咳の原因となるブラジキニンの血中濃度の上昇が低いことが確認されている。

なおACE阻害剤では、夕食後に服用した場合にも、夜間血圧の過度な降下は起こりにくいとされる。

β遮断薬で咳?

この薬は、気管支を広げる神経(交感神経)を抑える作用もあるため、呼吸困難や咳が表れることがあります。

ACE阻害薬で空咳?

服用患者の20~30%に見られるため、薬剤交付時に必ず説明する。
最も多い副作用は、空咳と呼ばれる痰の絡まない咳です。

薬の作用によって気管支を収縮する物質(ブラジキニン、サブスタンスP、エンケファリンなど)が増えるため、咳が表れると考えられています。
命にかかわることはなく、薬を中止すれば元に戻りますが、ひどく表れる、また気になる場合には必ずご相談ください。

ブラジキニンと冠動脈疾患

ブラジキニンはACEによって分解されますから、ACE阻害薬を服用するとブラジキニンの代謝が抑制されます。
ブラジキニンが蓄積すると、血管内皮のB2受容体を介して、NOとプロスタサイクリン、EDHFという血管拡張作用の強いペプチドを放出します。

ブラジキニンが非常にいい方向に働くのです。
ブラジキニンは血管保護に働くのですが、特に冠動脈の太い部位での調節はブラジキニンが重要です。

ACE阻害薬はブラジキニンを蓄積できるという点で冠動脈疾患には合っている薬剤なのかも知れません。
ARBでもブラジキニンが上がるという報告はありますけれども、程度的にはそれほど強くないし、ARBの臨床的なメリットはブラジキニンに求めるよりは、やはりアンジオテンシンⅡのⅠ型受容体をブロックすることだと思います。

したがって、組織のブラジキニンを蓄積できるという特性は、現行の血圧の薬の中ではACE阻害薬だけと考えてよいでしょう。

ACE阻害薬で肺炎予防?

ブラジキニンというペプチドは咳だけでなく咽頭反射を良くする、そのことによって誤嚥を起こしにくいということが言われています。

ただこれは、サブスタンスPも関係しているだろうと言われています。

サブスタンスPやブラジキニンによって咽頭反射、嚥下反射が大変良くなってくるために、特に高齢者の誤嚥を繰り返している人は、予防的にACE阻害薬を飲むことが推奨されています。

誤嚥性肺炎を発症する際、見ている前でゴホゴホと誤嚥をするということは少なく、不顕性誤嚥といって、特に夜寝ているときに誤嚥を継続し発症するそうです。

すなわち不顕性誤嚥が治っていないので繰り返す。

根本治療ができていないので、抗生剤の問題ではない。

現行で不顕性誤嚥を抑えることができる唯一の薬がACE阻害薬とのこと。

ARBには認めないACE阻害薬独特の特徴として、誤嚥性肺炎の予防効果がある。
これは咳に伴った2次的なものでなく、サブスタンスPなどを介した嚥下反射そのものの改善効果であり、咳が出なくても予防効果は期待できる。
超高齢社会になった日本の高血圧治療で、降圧とは独立した生命予後の改善が期待できる。

ACE阻害薬の咳は長くは続かない?

ACE阻害薬の咳は、たとえ出ても継続投与すると8〜9割の人が完全消失します。
ACE阻害薬の咳は飲み始めに多く、飲み始めてから半年以降に咳が出るという人はまれです。

飲み始めの数週間、1〜2ヶ月が多い。
患者さんに必ず教えておくことは、「この薬は何%かの患者さんでは咳が出ますよ」ということです。

ただし、咳が出ても2〜3ヶ月頑張ってもらうと8〜9割の人が完全消失します。
1〜2回の咳で投与を中止するというのは、考え直すことも必要でしょう。

ですから患者さんに「確かに出ますよ」ということは言う必要がありますが、「出るけれども、2〜3ヶ月我慢すると完全に治りますよ。それでもだめなときは考えましょう」という説明です。

アミールSで咳が出る?

血圧が高めの方向けのトクホ、「アミールS」の使用上の注意には以下のように書かれている。

※ 体質によりまれにせきがでることがあります。その際は医師にご相談ください。
※ 高血圧症の治療を受けている方、妊娠中又は妊娠している可能性のある方、及び腎機能が低下している方は、医師とご相談の上、飲用してください。

アミールSの成分ラクトトリペプチドの降圧作用は、ACE(アンジオテンシン交換酵素)阻害作用によるもの。
ということで、ACE阻害薬の副作用である空咳が出る可能性もあるのでしょう。

禁忌とはなっていませんが、妊婦は服用を避けたほうが良いでしょう。

参考書籍:調剤と情報2007.7、クレデンシャル2011.4、日経DI2003.3

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