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クローン病にペンタサの粉砕?
公開. 更新. 投稿者:潰瘍性大腸炎/クローン病. タグ:粉砕, ペンタサ, クローン病. 閲覧数:2189回
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クローン病にペンタサを粉砕?
ペンタサは小腸・大腸で薬効成分が放出されるよう製剤設計されています。
したがって錠剤で服用すると、上部消化管の粘膜にはほとんど接触しないと考えられます。
そこで、錠剤を粉砕、という指示をする医師がいます。
ペンタサ最大用量の12錠のうち3錠を粉砕し、9錠は錠剤のままというような処方です。
小腸・大腸の病変に9錠分、十二指腸の病変に3錠分が接触しやすいよう、剤形を変えるというわけです。
粉砕する錠数を変えれば、別の部位の病変にも対応できます。
コップの水に錠剤を溶かし、口内をすすいでから飲み込むと、クローン病患者の口内炎の治療にも有効とのこと。
ちなみに、添付文書上では、
服用時:本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
となっており、半割は割線がついているので可能ですが、粉砕は不可。
疑義照会します。
ペンタサ顆粒という製剤もあるので、上記のようなペンタサ錠の粉砕指示が来たら、「ペンタサ顆粒への変更は可能か?」と問い合わせますが、ペンタサ顆粒も「服用時:本剤は放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。」とのことなので、処方意図を考えるとペンタサ錠の粉砕になるんだろうな。
自家製剤加算は算定できないけど。
ペンタサ顆粒94%
ペンタサに顆粒剤が追加されるようだ。
キョーリン製薬ホールディングスは8月17日、子会社の杏林製薬が潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬ペンタサ顆粒94%(一般名:メサラジン)の承認を同日に取得したと発表した。錠剤が飲みにくい場合や、1回服薬錠数が多くなる場合に服用しやすくする狙いで開発された。1回の錠数が多い患者の場合、今回承認された顆粒剤では、1回用量をワンスティック(メサラジンとして最高2000mgまで)で服用することができるという。杏林製薬 潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬ペンタサに顆粒剤 承認取得 薬食審・薬価収載 国内ニュース ニュース ミクスOnline
ペンタサ錠は粉砕できないので、これは助かりますねえ。
ペンタサ錠は活性本体の5-アミノサリチル酸(5-ASA)をエチルセルロースの多孔性被膜でコーティングし、小腸から大腸の全域にわたって放出するよう製剤設計された放出調節製剤(Controlled-release formulation)ですので、粉砕すると、この放出調節機能が失われてしまうため、粉砕投与はお勧めできません。
錠剤が大きくて飲み込めない場合は、割線で割って服用するか、錠剤を水または微温湯に漬けると、すぐに崩壊しますので、崩壊した溶液を懸濁状態にして服用する方法もあります。(用時調製)キョーリン製薬HP
簡易懸濁法なら可能です。
でも、面倒なので、顆粒剤があると助かります。
・・・
気づきました、すでに存在していたようです、メサラジンの顆粒剤。
メサラジン顆粒50%「AKP」
2010年最優秀ジェネリック医薬品賞授賞じゃねーか。
しかし、50%と94%なので、同一ではない。
てゆーか、94%て。
分包品しか出ないようなので、計算して計るようなことはあまり無さそうですが。
しかし、分包してはいけないという記載は添付文書に見られないし、小児に処方するときは計量することになりそう。換算表使わないと調剤できないじゃねーか。
多少余計なもの入れてでも90%にしたほうが計算しやすいんじゃないのか。
ところでこのペンタサ顆粒94%というのは先発医薬品になるのでしょうか、詳しい方がいたらご教授を。
ペンタサ顆粒の処方と薬価
ペンタサ顆粒 4g
という処方せんを見たときに、どういう入力をすればよいか。
ペンタサ顆粒は、1.06g中に1gのメサラジンが含有されています。
そのため、成分量なのか製剤量なのか、曖昧。
ペンタサ顆粒にバラ包装は無く、分包品しか無い。
250mg含有、500mg含有、1,000mg含有、2,000mg含有と4種類の分包品である。
そのため、恐らく「4g」という処方は成分量だと思われる。でも違うかも知れない。とにかく疑義照会は必要だろう。
入力時に4gとそのまま入力した場合、製剤量として入力されてしまう。
4gが成分量である場合は、4.24gと入力しなければならないわけだ。
ちょっと混乱。
クローン病(CD)
消化管の慢性炎症性疾患の1つ。
遺伝的素因に環境因子が関与し、腸管免疫の過剰応答が生じて、発症、増悪すると考えられているが、本質的な病因は明らかになっていない。
口腔から肛門まで消化管のどの部分にも病変を生じ得るが、小腸、大腸(特に回盲部)、肛門周囲に好発する。
好発年齢は10代後半から20代で、男女比は2対1。腹痛、下痢、血便、発熱、肛門周囲症状、体重減少などの症状を呈し、寛解と再燃を繰り返して持続するため、QOLが低下し、社会生活が損なわれることも少なくない。
厚生労働省の定める指定難病の1つ。
現時点では根治療法はなく、治療目標は、炎症反応の抑制、組織の治癒、症状の軽減とされる。
・病変は口腔から肛門までの全消化管に及ぶ(小腸から大腸〔特に回腸末端部〕、肛門周囲に好発)
・非連続性の病変(縦走潰瘍、敷石像など)
・消化管壁全層に及ぶ炎症
・栄養障害に陥りやすい
・再燃を繰り返す経過中に狭窄や瘻孔*4、腸閉塞などの腸管合併症をきたす
・主病変(縦走潰瘍、敷石像、狭窄)の存在部位により、大きく〔小腸型〕、〔大腸型〕、〔小腸大腸型〕に分類される
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コメント
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コメントありがとうございます。
ちょっと考えることがあったので、本文に追記します。
質問ありがとうございます。
yakuzaic:2016/2/29
ペンタサ錠500mg 8錠飲んでいるのですが 薬価98.4円
ペンタサ顆粒94% に変更したときメサラジン500mg含有の分包 4分包(1g/1分包)で宜しいのでしょうか、
又 薬価1g=164.90円
という事でしょうか宜しくお願いいたします。
高橋雅夫:2016/2/24