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吸入剤はうまく吸えているか?
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約4分49秒で読めます.
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吸入手技は問題ないか?
お子さんが喘息の吸入剤を使っていて、お母さんから見て吸入がうまくできているかどうかわからない、と言われることがあります。
フルタイドディスカスならディスカストレーナー、パルミコートタービュヘイラーならタービュテスターと、吸えるかどうかを判断する器具があるので、それで練習してみるというのも一つの方法です。
吸った感じがしない?
パルミコートやアドエアのような吸入剤は吸った感じがしないといいます。
エアー剤だとアルコール臭がしたり、昔のロタディスクだと乳糖の甘味を感じたり、ということで吸っている感覚がありました。
吸った感じがしないので、本当に薬が出ているのか、と疑いたくなります。
そんな人のために、吸入確認用ハンカチや、タービュテスターという吸ったら笛が鳴る練習用の吸入器などがあります。
吸うのと間違って吐く?
実際にあった吸入方法の間違い
・「吸入」すべきところで、「吐いて」いた。
・吸入器をくわえたままで「吸う、吐く」を繰り返していた。
・「すっ」「すっ」「すっ」と、短く浅く、吸入を繰り返していた。
息を吸うことができずに、息を吐いてしまう。
大人になると考えもつかないことですが、小さい子ではそういうこともあるらしい。
イナビルが処方された際には、なるべく窓口でその場で使ってもらって指導します。
しかし、まだ5歳くらいの子供に処方されているときに失敗するケースが多い。
うまく吸いこめない、吸いこむのと間違えて吐く、など。
薬剤師の目の前で吸入するのが、緊張するのかも知れない。
1回目を失敗すると、2回目も気が動転して失敗する。
失敗されると、イナビルの1度の吸入で済むというメリットもデメリットに変わってしまう。
窓口で練習させてあげられればまだいいですが、インフルエンザの患者本人が窓口に来られないこともあり、保護者に口頭で説明する形だと自宅で失敗しているケースもある。
吸入剤の息止め
吸入剤を吸入した後、すぐに息を吐いてしまうと、薬がそのまま息とともに出て行ってしまうので、軽く息止めが必要です。
この「息止め」が出来ていない患者が多い。
フルタイドエアゾール、アドエアエアゾール、キュバール、オルベスコなどのエアゾール剤では、5~10秒間息止め。
フルタイドロタディスク、フルタイドディスカス、アドエアディスカスなどのドライパウダー製剤では、数秒間息止め。
しかし、パルミコート、シムビコート、アズマネックスでは、粒子径が非常に小さく肺に届きやすいため、吸入後の息止めの必要はないらしい。
吸入剤は息を吹いてから
吸入剤、と聞くと吸うことばかりを考える。
息を吐くことが大切。
吸入口に口をつける前に、深く息を吐くのがポイント。
それを守れば、吸うのと間違えて吐く、ということもなくなる。
大人でも、普段の呼吸から大きく吸うだけの場合の呼気量と、深く吐いてから大きく吸う場合の呼気量では、かなり差がある。
吸入指導をする際に「吸入するときには、息を大きくゆっくり吸ってごらん」と言っても幼児には難しいので、マスク付きのスペーサーの場合など「フーッと、吹いてごらん」と言います。
息を吹き出せば苦しくなって必ず吸いますし、実際、吹くほうが理解しやすいようです。
高齢者は吸入剤を使えているか?
65歳を過ぎると、吸入ステロイド薬のコンプライアンスは有意に低下します。
その原因としては、加齢に伴う認知度の低下、関節の拘縮などによって吸入デバイスが上手に操作できないなどの要因が考えられます。
また、若年者と比べて高齢者では吸入による副作用である嗄声の頻度が高いのも、コンプライアンス低下の要因と考えられます。
ディスカスは高齢者向け
ディスカスは、小児や高齢者のような吸気速度の低い患者でも正確に吸入できます。
ディスカスからのドライパウダーの放出率は、吸気速度(吸い込む速度)30~90L/分においてほぼ一定です。
3~11歳の小児喘息患者129例でもほとんどの患者が30L/分の吸気速度があり、ディスカスでの吸入に十分な吸気速度がありました。
タービュヘイラーは高齢者に向かない?
ドライパウダー定量噴霧器(DPI)は一定量以上の吸入速度が必要であるため、患者ごとに吸気流量を測定(インチェック)することが勧められる。
ブデソニド(BUD、パルミコート)は吸気抵抗が強くかかる内部構造のため、臨床使用時には35~60L/min程度の吸入速度が必要になる。
ただし、プロピオン酸フルチカゾン(FP、フルタイド)のディスカスは30L/minの吸入速度でも十分な薬物放出量を保ち、毎回の吸入操作時にも定量的な薬物送達が可能である。
薬剤粒子径は、小さいほどより末梢気道・肺胞まで到達する。
シクレソニド(CIC、オルベスコ)とベクロメタゾン(BDP、キュバール)は粒子径が小さく(それぞれ0.9μm、1.1μm)肺胞まで届く大きさであり、肺内到達率はそれぞれ52%、55~60%と高いことが特徴である。
フルタイドディスカス(FP-DPI)は約5μmと大きいため中気管支程度までしか到達しないが、フルタイドエアー(FP-HFA)では約2.8μmと小さく細気管支まで到達するため臨床効果に差があると考えられる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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