記事
腎臓病で低ナトリウム血症?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約3分50秒で読めます.
6,280 ビュー. カテゴリ:腎臓病とミネラルの関係は?
基本的に腎臓の機能が落ちると、尿からのミネラル排泄が滞り、高ミネラル血症になる。
高カリウム血症、高リン血症、高マグネシウム血症など。
と、思っていた。
しかし、カルシウムとナトリウムはそう単純ではなさそうだ。
腎臓病とカルシウムの関係は?
腎臓病になると、低カルシウム血症になる。
腎臓にはビタミンDを活性型にするという役割があるので、腎臓の機能が低下するとビタミンDの働きが阻害され、カルシウムが食事によって体内に吸収されず、血液中のカルシウム濃度が低下するという。
そのため、腎臓病の患者にはカルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤が処方される。
しかし、人間の体はうまくできているもので、血液中のカルシウム濃度が低下すると、それを補うために骨からカルシウムを溶け出させて調節しようとする。それで骨粗鬆症になる。
それで今度は逆に高カルシウム血症になったりもします。
高カルシウム血症には副甲状腺ホルモンが関与しており、副甲状腺ホルモンの分泌を阻害するレグパラが使われる。
カルシウムを多く含む食品は、乳製品や魚介類など。
腎臓病とナトリウムの関係は?
腎臓病と高血圧は関係が深い。
腎機能が落ちるとナトリウムの排泄が落ちて、高ナトリウム血症、すなわち高血圧になる。
と思っていた。
腎臓病では食塩摂取制限も厳しく行われるし。
しかし、腎臓病では低ナトリウム血症になりやすいのだという。
腎機能が落ちると尿細管でナトリウムが再吸収されずにその多くが尿中に排泄される為、尿中ナトリウム排泄量が増加します。
また体内の水分は貯留する傾向となり、血液中のナトリウムは希釈されます。
ナトリウムを積極的に摂る必要があるかというと、そんな必要は無いようですが、あまり制限しすぎると低ナトリウム血症になる危険性もあるので、ほどほどに摂取しなければならないようです。
低ナトリウム血症になるってことは血圧は下がるのかと思いきや、そもそも高血圧=高ナトリウム血症という考えが間違っていたようで。
経管栄養ではNa負荷を少なくしており、逆に水が多くなる結果、やはり水過剰すなわち、低Na血症へと傾くことが多くなります。この場合にはむしろ水分の投与量を減少させることのほうがNa(食塩)を負荷するよりも低Na血症を防ぐには有効な方法であると考えられます。すなわち血中のNa濃度は水分に対する割合で決定されますから、容量には直接反映しません。したがって低Na血症であるからといって、決して血圧が低くなることはありません。逆に高Na血症は水分が不足している状態であって、決してNaが過剰な状態ではないので高血圧となることはありません。低ナトリウム血症と高血圧 パリエット www.pariet.jp
高ナトリウム血症はナトリウムが過剰な状態ではない。
人間の体って難しいなあ。
高血圧治療でナトリウムを排泄させる利尿剤が必ずしも効果的では無く、食塩感受性高血圧とそうではない高血圧も存在するわけで、食塩(ナトリウム)の過剰摂取=高血圧という短絡的なものでもなくて。
ナトリウムと高血圧を絡めると難しい。
ナトリウムを多く含む食品は、加工食品やインスタント食品など。
腎臓病とリンの関係は?
腎機能が落ちると、リンの排泄が滞り、高リン血症に陥る。
フォスブロックやリオナなどの高リン血症治療薬は透析患者の薬として定番です。
リンの多い食べ物は、魚類、牛乳、乳製品、大豆、肉類など。
腎臓病とカリウムの関係は?
腎機能が落ちると、カリウムの排泄が滞り、高カリウム血症に陥る。
アーガメイトやカリメートなどの高カリウム血症治療薬が使われます。
カリウムの多い食べ物は、 野菜や果物、豆類など。
腎機能とミネラルはホメオスターシス(恒常性)が働き、ミネラルバランスが崩れればフィードバックが働き体内での調整が行われるため、薬による微調整が必要となる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。