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緑内障にステロイドは禁忌?
公開. 更新. 投稿者:緑内障/白内障.この記事は約1分30秒で読めます.
11,691 ビュー. カテゴリ:ステロイド点眼薬は緑内障に禁忌?
ステロイドで眼圧が上がる?
ステロイド緑内障という副作用もあるので、「緑内障にステロイドは禁忌」と思っている人もいるが、フルメトロンなどのステロイド点眼薬は緑内障に禁忌というわけではない。プレドニンなどの内服薬も禁忌ではない。
緑内障患者にフルメトロンなどのステロイド点眼薬が処方されることもたまに見られる。
漫然と使い続けるのはよくないが、症状のひどいときだけ使うこともある。
花粉症のシーズン、ステロイド点眼薬は効果が高く安価であることなどから、内科や耳鼻咽喉科で処方されることが多い。
ただし眼圧上昇という重大な副作用があることは事実である。
ステロイド点眼薬による眼圧上昇には個人差があるが、35%で6mmHg以上の上昇を認めるという。
眼圧の正常値は10~21mmHgで21mmHg以上になると緑内障と診断される。6mmHgの上昇となると、視神経が圧迫されてダメージを受け、ステロイド緑内障を発症する危険性がある。
40歳以上の約5%が緑内障と推定されており、そういう患者にステロイド点眼薬を投与した場合、視野の欠損が進行してしまう。
以上のことから、ステロイド点眼薬の投与は慎重にすべきであり、花粉症などで抗アレルギー点眼薬と抗ヒスタミン点眼薬では症状コントロールが困難な患者は、眼科専門医による診療が適切であると考えられる。
ステロイド点眼薬
点眼薬として頻用されるのはベタメタゾン(リンデロン)とフロオロメトロン(フルメトロン)である。
それぞれに濃度が2種類ある。
リンデロンのほうが眼内移行性はよく、前房内まで到達する。
フルメトロンは抗炎症作用が眼表面にとどまるため、病状に応じて使い分ける。
ステロイド薬に反応して眼圧が上昇し、緑内障に至ることがあるためステロイド薬を用いる際は必ず眼圧をチェックする。
角膜真菌症や緑膿菌感染症の誘発、白内障の進行、創傷治癒の遅延が起こる可能性がある。角膜潰瘍やウイルス性角膜・結膜疾患、真菌感染症などが疑われる場合には禁忌である。
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3 件のコメント
質問させていただきます。
脊柱管狭窄症で手術を考えているのですが、ステロイドが使われそうです。
私は開放隅角緑内障(切開手術済)なのですが、やはり避けなければいけないでしょうか。
ご教示頂ければ幸いです。
コメントありがとうございます。
例えばプレドニンのようなステロイドは添付文書上緑内障に禁忌にはなっていません。
使用上の注意に「眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがある。」と記載されていますが、記事中に書いてあるとおり、反応しない患者であれば問題ないので、それほど心配する必要はないかと思います。使用後に様子を見て眼圧が上がってしまえば減量・中止などの対応が取られるかと思います。
手術自体による緑内障発作などのリスクもあるので、術後の経過には注意したほうがよいでしょう。
早速のご教示、有難うございます。
以前 緑内障の目薬と一緒にステロイド系のサンペタゾンを処方されたことがあり、疑問を感じていましたが、私の場合は使えるというドクターの判断だったのですね。しかし、眼圧上昇には注意を深くしたいと思います。有難うございました。