2024年4月29日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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結核患者が薬を飲むのを毎日見守る?

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DOTS

結核の治療では、最短でも6ヶ月間にわたる服薬が必要です。
しかし、ある程度症状が治まってくると飲み忘れ、あるいは服薬を自己中断してしまうケースがあります。

それを防ぐ為に、WHO(世界保健機関)では、DOTS戦略(Directly Observed Treatment, Short-course:直接服薬確認による短期化学療法を基本とした治療戦略)を世界的に推進しています。

日本でも感染症法第53条で、保健所の保健師等による「家庭訪問指導」、患者を診療した「医師の指示」を定めています。

第五十三条の十四  保健所長は、結核登録票に登録されている者について、結核の予防又は医療上必要があると認めるときは、保健師又はその他の職員をして、その者の家庭を訪問させ、処方された薬剤を確実に服用することその他必要な指導を行わせるものとする。

第五十三条の十五  医師は、結核患者を診療したときは、本人又はその保護者若しくは現にその患者を看護する者に対して、処方した薬剤を確実に服用することその他厚生労働省令で定める患者の治療に必要な事項及び消毒その他厚生労働省令で定める感染の防止に必要な事項を指示しなければならない。

毎日服薬を誰かが確認しなくちゃいけない、ってのは大変だなあ、と思っていましたが、コンプライアンスの程度によって様々な方法があるようです。

いろんなDOTS

まず、入院したら「院内DOTS」が始まります。医師や看護師が見守ります。
退院後から行われるDOTSを「地域DOTS」と言い、患者は3つにグループ分けされます。

治療を中断するリスクが高い患者は、「外来DOTS」が行われます。これは、患者が毎日病院や保健所へ行くように促し、医療従事者の前で薬を服用してもらいます。

保健所DOTSとか、外来DOTSとか呼ばれます。
次に、それほど高いリスクはないが、介護が必要な在宅高齢者など、支援の必要がある場合は、「訪問DOTS」が選ばれます。
保健師などが週1~2回自宅を訪問して、服薬の確認を行ったり指導をしたりします。

これ以外にも「連絡確認DOTS」があり、月1~2回以上、電話や家庭訪問、手紙、メール等によって、本人に服薬状況を確認します。また、薬剤師が行う「薬局DOTS」が行われている地域DOTSもあります。
外国人の患者に対しては、日本語学校の講師に協力してもらう「学校DOTS」というのもあります。

患者さんによっては、この見守りを、子供扱いしている、信用されていない、と感じる人も。
確かに。
信用してないといえば、信用してない。
もし自分が結核に罹って、DOTSされたら、やっぱりウザイかな。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
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