クラビットは抗結核薬？

結核医療の基準

皆さんご存知の通り、結核と診断された方には、結核治療費の一部を公費で負担する制度があります。

厚生労働省が示した「結核医療の基準」に沿って実施された治療は、公費負担の対象となり、患者は最終的な自己負担が医療費総額の５％になるように医療費助成を受けられる。

結核医療の基準

２　薬剤の種類及び使用方法
(１)　抗結核薬
ア　抗結核薬の種類は、次に掲げるとおりとする。
(ア)　INH　イソニアジド
(イ)　RFP　リファンピシン(又はRBT　リファブチン)
(ウ)　PZA　ピラジナミド
(エ)　SM　硫酸ストレプトマイシン
(オ)　EB　エタンブトール
(カ)　LVFX　レボフロキサシン
(キ)　KM　硫酸カナマイシン
(ク)　TH　エチオナミド
(ケ)　EVM　硫酸エンビオマイシン
(コ)　PAS　パラアミノサリチル酸
(サ)　CS　サイクロセリン
(シ)　DLM　デラマニド
(ス)　BDQ　ベダキリン
イ　抗結核薬の選定における留意事項は、次に掲げるとおりとする。
(ア)　RBTは、重篤な副作用又は薬剤の相互作用のためRFPを使用できない場合に、RFPに代えて使用する。ただし、患者の結核菌がRFPに対して耐性を有する場合には、当該結核菌はRBTに対しても耐性を有することが多いため、ほかに使用できる抗結核薬がない場合に限り、十分な検討を経た上で、これを使用する。
(イ)　SM、KM及びEVMは、これらのうち2剤以上を併用して使用してはならない。
(ウ)　KMとEVMとの間には交叉耐性があるが、その発現特性から、原則としてEVMの使用前にKMを使用する。
(エ)　DLM及びBDQは、患者の結核菌がINH及びRFPに対して耐性を有する場合に限って使用する。DLM又はBDQ以外の3剤以上と併用して、これを使用することを原則とする。ただし、外科的療法を実施する場合には、DLM又はBDQ以外の1剤又は2剤と併用して、これを使用することができる。
また、DLM又はBDQ以外の3剤以上と併用することができないことを理由として、DLM又はBDQ以外の1剤又は2剤と併用することを検討する際には、薬剤に対して耐性を有する結核菌の発現の防止と結核の治療効果の両面から慎重な検討を要する。
ウ　抗結核薬の使用に当たっては、副作用の発現に十分注意し、患者の年齢、体重等の条件を考慮して、適切な種類及び使用方法を決定する。ただし、副作用の発現を理由として抗結核薬の種類の変更を検討する際には、副作用の程度と結核の治療効果の両面から慎重な検討を要する。
(２)　副腎皮質ホルモン剤
結核性髄膜炎、結核性心膜炎等の場合には、抗結核薬と併用して副腎皮質ホルモン剤を使用する。

デラマニド（デルティバ）やベダキリン（サチュロ）なんかの新しい薬も入っている。
レボフロキサシンは、16年1月に公費負担の対象薬剤に追加された。

日本結核病学会「結核診療ガイドライン（改訂第3版）」（２０１５）では、最も強力な抗菌力を持つ抗結核薬として、リファンピシン（リファジン）、イソニアジド、ピラジナミド（ピラマイド）を、また、これら3剤との併用で効果が期待される抗結核薬として、ストレプトマイシン硫酸塩（硫酸ストレプトマイシン）、エタンブトール塩酸塩（エサンブトール、エブトール）を挙げ、これら5剤を一次抗結核薬としている。
また二次抗結核薬として、レボフロキサシン水和物（クラビット）、エチオナミド（ツベルミン）などを提示している。

副作用を抑えるための薬剤については、公費負担の対象外である。
例えば、ビタミンB６や抗アレルギー薬など。
処方入力が面倒臭そうだ。