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炭酸リチウムがバセドウ病に効く?
公開. 更新. 投稿者:甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症.この記事は約2分8秒で読めます.
1,555 ビュー. カテゴリ:炭酸リチウムと甲状腺機能低下症
炭酸リチウムで甲状腺機能が低下する?
甲状腺機能亢進症に適応外で炭酸リチウムが使われることがあるそうな。
バセドウ病治療ガイドライン2019のQ&A「炭酸リチウムの適応は?」の回答に、
国内では炭酸リチウムのバセドウ病に対する保険適用はないが、海外では抗甲状腺薬で重篤な副作用が発現した際の代替薬として,また 131I内用療法時の併用薬として炭酸リチウムの有用性が報告されている。
リーマス(炭酸リチウム)の添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」に、「甲状腺機能亢進又は低下症の患者」が挙げられており、「甲状腺機能低下を起こすおそれがあるため、甲状腺機能亢進症の診断を誤らせる可能性がある。また、甲状腺機能低下症を増悪させるおそれがある。」とある。
炭酸リチウムが甲状腺機能を低下させる。
そのため、バセドウ病にヨウ化化カリウムを使うように炭酸リチウムが用いられることがある。
ただバセドウ病の診断を遅らせる可能性があるので、躁うつ病などでリーマスを使っている患者は注意する必要がある。
重篤副作用疾患別対応マニュアルの「甲状腺機能低下症」には、「炭酸リチウムは甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンの合成と分泌を減少させる。また 1 型脱ヨウ素酵素(5’DI)の活性を低下させ末梢での T4→T3 変換効率を減弱させる。」とある。
気をつけよう。
バセドウ病にワーファリン?
バセドウ病では心房細動合併例が多く(2%前後)、血栓塞栓症のリスクが高い場合、ワルファリンを投与する必要がある。
甲状腺機能が正常になってからは3ヶ月以内に、自然に洞調律となる症例が75%認められる。その間の基本的治療は、脈拍のコントロールになる。
しかし、高血圧症や弁膜症、糖尿病などを合併し、血栓塞栓症のリスクが高く抗凝固治療の必要な場合、ワルファリンを開始する。
甲状腺機能亢進症ではワルファリンの効果が現れやすく、低下症ではいくら薬の量を増量しても効かないことがある。頻回のPT(プロトロンビン時間)(INR)の確認により適切な治療範囲に調節することが大切である。
ワルファリンの効果は甲状腺機能の状態に影響され、甲状腺機能亢進状態では増強し、甲状腺機能低下状態では減弱します。
そのため、甲状腺機能低下症患者がワルファリンと甲状腺ホルモン剤を併用する場合、甲状腺機能が正常化すると血液凝固能が低下し、見かけ上ワルファリンの効果が増強して出血リスクが高まることがあります。
甲状腺ホルモン剤がビタミンK依存性血液凝固因子の異化を亢進するためです。
ワルファリンと甲状腺ホルモン剤を併用する場合は、甲状腺機能の変動とPT-INRを注意深くモニターしながらワルファリンの投与量を調節することが必要です。
特に高齢者へのワルファリン投与は出血リスクが高いことから、よりいっそう慎重に投与することが求められます。
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