記事
めまいにヒスタミンが効く?
公開. 投稿者:めまい/難聴/嘔吐.この記事は約2分43秒で読めます.
1,136 ビュー. カテゴリ:めまいとヒスタミン
抗めまい薬として使われる薬には以下のようなものがある。
分類 | 商品名 | 一般名 |
---|---|---|
交感神経刺激薬 | イソメニール | dl-イソプレナリン塩酸塩 |
抗ヒスタミン薬 | トラベルミン | ジフェンヒドラミンサリチル酸、ジプロフィリン |
脳血管拡張薬 | メリスロン | ベタヒスチンメシル酸塩 |
セファドール | ジフェニドール塩酸塩 | |
脳循環代謝改善薬 | アデホス | アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物 |
セロクラール | イフェンプロジル酒石酸塩 | |
ケタス | イブジラスト |
めまいの原因は何か?
脳梗塞や低血圧など循環器系の異常が原因のものもあるが、メニエール病や良性発作性頭位めまい症といった耳が原因のものも多い。人間は内耳で平衡感覚を保っている。三半規管という場所ですね。
また、原因がわからないものも多い。更年期障害や自律神経失調症と診断されるけど、結局「わからない」ということだ。
治療薬として、脳や耳の血流を改善するような薬が処方されたりする。1週間くらいしてめまいが治まった人が「薬が効いた」と思うかも知れないが、大半は時間が経って治まっただけだろう。
プラセボかも知れない。プラセボだっていい。症状が治まれば。
薬剤師はプラセボを最大限発揮させるために、説明しなければならない。
ということで、気になる2つの薬。
トラベルミンとメリスロンの関係。
トラベルミンは配合剤であるが抗ヒスタミン薬が主な薬効。メリスロンはベタヒスチン(beta-histine)という名前からも連想できるが、ヒスタミンと似た成分である。
めまいに対するヒスタミンの投与は、1939 年Hortonらが血管性頭痛に有効であった経験をヒントに、めまいに対して投与したのに始まり、米国において盛んに用いられていました。
しかし、ヒスタミンは腸内のヒスタミナーゼにより分解されるため、内服では全く無効でした。
その後、研究開発が進められ、内服でも分解されないベタヒスチンが開発されました。
ヒスタミンはH1受容体に作用して嘔吐中枢や前庭器に作用するのでH1受容体を拮抗させると嘔気やめまいは軽減する、という認識なのだが、めまいにヒスタミンが効くとはこれいかに?
チーズとかワインに含まれるヒスタミン、チラミンは血管を拡張して頭痛を起こすと考えられるが、ヒスタミンが血管性頭痛に有効であったという点からしてよくわからない。
しかし、抗ヒスタミン薬による副作用でめまいを起こすことを考えると、ヒスタミンのほうがめまいに効きそうな気もする。
結局、ベタヒスチンの作用機序も不明なのでわからない。めまいの原因も様々なので、血流をよくすれば改善するのかどうかも定かでないが、一般的に「めまい、ふらつき」を起こす誘引は脳貧血のイメージが強いので、抗めまい薬=血流改善作用を説明するのがよいのだろう。
![](https://yakuzaic.com/wp/wp-content/uploads/薬悩むうさぎ.png)
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
![](https://yakuzaic.com/wp/wp-content/uploads/薬先生いいね.png)
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。