記事
体重が増えていたら受診すべきか?
公開. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分34秒で読めます.
1,047 ビュー. カテゴリ:体重が増える薬
糖尿病治療薬には体重を増やす系の薬と体重を減らす系の薬がある。
チアゾリジン薬のアクトスには、浮腫(むくみ)の副作用があり、水分貯留による体重増加がみられるため、気をつける必要がある。
浮腫は比較的女性に多く報告されており、男性と女性を比べると女性のほうが日々の体重を気にしている患者が多く、「体重が増えたんだけど」という問い合わせは女性からのほうが多い。
アクトスの添付文書には、
循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導すること。
という記載もみられ、薬剤情報提供文書に急激な体重増加時に相談するよう指示されていることが多いので、医療機関を受診すべきかという相談も多い。
夏場は熱中症予防のため、多く水分を摂取していることもあったり、メトホルミンを飲んでいる人は乳酸アシドーシス予防のため水分摂取、SGLT2阻害薬を飲んでいる人は利尿のための水分摂取を行っているため、水分摂りすぎ状態の人もいる。
また、SGLT2阻害薬は体重減少効果があるが、それらの薬の投与中止によっても体重増加してしまう。
ピオグリタゾンを飲んでいて、体重が増えて、むくみが見られた場合、「受診してください」と医師に判断を任せるのは簡単である。
しかし、すぐに受診すべきなのか、次回の予定日まで待ってもいいのかという判断は慎重にすべきである。
アクトスでは緊急安全性情報も出ているので、「急激な水分貯留による心不全」には注意を要するが、症例をみると、もともと心不全や狭心症などの心臓病を患っている患者である。
体重増加、むくみだけでなく、息切れ、動悸、だるさなど総合的に判断して受診勧奨すべきである。
数日で体重2~3kgの増加があると気になるが、1日の体重変動でも0.5~2kgくらいの変動は健常者でもある。
「以前より体重が増えた」という患者の言葉だけでは、感覚的な印象も否めないので、測定時間帯や体重を記録してもらって医師に見せるよう指導したい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。