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口唇ヘルペスにアメナリーフ1回分?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約2分56秒で読めます.
2,341 ビュー. カテゴリ:ヘルペスのPIT処方
アメナリーフ1回6錠の頓服が処方されたけどいいの?
アメナリーフに、2023年2月、再発性単純疱疹の適応が追加された。
〈再発性の単純疱疹〉
通常、成人にはアメナメビルとして1200mgを食後に単回経口投与する。
単回経口投与なので、アメナリーフ錠200㎎を6錠一気飲みである。
これをPIT(Paitient Initiated Therapy:患者の判断で始められる治療)と呼ぶ。初期症状を自覚したタイミングで患者の判断で服用できるわけだ。
バルトレックスにPIT処方は認められていませんが、ファムビルにはすでにPIT処方が認められている。
アメナリーフは1回の服用で済むが、ファムビルの場合は2回服用が必要。
アメナリーフに比べ、ファムビルは薬価が安いので安く済む。
次回の再発に備えて、予め処方されることもあるようだ。
口唇ヘルペスよりも性器ヘルペスの再発で使われることが多いでしょうか。
婦人科からの処方でアメナリーフの単回処方が見られたら、そういうことです。
ファムビルのPITによる短期間投与
ファムビル錠250㎎ 8錠
1日2回朝夕食後 1日分
なんて処方がきたら疑義照会してしまいそう。
しかし2019年2月に、ファムビルの単純疱疹に対する用法用量が追加され、
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。
と、1回1000㎎を2回飲むという用法が追記されていた。
ファムビルのPITによる短期間投与という。
PITとはPatient Initiated Therapyの略で、患者判断で開始する治療方法となる。
海外では1day treatmentと呼ばれている。
再発性の単純疱疹に対する抗ヘルペスウイルス薬服用は、発病初期に近いほど治療効果が期待できるとされているが、初期症状の時点で医療機関を受診できている患者は少ない。
海外のように初期症状を正確に自覚できる患者をPITで治療できれば、発病初期の治療が可能となり、服薬日数の短縮、服薬アドヒアランスの向上が期待できる。
国内でも初期症状を正確に自覚できる患者は多く、PITによる短期治療は本邦の再発性の単純疱疹の新たな治療選択肢になり得ると考えられた。
つまり、単純ヘルペスの既往歴があって、再発予防のために予防的に患者に処方しておいて、初期症状が出た際に飲んでもらうというやり方。
通常の用法だとファムビル250㎎が15錠必要ですが、PITだと8錠で済むので経済的。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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