2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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病気のときお風呂に入ってもいいか?

薬剤師

風邪ひいた時とか、予防接種打った時にお風呂に入っちゃダメって聞いたことあるけど、どうなの?

風邪とお風呂

風邪のときにお風呂に入れてもいいか?
医者によって入れたほうがいいとか、入れないほうがいいとか答えが違うこともあります。

一般的には長湯しなければ入れても問題ないというのが常識でしょう。
風邪のときは体力が消耗しているので、お風呂でさらに体力を消耗させることのないようにしてください、ということです。

昔は家の外にお風呂があって、そこまでの往復で体力を消耗したり、体を冷やしたりということがあったので、「風邪のときはお風呂に入らないほうがいい」という言い伝えが残ったのだと思われます。

まあ、お風呂なんて2~3日入れなくても問題ないとも思いますが。

水疱瘡とお風呂

お風呂に入っていいかどうか、と聞かれることは多い。
医師から特に指示が無ければ、お風呂に入っていけない病気というのは聞いたことがないので、入っても問題はない。

水痘の時は風呂に入ってはいけないか?

発熱や新しい発疹の増加がなく、元気であれば、風呂に入っても問題ない。
水痘の発疹は汗や汚れでかゆみが増すので、風呂やシャワーでやさしく全身を洗うと、かゆみが軽減し、化膿することも少なくなります。ただし,水ぶくれを破らないように注意する。

入ってもいいけど、兄弟は別々に入ったほうがいいかな。

タオルも共用しないほうがいい。

お風呂のお湯はイチイチ抜かなくていい。

予防接種をした日にお風呂に入れちゃダメ?

以前は、予防接種をした日にお風呂に入れてはいけないと言われていました。
昔は衛生状態も悪く、銭湯が多かったのであらゆる病原菌の感染率が高かったためにそのような指導がされていました。

今では、入浴は注射の後1時間以上経過すれば差し支えないと言われています。

ただ、注射部位をごしごしこする事はやめましょう。

あと発熱した場合の入浴は避けたほうがいい。疲れるから。

とびひのときお風呂はダメ?

とびひのとき、お風呂に入ってはいけない、と誤解している患者さんがいるようです。
医者からも「お風呂には入らないほうがいい」と言われることがある。

それは、湯船に長時間入れるのは避けた方が良いという意味で。
シャワーだけなら問題ない。

湯船に入るのも、短時間なら問題ないでしょう。
本人が傷口が染みて痛ければ入れないほうがいい。

でも、残り湯は捨てたほうが良い。
お風呂に残った細菌が、別の人の傷口から侵入してうつしてしまうかも。
次の日も同じお湯で追い炊きするのももってのほか。

お風呂に入るときの注意事項

とびひの予防や治療では、皮膚を清潔にすることが大切です。
特にアトピー性皮膚炎の患者さんでは、汗をかいたまま放置すると、汗による汚れが刺激となって痒みが起こり、皮膚を掻破し、とびひを合併しやすくなります。

そのため、なるべくこまめにシャワーを浴びて汗の汚れを落とすことにより、とびひの発症や増悪が抑えられます。

湿疹・皮膚炎がある場合は入浴してはいけないと誤解している患者さんも多いようですが、シャワーで皮膚を清潔にすることが予防にも治療にも重要です。

ただし、タオルの共用は避けるようにします。

患児の登園や登校を禁止することはありませんが、子ども同士の接触は避けるように指導します。
したがってプールは参加させないほうがよいでしょう。

抗菌薬を投与して、5~7日で赤みが消失すれば、通常通りの生活に戻って問題ありません。

発熱などの全身症状がない限り、入浴して皮膚を清潔に保つべきです。
湯船には入らず、シャワーを使って、泡立てた石鹸で病変部をやさしく洗い、石鹸分をよくすすぎます。

痂皮は無理に取る必要はありませんが、除去できるものは洗い流します。
兄弟姉妹がいる場合は、患児を最後に入浴させるとよいです。

とびひのときプールに入っちゃダメ?

プールには入れないほうがいい。
プールは、他のお子さんと直接接触してうつしてしまうので避けたほうがいいです。

でも、1人でお風呂に入る分には何の問題もありません。
兄弟でお風呂に入ると、うつしてしまうかも。

でも、お風呂に限ったことではなく、日常生活で接触していればうつすでしょう。
皮膚を清潔にすることが予防にも治療にも重要です。

とびひは学校感染症に分類されています。
病変部を処置してあれば、保育園や幼稚園、学校を休む必要はありません。
ただし病変が広範囲の場合や、発熱など全身症状がある場合は休ませます。

プールの水を介してうつることはありませんが、自分の病変を悪化させたり、他人に接触してうつしたりする恐れがあるため、完全に治るまで(乾燥して痂皮が取れるまで)プールは禁止します。

とびひは細菌による疾患であるため免疫は成立せず、皮膚のバリアが弱い小児では何度もかかります。
再発を予防するためには、手洗い、爪を短く切る、鼻をほじらないよう言い聞かせることなどが重要です。

とびひに絆創膏は禁忌?

軟膏を塗る際は、滲出液を広げないように、びらんの周囲から内側に向かって塗るようにする。

そして病変部を覆う際には、面積が小さくても救急絆創膏は使用せず、ガーゼで覆う。

ガーゼを固定する際もできるだけテープが肌に触れないようにしたい。

これは、救急絆創膏やテープが接触した部分にとびひが広がりやすいためだ。

手足であれば、ガーゼをぐるりと巻くようにするとよい。

びらんからの浸出液の量は多くないが、外へ染み出ないくらいの厚さのガーゼを当てる。

ガーゼは1日2回程度交換する。

軟膏を少し厚めに塗るとガーゼを剥がしやすく、痛みが少ない。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

2 件のコメント

  • 産業薬剤師 のコメント
         

    私も同じように基本的に入浴は問題ないと思っておりました。
    しかし過去に投薬した小児患者さんの話ですがその時感冒薬が出ており、お母様に「風邪なんですけどお風呂に入れてもいいですか?」と聞かれたので「発熱がひどくなければ問題ないと思いますよ。」とお答えしました。1週間後それを知ったDrから怒りの電話がかかってきました。

    『肺炎の可能性がある人に風呂を勧めるなんてどういうことだ』と…。

    肺炎なんて聞いてないんですけど…?
    といったことがありました。過去にこういう事例もあるのでどうぞお気を付けください。
    どちらかに統一してほしいですよね。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    いやあ、でも風呂は普通に入るでしょう。発熱がひどくなければ…と言ってますし、咳がひどかったんでしょうかね。
    風呂を勧めたわけでもないですし、とんだとばっちりですね。
    しかしこういう医師が多いから、患者から何か聞かれたときは「医師に聞いてください」って対応になっちゃうんですよね。

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yakuzaic
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職業:薬剤師
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