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シルガード9とサーバリックスとガーダシルの違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約7分50秒で読めます.
5,424 ビュー. カテゴリ:サーバリックスとガーダシルとシルガード9
子宮頸がんワクチンといえばグラクソのサーバリックスと、MSDのガーダシルがありますが、2021年2月24日にMSDからシルガード9という新しい子宮頚癌ワクチンも発売されたらしい。
医薬品名 | 予防するHPVの数 | 予防するHPVの型 | 効能効果 |
---|---|---|---|
サーバリックス | 2種類 | HPV16/18型 | ヒトパピローマウイルス(HPV)16型及び18型感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2及び3)の予防 |
ガーダシル | 4種類 | HPV6/11/16/18型 | ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防 〇子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS)) 〇外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3 〇肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3) 〇尖圭コンジローマ |
シルガード9 | 9種類 | HPV6/11/16/18/31/33/45/52/58型 | ヒトパピローマウイルス6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に起因する以下の疾患の予防 ・子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS)) ・外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3 ・尖圭コンジローマ |
サーバリックスは、HPV16型と18型をターゲットとし、子宮頸がんの予防に特化している。
ガーダシルは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11、16、18型の感染に起因する子宮頸がん、尖圭コンジローマなどの予防をする。
HPVに起因する子宮頸がんのうち16と18型によるものが約7割という。一方、6、11型は尖圭コンジローマの発症原因の約9割を占めるという。
そして、さらにHPV31/33/45/52/58型が加わった9価ワクチンが「シルガード9」である。
子宮頸がんのみの適応を有するサーバリックスはもちろん女性用なのだが、ガーダシルやシルガード9は尖圭コンジローマや肛門癌の予防にも使えるので、男性でも接種は可能である。
価が多いほどいいのか?
仮に、ターゲットとする抗原の種類を2倍にしたワクチンをつくるとする。
1人分の1種類あたりの抗原量を変えないでつくろうとすると、摂取する抗原の総量も当然2倍になる。
すると、副作用が出る可能性も高くなるし、ワクチンの価格も高くなる。
かといって、抗原の総量を変えずに、各種類の抗原量を1/2にしてつくれば、効かないワクチンになってしまう。
というわけで、ワクチンはミックスすればするほどいい、のではなく、ワクチンの必要性(各遺伝子型の流行状況)と力価、製造コスト等のバランスが重要となる。
子宮頸がんワクチンの接種に億劫になっている方々は、副反応が怖いので、むやみに価を多くしたものよりもシンプルなサーバリックスのほうが接種しやすいかもしれない。
子宮頸がんのリスクがわかる検査?
自宅で簡単に子宮頸がんのリスクがわかる検査キットが販売されている。
パピックス
自分でカンタン!子宮頸がんHPV検査【PAPI’Qss】
子宮頸がんかどうか、ではなく、子宮頸がんになりやすいかどうか、というリスク検査。
1回6800円。
子宮頸がんのワクチンはありますが、副反応から接種を控えている人もいるでしょう。
子宮頸がんのリスクが高ければ、接種を考えてみるというのもいいだろう。
ただ、ヒトパピローマウイルス(HPV)はとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性の80%以上が、50歳までに感染を経験するといわれています。
つまり、検査結果が陽性になる可能性は高いが、それで「子宮頸がんになるんだ」と悲観することはありません。
パピックスのQ&Aにも、以下のように書かれている。
Q.ハイリスク型HPVに感染すると必ず子宮頸がんになりますか?
A.ハイリスク型HPVに感染しているからといって必ず子宮頸がんになるわけではありません。ほとんどが一過性の感染で自然消失します。子宮頸がんの原因はハイリスク型の持続感染で、持続感染がある場合は数年から10数年の期間を経て子宮頸がんになる可能性がありますが、必ずしも全員がなるわけではありません。状況を確認するためにも定期的な検査をおすすめします。
定期的な検査をおすすめします。
ヒトパピローマウイルス
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)ですが、このウイルスは多くの女性が一生のうちに一度は感染する、ごくありふれたウイルスです。
子宮頸がんのリスクとしては性交渉年齢が若い人、性交渉を多人数と行っている人、また妊娠や出産の回数が比較的多い人、喫煙をしている人などに発症が高いです。
年間約1万5000人の女性が罹患し、約2500人が亡くなっています。
しかし、このHPVは自然感染しても抗原として認識されにくいウイルスです。
また、認識されても一時的なので、他の感染症のように、たとえばインフルエンザウイルスに感染して同じウイルスのインフルエンザには感染しないという状況にはならないようです。
その理由として、HPVは子宮頸部の上皮細胞に局所感染し、そこに留まって存在し、血液中には侵入しないので血清抗体価が上がりにくく、十分な抗体ができないことが考えられています。
HPVの抗体が自然感染では産生されにくい理由
・ウイルスが血中に侵入しない
・炎症を起こさない(感染細胞を破壊しない)
・局所感染にとどまり、抗原提示細胞との接触機会がほとんどない
・ランゲルハンス細胞を活性化させない
HPVは感染しても抗原として認識されにくいという特徴がある。
HPVは子宮頸部の上皮細胞に局所感染をし、そこに留まって存在し血液中には侵入せず、炎症も起こさないからです。
すなわち、血液中に侵入しないため血清抗体価は上がりにくく、十分な抗体ができないのである。
また、皮下組織に存在する抗原提示細胞(侵入した抗原を他の免疫系細胞に伝達するマクロファージや樹状細胞など)と接触する機会もほとんどなく、上皮内にあるランゲルハンス細胞(樹状細胞の一種)を活性化させないことも、抗原として認識されにくい理由に挙げられる。
それゆえ、感染した上皮が壊され、HPVウイルスタンパクが真皮内の樹状細胞に曝露されない限り、免疫応答は起こりにくいと考えられている。
このようにHPVは自然感染によっては抗原として認識されにくいため、十分な免疫反応を誘発することができず、抗体が産生されにくい。
そのため繰り返し同じ型のHPVに感染するのである。
16型と18型
子宮頸がんワクチンは、HPVのうち、「16型」と「18型」というタイプの感染を、ほぼ100パーセント予防するものです。
この100%というのをグラクソは強調するもんで、子宮頸がんを100%予防できるものだと思ってしまいます。
しかし、HPVには16型18型以外にもたくさんあるわけで、16型18型が占める割合は60%(わが国の子宮頸癌から検出される16型は44.8%18型は14.0%である)です。
40%の患者さんには効かないわけなので、過剰な期待は禁物です。
しかし、若い子宮頸癌患者では16型、18型が検出される頻度が高いこと、細胞診で早期発見が困難な腺癌では18型の検出率が高いこと、16型・18型と近縁の型に対するクロスプロテクション効果もあることから、実際にはより高い効果が期待できると考えられている。
実際12歳の女児全員が接種を受けた場合には、子宮頸癌の死亡率は73%減少するという試算も報告されている。
でも、インフルエンザやおたふくかぜじゃない、癌ですからね。10%でも20%でも予防できるもんならしておいたほうがいい。
がん保険に入るくらいなら、打ったほうがいいです。
HPVには多くの種類があり、その数は100種類以上と言われている。
子宮頸がんの発症に関係するのはそのうち15種類ほどで、発がん性HPV(がんを引き起こす危険性が高い「ハイリスクタイプHPV」)と呼ばれている。
ハイリスクタイプには、16、18、31、33、35、45、52、58などの型があるが、世界的に子宮頸がん患者からは16型と18型が高率で検出されており、前者は約50%、後者は約20%に及ぶ。
日本においても16型と18型の検出率は約60%と高率であるが、他国とは地域差があり、52型、58型、33型の検出率が欧米よりは高くなっている。
日本人全体では16型・18型の割合は他国より定率だが、20~30歳代では18型の占める割合が最も高く、16型と合わせると約80%にのぼる。
予防効果の持続時間
予防効果の持続時間は確立されていない。
現在までの抗体価の推移から、20年程度は高い抗体価が維持できると予測されているが、将来的には追加接種が必要になるかもしれない。
子宮頸がんワクチンは痛い
子宮頸がんワクチンは痛いらしい。
というかそもそも筋肉注射は痛い。
日本ではワクチンは皮下注射することが多いから、あまり痛くない。
海外では筋肉注射が主体。
尖圭コンジローマと子宮頸がん
「サーバリックス」はHPV 16, 18型の感染を予防できる、一方で「ガーダシル」はHPV 16, 18型に加えてHPV 6, 11型の感染も予防できる。
HPV 6, 11型は子宮頸がんの原因となるタイプではありません。HPV 6, 11型は“尖圭コンジローマ”の原因となるHPV。
子宮頸がんワクチンとしてはどっちでもいい感じ。
子宮頸がんから検出されるHPVの遺伝子型の分布は、地域・民族によって異なるが、16型が最も高頻度に検出される点は世界共通であり、16型と18型を合わせると約70%を占める。
しかし、日本においては、16型と45型の検出頻度が海外と比べて低く、52型と58型の検出頻度が高いことが特徴であり、16、18、52、58の4つの型をターゲットにした4価ワクチンを摂取しないと、70%以上の感染を予防できない。
ただし、20〜30代に限ると、16と18型が約80%を占めるため、2価のワクチンでも効果が期待できる。
子宮がんは年寄りの病気?
子宮頸がんが年寄りの病気というのは40~50年前の話。
ここ40年の間に、60~70歳代の発症は激減したのに、20~30歳代だけが増加しています。
女性の癌、子宮頸がんは若い女性に多いです。
がんも40~50代がピークですが、早期発見のために30代くらいからの検診は必要です。
しかし、若い女性ほど婦人科検診に消極的です。恥ずかしいから。
40過ぎるとそんなことも言ってられないので、婦人科検診に積極的です。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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