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製品番号と製造番号の違いは?
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約4分21秒で読めます.
10,835 ビュー. カテゴリ:麻薬帳簿の書き方
薬局業務に関する細かいこと。
麻薬帳簿の書き方について、再確認。
「麻薬及び向精神薬取締法」第38条に麻薬帳簿について定められている。
第三十八条
麻薬小売業者は、麻薬業務所に帳簿を備え、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 譲り受けた麻薬の品名及び数量並びにその年月日
二 譲り渡した麻薬(コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類を除く。)の品名及び数量並びにその年月日
三 第三十五条第一項の規定により届け出た麻薬の品名及び数量四 廃棄した麻薬の品名及び数量並びにその年月日
2 麻薬小売業者は、前項の帳簿を、最終の記載の日から二年間、保存しなければならない。
厚生労働省の「薬局における麻薬管理マニュアル 」には以下のように記載されている。
第5 記録・帳簿の記載(法第 38 条)
(1) 薬局に帳簿を備え、麻薬の受払いについて、次の事項を記載する必要があります。
① 譲り受け又は廃棄した麻薬の品名、数量及びその年月日
② 譲り渡した麻薬の品名、数量及びその年月日 (コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類については、記載する必要はありません。)
③ 麻薬事故届を提出した場合は、届け出た麻薬の品名、数量及び事故年月日(届出年月日 については備考欄に記載)
④ 廃棄した麻薬については、備考欄に届出年月日
(2) 帳簿の記載に当たっては、次の事項に注意する必要があります。
① 帳簿は、品名、剤型、規格別に口座を設けて記載してください。 例えば、麻薬の原末から 10%散を予製した場合においては、10%散の口座を新たに作成して記載してください。
② 帳簿の形式としては、金銭出納簿形式のものが便利です。 なお、脱着式(ルーズリーフ等)の帳簿を使用しても差し支えありません。
③ 帳簿の記載には、万年筆、サインペン、ボールペン等の字が消えないものを使用してく ださい。
④ 麻薬の受け払い等をコンピュータを用いて処理し、帳簿とする場合は、帳簿に麻薬取締職員等の立会署名等を必要とすることもありますので、原則として定期的に出力された印刷物を1ヶ所に整理し、立入検査等の際に提示できるようにしてください。
⑤ 帳簿の訂正は、訂正すべき事項を二本線等により判読可能なように抹消し、その脇に正しい数字等を書いてください。訂正した箇所に管理者等の訂正印を押してください。修正液や修正テープは使用しないでください。
(3) 記載の方法 譲受け又は譲渡しがあった都度記載することが原則です。記載内容等は、下記の項に従っ て記入してください。
① 麻薬卸売業者から譲り受けた麻薬の受入年月日は、麻薬卸売業者が作成した麻薬譲渡証に記載された年月日としてください。このほか備考欄には、購入先の麻薬卸売業者の名称及び製品の製品番号を記載してください。また、譲渡証の日付と納品日(到着日) が異なる場合、納品日(到着日)を備考欄に記載してください。
② 患者等からの譲受け
患者の死亡等の理由により患者の家族等から返却された麻薬についても品名、数量、 年月日を帳簿、若しくは補助簿を作成して記載してください。
また、同じ日に複数の患者から返却があった場合は、個々に返却された数量が分かるように記載してください。
譲り受けた麻薬を廃棄する場合は、備考欄に廃棄年月日、調剤済麻薬廃棄届の提出年 月日を記載し、廃棄の立会者が署名又は記名押印してください。
※ 外来患者から返却された麻薬はすべて廃棄してください。
③ 処方せんによる譲渡し
麻薬処方せんにより調剤した患者の氏名を備考欄に記載してください。(コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類は、記載する必要はありません。)
④ 麻薬小売業者間譲渡許可による譲渡・譲受
麻薬小売業者間譲渡・譲受の相手方の名称を備考欄に記載してください。
⑤ 慢性疼痛患者へのフェンタニル経皮吸収型製剤の交付 慢性疼痛緩和の目的でフェンタニル経皮吸収型製剤を払い出す際には、麻薬帳簿の備考欄に、「慢」などと記載することにより、慢性疼痛緩和の目的での受け払いであること を明確にしてください。
(4) その他
定期的に帳簿残高と在庫現品との確認をすることが必要です。
なお、アヘンチンキ等の自然減量及びモルヒネ原末等の秤量誤差については、帳簿にその旨を記載し、備考欄に立会人が署名又は記名押印してください。
麻薬小売業者は、帳簿を最終の記載の日から 2 年間保存することが義務付けられています。
個人的に注意すべき項目として、
⑤ 帳簿の訂正は、訂正すべき事項を二本線等により判読可能なように抹消し、その脇に正しい数字等を書いてください。訂正した箇所に管理者等の訂正印を押してください。
麻薬帳簿の記載間違いをすることはたまにあるが、従事している薬剤師がそれぞれ訂正印を押す形で訂正していた。しかし訂正印の押印は「管理者等」となっているので、管理薬剤師による訂正印が望ましい。
また、記載項目として、
① 麻薬卸売業者から譲り受けた麻薬の受入年月日は、麻薬卸売業者が作成した麻薬譲渡証に記載された年月日としてください。このほか備考欄には、購入先の麻薬卸売業者の 名称及び製品の製品番号を記載してください。また、譲渡証の日付と納品日(到着日) が異なる場合、納品日(到着日)を備考欄に記載してください。
製品番号を記載するように書かれている。LOT番号でいいのだろうか?
製品番号と製造番号
製品番号と製造番号は違います。
通常医薬品管理は製造番号(LOT番号)で行われますが、麻薬帳簿への記載が求められているのは製品番号です。
一般的に、製品番号はP/N(Part Number)、製造番号はS/N(Serial Number)という。
しかし、医薬品や食品については、1錠ごとに番号を付けたりすることは難しいいので、ちょっと大きめの単位(ロット)ごとに管理されているので、ロットナンバーと言います。
正直、製品番号のほうがどういう意味を持つのか、必要なのかよくわかりませんが、どちらも記載しておくのが良いでしょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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